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Channel: 野球:海外/独立リーグ
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【閑話休題・23】元西武の森慎二投手を悼み、その勇姿を思い出す

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2017年6月28日、西武ライオンズの森慎二投手コーチが42歳の若さで急逝した。私も生前の投球を見たことがある一人だったので、大変驚いた。そして、私が見た姿というのがとても貴重な時代のものであることに気づいたので、ここにその写真を掲載することにした。森投手は1997年に西武ライオンズに入団し、2002年と2003年に最優秀中継ぎ投手のタイトルを獲得した。2005年オフにメジャーのデビルレイズに入団したものの、2006年の開幕前のオープン戦で全治1年の重傷を負ってしまう。結局、NPBでの公式戦登板は2005年が最後になってしまった。多くの人にとって「投手・森慎二」の姿は2005年で止まっているはずだ。しかし、あまり知られていないが、森投手はその後「現役復帰」を果たしていたのである。3年におよぶリハビリを終え、2009年に独立リーグであるBCリーグの石川ミリオンスターズのコーチに就任すると、翌2010年には監督に昇格。そこから2014年まで5年間にわたって監督を務め、独立リーグ日本一に2度(2011年、2013年)も輝いた。そして肩の調子もよくなったため、ついに2013年、8年ぶりに選手兼任監督として現役復帰を果たしたのだ。2014年まで2年間で23試合(計20イニング)に登板している。私がその投球を見たのは、2014年5月4日に富山市で行われた富山サンダーバーズと石川ミリオンスターズの試合でのこと(詳細はこちら)。その写真を再編集して改めて掲載する。試合前にメンバー表を交換する森慎二監督(青いユニフォーム)。右手前は近鉄などで活躍した吉岡雄二監督(近年ではとんねるずの野球盤で有名)。この試合では森監督が7回から1イニングだけ登板した。写真はピンチを迎えてタイムを取り、選手たちがマウンドに集まったところ。中央にいる背番号34が森投手だ。ランナー3塁のピンチでサンダーバーズの打者に挑む森投手(写真左側)。1塁側スタンドのサンダーバーズファンからのヤジにもひるむことなくバッターを打ち取り、2失点でこのイニングを終えた(残念ながら投げている姿をアップで撮った写真はなかった)。「ピッチャー・森」を表示するスコアボード(写真左側)。現役のピッチャーとして投げていたことを示す光景だ。ちなみに富山サンダーバーズの「ピッチャー・秦」は元横浜ベイスターズの秦祐二投手兼任コーチである。森監督はこの2014年オフで石川ミリオンスターズを退団し、西武ライオンズに投手コーチとして10年ぶりに復帰した。同時に投手としてはこの年をもって「現役引退」となってしまったため、私は「現役最後の年」における貴重な姿を目撃できたわけだ。そして先述のように2017年6月28日、42歳の若さで急逝した。残された者が亡くなった人に対してできることは、その存在を忘れずに記憶にとどめることと、時々思い出して生前の姿を語り継ぐことだ。特に、2005年にNPBで最後の登板を果たした森投手が、10年も後の2014年までマウンドで投げ続けていたという事実を伝えることに、私のちょっとした写真が一助となれば幸いである。

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