Quantcast
Channel: 野球:海外/独立リーグ
Viewing all 1963 articles
Browse latest View live

エルパソ・サウスウェストユニバーシティパーク(7月20日)

$
0
0
 ニューメキシコ州アラモゴードからハイウェイ54号を南下すること140 キロ。アメリカの感覚では1時間ちょっとのドライブだ。ここでハンドルを握っていると、日本の高速道の制限速度が一般道の感覚になる。なにしろハイウェイでは80マイル(120キロ)が事実上の「最低速度」なのだから。 ダウンタウンに入る前に、町を見下ろすシンボル的存在の岩山に登る。この岩山に登る小さなロープウェイはこの町の名物で、昼下がりの乗り場には長蛇の列ができていた。8人ほどが立ち乗りするゴンドラには案内人が乗っていたので、旧球場コーエン・スタジアムの場所を聞くと、先ほど走って来た方向を指さして、まだそれはあって、アマチュア野球が使っていると説明してくれた。岩山から町を一望してからダウンタウンへ向かう。2014年に新造された球場には、地元銀行がスポンサーとなり「サウスウェストユニバーシティ・パーク」の名がつけられている。初めは大学の球場なのかと思ったが、銀行の名前のようだ。アメリカの多くの町の球場同様、鉄道駅の隣のおそらくは貨物ヤードだったところに3Aチーム誘致のため造られたらしい。おかげで、この町で、かつての2Aチームの名、「ディアブロス(スペイン語でデビルの意)」を引き継いで頑張っていた独立リーグのチームは追い出されてしまった。サンディエゴ・パドレスの傘下に入った新チーム発祥の地、チワワは国境を越えてそれほど遠くない距離にある。 近年、というかここ20年ほどのアメリカの現象として、郊外に造った球場を市街地の真ん中に移転させ、プロ野球チームを誘致するということがある。アメリカの球場は、モータリゼーションの発達により、郊外のハイウェイ沿いに移転したが、1980年から90年代にかけて、市内の中心の荒廃が問題となった。私が初めてアメリカに足を踏み入れた1991年あたりだと、夜のダウンタウンは危険で一人歩きなどもってのほかと言われていた。この時は、メジャー11試合を観戦したが、極力デーゲームを選んだせいもあって、ナイター観戦は4試合に過ぎなかった。初めてのアメリカということもあり、とにかくナイター後、宿に帰るまで、異常に緊張したのを覚えている。ともかく、1990年代は、余程の大都市でもなければ、ダウンタウンはゴーストタウンのようにさびれていた。 これがまず、メジャー球団のある都市から変わっていった。郊外や、市内でも少々治安に問題のある地区に建てられていた球場を、町の中心に新造された、レンガ造りの外観をもつネオクラシック調の新球場に移していったのだ。用地には物流の合理化によって空き地となった港湾地区や鉄道施設があてられた。 この流れはやがてマイナーにもやって来た。数年前、私はオハイオ州コロンバスの3A球場を取材したが、この町も、町はずれの墓地近くにあった球場を町のど真ん中に新造し、町の活性化に役立てていた。 というわけで、同じ流れの中に造られたエルパソの新球場も、コロンバスの球場そっくりだった。外観はもちろんネオクラシック。市中心部に面した通りからは、なんと金網越しにフィールドをチラ見できる箇所がある。それも、またブルペン越しに。ネット書籍なんかでは、数ページをタダで見せて、続きを買わせようとするのがあるが、発想としてはそれと一緒だ。この試みは、日本でもマツダスタジアムでもなされているが、すでにコロンバスの球場でやっていたものだ。 また、近年、マイナーではそれまで外野席などはほとんど設置されていなかったが、野球を観るのではなく、ボールパークを楽しむ、スペースとして利用する例が多くなってきている。日本でもそうだが、球場にやってくる観客で純粋にゲームだけを観に来るのは少数派だろう、そういう客が外野に多いのは、日本の各球場の外野席の応援風景を見れば簡単に理解できる。アメリカには日本のような応援文化がない代わりに、外野に飲食や遊びのスペースをもうけて、子ども連れやグループ客を招き寄せようとしている。 エルパソでは、センターバックスクリーン近くに噴水が設けられ、そこでは子どもたちが試合そっちのけで水遊びに興じている。その噴水スペースの前は芝生席。ここでは子どもたちが親の目の届くところで走り回っている。 ライト側には2つビルが建っていて、そこにはバーレストランが入っている。この試みは先に紹介したコロンバスにもあった。コロンバス球団のスタッフの話では、このスペースは、野球観戦よりも飲食をメインにしたグループ向けのものらしい。入場料の10ドルはチャージと考えれば、ちょっと趣向を凝らしたパーティーが楽しめるということなのだ。もちろん普段見ないアングルから食事をしながらじっくり野球を観たいと言う需要にも応えて、フィールドに面したカウンター席もある。日本では、この手の席はガラス張りか、あるいはネットがご丁寧に張られているが、ここアメリカではもちろんそんな野暮なことはなく、オープンエアでフィールド風を感じながらビール片手に観戦できる。もっとも最近のアメリカの球場のビールの高さは尋常ではないが。3A以上だと1杯1000円は覚悟せねばならない。 第1回WBCの決勝の舞台となったサンディエゴの球場のレフトポール際に古いレンガ造りのビルがあったのを覚えている人は多いだろう。このペトコパークも郊外のフットボール兼用の球場から、ダウンタウンの中心部に移転してきた球場だが、建設の際、古いものをすべて壊すのではなく、上手く利用するのもアメリカだ。エルパソの球場にもこのアイデアは生かされていて、ライト側にある2棟の建物のうち、ポール側の建物はなんとかつての市庁舎だったらしい。この建物各階にもレストランが入っているのだが、その通路には、エルパソ・シウダーフアレス(メキシコ側の都市、テキサス・ニューメキシコがアメリカに「奪われる」までは、ひとつの町だった)の野球の伝統を伝える古い写真が飾られていた。 ネット裏のラグジュアリーシートの充実ぶりもすごかった。ホテルのロビーを思わせるエントランスにパーティー会場を思わせる飲食スペース。飲食が済んだらネット裏2層目の特等席で観戦できるという仕組みだ。 と言うわけで、余りの球場のすごさに、試合の方は、おろそかになってしまった。試合開始直後から雨が降り、4度目の正直もならずかと、ひやひやしたが、時折本降りになる中、9回まで試合は行われ、エルパソでの観戦を無事終えたのであった。

イタリアンベースボールリーグレポート2017(ノヴァーラ対パルマ,8月11日)

$
0
0
 イタリア共和国ノヴァーラと言っても、あまりガイドブックにも載っていない町なので、訪ねる日本人も多くはないだろう。それでも、ちょっとした町ならローマ遺跡か町自慢のドォーモ(大聖堂)があって他の町との独立性を重んじるこの国にあって、この町はそれらを共に持ち、クーポラと呼ばれる高い塔が自慢の教会もある。 そして、このクーポラをユニフォームの端にデザインしたユニフォームをまとうプロ野球チームもこの町はもっている。ノヴァーラ・ベースボールクラブは今年で50周年を迎える伝統あるチームだ。 と言っても、このチームが「プロ野球」チームであった歴史は決して長くない。ひょっとすると今でも純粋な「プロ野球」チームではないかもしれない。日本やアメリカのようにプロとアマの境界はヨーロッパでははっきりしないのだ。 プロリーグであるイタリアンベースボールリーグ(IBL)が発足したのは、2010年のことである。1948年発足のこの国の野球リーグは、他のスポーツと同じように、セリエAを頂点とする上下の入れ替えのあるオープンリーグとして存在していたが、ヨーロッパではどのスポーツにしても、下位レベルであっても選手に多少の手当てが支給されることは珍しくなく、野球の場合も、セリエAくらいになると、外国人選手はもちろん、国内選手にもそれなりの月給を手にするプロ選手も存在した。 そういう中、トップリーグの充実と強化を図るべく、発足したIBLは、「本格的なプロリーグ」を目指して、アマチュアリーグのセリエとは入れ替えのないクローズドリーグとし、加盟各球団に、1.ファームチームの保有(実際はアマチュアチームと契約をし、ロースターから外れた契約選を預けた)、2.全選手への報酬の支給(これも徹底はしていなかったようだ)、3.入場料の徴収を義務づけ、これに賛同したセリエAのクラブ8チームで構成された。発足3シーズンくらいまでは、試合数も週末、金曜と土曜のダブルヘッダー(日曜はサッカーと重なるので試合はなし)とし、1シーズン42試合を行うようになった。、また、投手の起用に関しては、金曜は外国人助っ人、土曜の第1試合は、ASIと呼ばれるイタリア国籍をもつ外国人選手、第2試合がイタリア人投手と制限を設け、国内選手の育成にも配慮していた。 しかし、この改革も、観客の増加を生んだわけでもなく、国から野球連盟(IBLは野球連面により運営されている)の補助金の根拠でもあった五輪競技からの脱落と復帰の見込みが立たなかったこと、などもあり、野球人気ははすます下火になり、この規定についていけない球団が毎年のように脱退していく中、規定も年々緩くなって、今ではリーグの実態は旧セリエA(現在もセリエAはアマチュアのトップとして存在している)と何ら変わらない状態になっている。 旧セリエAの常連だったノヴァーラがIBLに加盟したのは昨シーズンのことらしい。存続の危機に立たされたクラブを3年前に引き受けた地元鉄工会社を経営するシモーネ・ピリシオ氏の尽力でなんとかプロ球団としてトップリーグ復帰を果たした。 現在、唯一のチームスポンサーとなり、自ら球団のチェアマンを引きうけているシモーネ氏。どうして野球のスポンサーになったのかと尋ねると、自らは柔道をし、この町自体がイタリアの米どころとして、米作地域である台湾との関係が密接であることなど、野球の盛んな東アジアとの縁を挙げたが、決定的なのは彼の妻がドミニカ人であることだった。この妻は、試合のある日は、2人の妹とともに、球場のバルを切り盛りしている。「チームを支え続けてきたけど、もう限界だよ。本業もあるし、休みはないね」と、シモーネ氏。来シーズンは他にスポンサーを探すという。  球場は、町の北端にある駅から南西に3.5キロ。サッカースタジアムがひときわ目立つその横にひっそりとたたずんでいる。ネット裏から1,3塁のベースの手前までに7段ほどのスタンドしかない小さなスタジアムだ。 試合開始予定は午後8時半。これでも十分遅いのだが、8時を過ぎても試合が始まる気配がまったくない。いつ試合が始まるかと疑問に思い、選手に尋ねると、9時だという。なんでも、この球場はこの時期の日没がちょうどバックスクリーンと重なり、打者が投球を見にくくなるというので、完全に日が沈んだあとに時間を変更したらしい。にわかには信じられない話だが、球団のスタッフの話でも7、8月の間はリーグの承諾の上、そうしているということだった。(この日、先頭打者弾を含む2打席連続ホームランを放ったミラバル)試合の方だが、パルマが初回いきなりミラバルの先頭打者アーチで先制。ミラバルは3回にも2打席連続のソロアーチで2点目をチームにもたらし、パルマはさらにこの回、元メジャーで日本の横浜やロッテでプレーしたホセ・カスティージョの詰まりながらも弾き返したレフト前ヒットを足掛かりにショートへの内野安打で1点を追加し同点とした。 ホームチームのノヴァーラの方は、先制を許したものの、1回裏に2点を入れ早くも逆転、続く2回裏にもツーアウト2,3塁からレフト前ヒットで1点を追加したが、続いてホームに突入した2塁ランナーが、レフトの好返球で刺され追加点を奪えず。さらには、3回裏の連続四球によるノーアウト1,2塁のチャンスでのバントでピッチャーにハーフライナーを上げるという始末。パルマの先発、アメリカ人投手のテスタは、これを巧妙に弾きサードに転送、1-5-4-3のトリプルプレーを成立させた。このプレーに、ノヴァーラベンチは、故意に落としたじゃないかと猛抗議したが、審判はこの抗議を受け付けなかった。 序盤は点の取り合いで、一体この試合はいつ終わるかと思ったが、両投手とも、4回からは立ち直り、両軍の打者も高めのボールをブンブン空振りし、試合のテンポは早くなっていく。いく。 5回まで試合は膠着したが、6回表にノヴァーラのドミニカ人リリーフ、ジョナタン・アルスティルがマウンドに登ったが、先頭打者に安打を許すと、そのまま交代してしまった。(2番手でマウンドに上がったアリスティルだったが)この日の気温は10℃ほど。前日までは日中は30℃を越え、夜の寝苦しいほどだったのだが、急激な気温の変化のせいで肩を壊してしまったようだ。 急遽、リリーフのマウンドに登ったのは、アメリカ人のブレント・ブッファ。ブルペンでも投げていなかったので、マウンドで規定数よりかなり多く放ってから、本番に臨んだ。しかし、急ごしらえには変わらない。このあと、パルマ打線は、つるべ打ちの連続安打で2点を入れ、試合を決めたかに見えた。  しかし、3回以降ピンチらしいピンチも招かなかったということで、パルマは先発のジョセフ・テスタを引っ張ったが、これが裏目に出た。(5回までは試合を作ったテスタ。投球数125を考えると、やはり引っ張りすぎた感は否めない)1アウトから3番オスカル・アングロの2ランが飛び出し、同点に追いついたノヴァーラは、この回さらに1点を追加し、勝ち越すと、8回にも2点を追加し、3番手のブッファも、2イニング目からは見違えるようなピッチングでパルマ打線を抑えた。 ちなみに9時間開始のこの乱打戦が終わったのは、0時半。イタリアではホームチームが、試合後、ビジターチームを食事でもてなす習慣があるが、シャワーを浴び、食事が終わったのはこの後1時間以上過ぎてからのことだった。ビジターのパルマの一行は、ホテルなどに泊まることなく、バスで2時間ほどかけてホームタウンに戻るのだ。

2017年 夏の野球旅 四国アイランドリーグ編 (2017年8月12日 愛媛マンダリンパイレーツVS徳島インディゴソックス)

$
0
0
 続いては、舞洲サブの翌日に訪れた愛媛県宇和島市にあります丸山公園野球場であります。 宇和島、です。今シーズン限りで現役を引退される福島ホープスの岩村明憲さんの出身地でもあります。 宇和島駅から球場までは徒歩で15分ほどの距離ですが、徒歩で来る人のことなどハナから考えていないらしく、案内板も何もないただの住宅街をスマホのナビを頼りにトボトボと歩きました。球場のそばには闘牛場などもあるようですから、もうちょっと遠方から来る観光客に向けた案内などをやったらどうか?とは思いましたね。 で、その途中、たまたま通りかかった宇和島駅の操車場には、一時期ネットニュースで話題になった偽の新幹線が鎮座しておられました。 チケットはご覧の通り。悪知恵の働く人など考慮されていない、性善説に基づいた入場券です。 大変のどかな環境にある、しかしそれでいて気の利いた良い球場であります。 バックネット裏は2階席まであり、ほどんど日陰になるように作られています。バックネットは2階席の屋根に固定されているため、ここにいればボールが飛んでくる心配もありません。 バリアフリーが徹底されていて、トイレもキレイです。 1塁側3塁側の内野席も整備されていて、芝生席もあれば、きちんと椅子の席もあります。 まず、外野の後方に、一面に渡る緑があるのが実に良いです。巨人のジャイアンツ球場も似たような作りをしていますが、外野後方が一面緑だとボールが見やすいですし、何より心を癒やす効果があるんじゃないかと、勝手に感服しております。 あまりにも良い球場なので試合中もあちこち歩き回って、色々な角度から試合を見たりして楽しませてもらいました。 さて試合です。開始前に両チームの選手が整列をするのはBCリーグと同じですね。こちらでは整列の他に、両チームの監督コーチ選手やトレーナーの方まで一人ひとりアナウンスとともに登場して紹介されるセレモニーも行われました。 愛媛マンダリンパイレーツの先発ピッチャーは、なんと北方悠誠! そうです。僕は彼の勇姿を見るために、あえて宇和島までやってきたのでした。ただ四国アイランドリーグを見るためだけなら、同じ日の丸亀の試合を見に行ったほうが日程的にも楽ができたのですが、北方選手と古村選手の元ベイスターズの2人をこの目で見るために、僕は宇和島に来たのです。 僕は以前「前途ある若者の芽を摘む醜い大人たち」というブログエントリーを書きました。まだ高卒3年目の若いピッチャーが一挙に4人もクビにされたあの日から、ある種の罪悪感みたいなものを持ち続け、事ある毎に様子を気にかけてきました。BCリーグを見に行くようになったのも、あの4人のうち伊藤拓郎選手を見に行くためでした。 もしかしたら予告先発みたいな形で予め告知されていたのかもしれませんが、僕はそういったものを見ず、ただ日程と場所的に行けそうな愛媛マンダリンパイレーツの試合というだけでこの日を選んだのでありますが、その試合に北方悠誠選手が先発で投げてくれて、とにかく本当に嬉しいの一言に尽きました。 20170812 四国アイランドリーグ、愛媛マンダリンパイレーツ 北方悠誠投手のピッチング https://youtu.be/fzz-y-XPpsw  実際、北方選手はどうだったでしょうか。成長した所もたくさんありましたし、課題もたくさんありました。 コントロールは格段に向上して、きちんとストライク先行で投げられるようになったと思います。 彼の持ち味であるストレートも、スピードガンがないので正確な数字はわかりませんが、見た感じ150キロ近い球速は出ているんではなかろうかと思いました。ストレート以外にもスライダーが良く、アメリカの3Aやヤクルトスワローズでプレーした経験を持つジェフン選手が驚いて腰を引いてしまう位のキレの良いボールを投げていました。 課題は、スタミナでしょうか。3回くらいまでは上々だったと思いますが、4回位からコントロールを乱し始めて、結局負け投手になりました。ボールが高めに上ずって、そこをコンパクトに狙い打たれてしまいました。 あくまで僕の私見として述べるならば、リリーフとして短いイニングを全力で投げる事に徹する方が今の彼に向いているような感じもしますし、そうすることで彼の最大の武器である豪速球が活きてくるのではないかと感じました。 彼はベイスターズ時代の晩年にはイップスに苦しんだそうです。フォーム固めにも苦しんで、ある時はサイドスローに転向してみたり、その後1ヶ月足らずで再びオーバースローに戻してみたり、とにかく迷走を続けました。一貫性を持たない大人の都合に振り回され続けたと、僕の目にはそう映りました。 しかしながら、やはり素質は一級品であるのは間違いないと改めて感じました。 もしも今オフにNPBのどこからも声をかけてもらえなかったならば、海を渡ってアメリカを目指すべきだと思います。 きっと彼ならばやり遂げて、一流になって僕達を唸らせてくれる日が来るであろうと、確信しました。               ■ 1試合見ただけで野球のレベルを云々するのは差し控えたいですが、ピッチャーの球速はBCリーグよりもこちらのほうが速い人が揃っているなと感じます。野球に関してはBCリーグと甲乙つけがたいと感じました。 お客さんの数は300人前後と、非常に苦戦しているのが見て取れました。 ただし、恐らくボランティアであろうスタッフの人たちが多くいらっしゃって、皆さん献身的に動いてらっしゃいました。 試合中、内野席にいるお客さんに一人ひとりにファウルボールの飛び込みに注意を、とても丁寧に呼びかけておられました。それも四角四面に「ご注意下さい」と言うのではなく、左バッターが打席に立った時にライナー性の打球がこのあたりに飛びやすいから、もう少し前の席に移動してフェンスで身を守るようにと、非常に細かく、かつ説得力のある呼びかけをされているのが、心を打ちました。 お客さんの数は少ないながらも、密度というか、濃さというか、そういったものを感じました。 独立リーグの試合はスポンサー関係の「お付き合い」で観戦に来られる方も少なからずいらっしゃるものだと考えていたのですが、この試合はそういう空気が全くせず、大人はもとより、保育園や小学校低学年くらいの子供たちまでもが、誰に促されるでもなく自発的に声を枯らして応援している姿が印象的でした。 イニング間のグラウンド整備ではビジターの徳島インディゴソックスの選手も一緒に汗を流します。 普段NPBの試合ばかり見ていると、グラウンド整備というのはスタッフの方々がやるのが当たり前だという風に捉えがちで、それは現在開催中の高校野球の甲子園大会でもそうですけれども、方やこうやって選手自らがグラウンド整備に汗を流す野球もあるのであります。 そこにはもう、野球に対する愛とか執念とか、とにかく野球に対するありとあらゆる感情が詰まっていて、目を背けてはいけないなと、そんな事を考えたりもしました。               ■ 電車の時間が差し迫っていたので9回表の途中までしか見届けられませんでしたが、とにかく良い経験をしてきました。はるばる宇和島まで出向いた価値のある、素晴らしい野球観戦をすることができました。 なにぶん距離があるので頻繁に足を運ぶことはできませんが、これが最後という風にはしたくないなと、帰りの車中で思いを新たにしましたよ。以上 

イタリア野球レポート2 久々のパルマ(8月12日)

$
0
0
 パルマと言えば、サッカーファンになじみのある地名だろう。かつてあの中田英寿が所属したサッカーチームのある町だ。このチームも、メインスポンサーの食品会社、パルマラットの破たんにより現在ではカルチョの表舞台から姿を消したみたいだが、実はこの町はイタリア野球においても中心的役割を果たしている。かつては立派なスタンドをもつ野球を2つも持っており、2004年アテネ五輪の際には日本代表(まだ当時は「侍ジャパン」などというネーミングはなかった)の合宿地ともなっている。 その日本代表が合宿で使用し、当時のイタリアトップリーグ・セリエAの「オールスター」チーム(実態は助っ人でやってきていたアメリカ人が大半だったが)と試合をした「ヨーロペオ」球場は、現在姿を消している。駅からほど近いという立地の良さがかえってあだとなったのか、商業施設に衣替えしているらしい。この球場が姿を消すことになって、この町のチーム、パルマは市街地の端にある「クローバー」と呼ばれる野球施設に引っ越すことになった。ここには4面の(内2つはソフトボール用)フィールドがあり、そのメイン球場を改修して現在本拠地として使っている。スタンド中央にバルも備えたこの球場は、イタリアでも屈指の施設と言える。 パルマ市街地からバスに乗り、地図を見ながらそれと思しき方向に歩いていく。団地の裏に広大なスポーツ施設があり、野球・ソフトボール場もその一角にあった。ここで今回、9月に行われるU18代表のステファン・チェンシ投手(結局肩の故障のため最終ロースターからは外れる)と、野球連盟広報のマルコ・ランディ氏、それにU18監督にインタビューを予定したこともあり、かつてイタリアン・ベースボール・リーグ(IBL)にも加盟していたレッジオ・エミリア球団のスポンサー社長夫人の日本人の方に通訳をお願いしていたのだが、球場入り口でちょうど顔を合わせることになった。現在は、スポンサーからは離れ、スポンサーを失ったレッジオ球団は、夫人いわく「草野球」のセリエCでかろうじて野球を続けているという。「どこも大変なのよ」と彼女は言うが、パルマも現在、スポンサー集めには苦労しているという。過去には、あのマイク・ピアッツァが球団を買収する話もあったそうだが、球団が抱えている負債を知って撤退したらしい。 それでも、この球団は、IBLきっての「人気球団」。この日も200人ほどの観衆が詰めかけていた。 1000人を超えることも珍しくないローマ近くのネットゥーノを除けば、この数字は「大入り」と言える。この球団は、毎試合のチケットの他、シーズンチケットも売り出している。 スタンド下のバルは、バーガー類の他、フィッシュアンドチップス、それに地ビールなども販売している。食へのこだわりの強い国民性がそうさせるのか、イタリアの球場のフードは実に充実している。観客数を考えると、大丈夫かなとも思えるのだが、メインは少ない観客というより、試合後の相手チームを招いての宴にあるようで、フードを作りすぎて余らせるということはないようだ。 ちなみに、試合後の食事は、相手チームだけ集めて提供するところもあれば、ホームチームも一緒に楽しむところもある。 この球場は、バルのカウンターの後ろ、スタンド下からフィールドを眺めることができる位置にレストランスペースがあり、招待客などがここで食事をする。この日は、対戦相手のノヴァーラのオーナー一行がやってきて試合前に食事を楽しんでいた。前日は、ビジターチームのパルマへ提供する食事を用意するため、観戦は片手間にかいがいしく働いていたオーナー夫人3姉妹だったが、この日は、ゆっくり野球観戦を楽しんでいた。スポンサーが替る前は、ノヴァーラの提供する食事の評判は最悪で、おにぎりだけのこともあったらしい。これにはいくら米どころと言え、ひどいと選手からは陰でブーイングがあったという。 ちなみに、現在IBLでは近隣のチームとの対戦では、金土の試合でホームとアウェイと入れ替えて試合をするようになっているらしい。 試合前には、チェンシ投手とマルコ氏にインタビューができた。U18監督氏は、本業はゴルフのインストラクターで、この日は球場に来れないということで、電話でインタビューをした。この詳細は、また発表する。(チェンシ投手) 試合の方だが、この日も後半に大荒れとなった。やはり投手不足は否めなく、とくにこの日は、イタリア人投手の日とあってその傾向が顕著だった。基本IBLを制するにはいかにイタリア人投手陣を整備するかがカギになるのだが、試合終盤は、ノヴァーラのワンサイドゲームになった。この日も、9時開始。帰りは通訳氏の車で送ってもらうことになっていたので、彼女の都合に合わせて8回で退散することになった。

ユニバーシアード大会野球競技 フランスが地元台湾に、チェコが韓国にそれぞれアップセットを起こす

$
0
0
大学スポーツのオリンピックであるユニバーシアード大会が台湾で行われています。野球競技は一昨年の韓国・光州大会から競技復帰を果たし、日本もいわゆる大学侍ジャパンが出場しているのですが、初日から大きなアップセットが連続して起きているようです。まあまずは見てもらった方が早いかもしれない。 Upset at #SUTaipei2017 #Universiade France scored 3 runs in the bottom of 9th on a walk-off error by Team Taiwan. Final score 🇫🇷4 : 🇹🇼3 pic.twitter.com/Hlt2k8NqPC— CPBL STATS (@GOCPBL) 2017年8月20日見ての通りフランス代表が地元の台湾代表にセンターの落球で逆転サヨナラ勝ちをしています。試合を見ていたわけではないので、細かい展開は分からないのですが色々と情報を拾い集めるとこんな感じ。・フランスの先発は代表トップチームでもエース格のオーウェン・オーザニッチ。アメリカ育ちでオーストラリアプロ野球の経験あり。アジアウインターリーグでもNPBの若手選手相手に好投。制球がよく、変化球でカウントの取れる好投手です。言い換えると、台湾の大学日本代表を抑える力量はあったということ。・そんな中で台湾は5回にようやく先制。8回にも2点の追加点を奪う。・最終回に連打を食らい急に緊張感のある展開に。・そしてセンターが悪夢の落球で全走者生還。逆転サヨナラ。センターの選手は内野が本職らしい地元の台湾は台湾プロ野球で活躍する出場資格を満たした選手も加わったチーム。日本のライバルの一つと目されていました。一方のフランスはユニバーシアード代表と言えど、フランス代表のトップチームの選手がズラリ。欧州スポーツは日本の大学の体育会のような部活はなく、大学生の肩書を持ってクラブチームでプレーする選手で構成されますからねー。サヨナラ打となったセンターフライを打ったフェリックス・ブラウンはかつてBCリーグの群馬でプレーしていた元マイナーリーガー。フランス代表でも攻守の要となっているショートストップです。で、さらにさらにナイターでもアップセットが続きます。ユニバーシアード野球競技 チェコが4-3で韓国に勝利! 昼間にフランスが台湾にサヨナラ勝ちにしたのに続いての欧州勢のアップセット WBC予選でメキシコに好投したことのあるノバクがまたしても好投したことに尽きるかな pic.twitter.com/6bFxh0v1Fx— 世界の野球 (@sekainoyakyu) 2017年8月20日チェコ代表もフランス同様、チェコ代表トップチームのメンバーが多く名を連ねる構成です。先発したヤン・ノバクはかつてオリオールズの傘下でプレーしていた元マイナーリーガー。昨年の3月に行われたWBC予選大会で、チェコは地元のメキシコ代表に1-2の善戦を見せるのですがその時に好投して大きく貢献したのがこのノバクでした。左腕から最速で92マイルを計測していました。今日も彼の好投がこの勝利に繋がったみたいです。まとめると、フランスやチェコの選手の構成や今日の先発投手の実績をを見れば、起こってみれば起こりえることだったというような気がしてくる感じです。まあ起こってからならどうとでも言えるのですが。台湾に関してはちょくちょく国際大会で定期的にやってしまう、格下に対する「やらかし癖」がまた出てしまったという。。チェコやフランスは代表のトップチームに近い構成で、今日投げたのはいずれもエース級。という状況だったにせよ、台湾や韓国の大学代表に善戦ではなく勝ち切れるようになったのは大きい。「善戦」なら以前からたまにありましたからね。 07/0818 野球プレ五輪 日本 - チェコ https://t.co/1rjQvmotBY @YouTubeさんから 大場がチェコのブドスキーにホームラン打たれて延長までもつれてしまったのはもう10年前の話 サヨナラ打を打った大和はこの年に登録名を変えたばかりだったみたいね— 世界の野球 (@sekainoyakyu) 2017年8月20日上記のプレ五輪ではフランス戦も日本は延長に突入しての辛勝でしたよね。この大場からホームランを打ったブドスキーは今回のユニバーシアードのチェコ代表監督だったりします。フランスもチェコも、この試合はエース級の先発だったので明日以降もこの勢いが持続できるかは正直疑問です。でも、大きな自信になったの間違いないはず。日本との試合も(実現すれば)楽しみですよね。ちなみに、その日本は同様に欧州野球連盟に所属するロシアに19-0とワンサイドゲーム5回コールドの大勝。実はロシアもアンドレイ・ロバノフというツインズの1Aでのプレー歴を持つ投手を先発に充てていたのですが、5失策と守備が崩壊し序盤の大量失点で戦意喪失ってところでしょうか。フランスやチェコよりは格がだいぶ落ちますしね。

オランダ野球レポート(アムステルダム・8月19日)

$
0
0
 イタリアからスイスを経て、ライン川を北上、オランダの首都、アムステルダムにやって来た。 8月半ばは、オランダトップリーグ、フーフトクラッセはシーズンを締めくくるプレーオフに突入している。加盟8チームのうち、レギュラーシーズンの上位4チームが9月半ばの決勝シリーズを戦うのであるが、ある程度資金があり、選手のほとんどとプロ契約を結ぶ上位チームと、メインの仕事の傍らで野球をする下位チームとの差は激しく、今季も、首都アムステルダムをホームとするパイレーツと、最大の都市ロッテルダムに本拠を置くネプチューンズ、ヴァッセン・パイオニアーズ、それにバッセムのHCAWの常連がプレーオフに進出した。 ある意味、フーフトクラッセはここからが「プロ野球」で、週待つ2連戦だったリーグ戦から週3試合を、そのほとんどがプロ契約を結び、その中には、今や世界の強豪となったナショナルチームにも所属する選手たちが「オランダ一」を目指してプレーする。 (郊外のスポーツパーク。パイレーツの球場はここから3キロくらい離れている) アムステルダム近郊にある球場にはこの町を縦横無尽に走っているトラムで向かった。地図検索をした通り市電の終点から閑静な住宅街を通り、運動公園に向かうが、野球場は見当たらない。場内の人に尋ねても、的を得ない返事しか返ってこない。このあたりに、この国における野球の地位を感じるが、そのうち、「パイレーツのスタジアムだろ」と言う人物に出会った。 15分ほど歩き、再び表通りに出て市バスに乗る。2つ先の停留所から少し歩くと、球場はあった。(パイレーツの球場。中央の建物が体育館で左端がスタンドにつながっている)ただし、スタンドはネット裏だけで、そのスタンドは直接体育館につながっているというなかなか世界中で見ることのできないかたち。他競技との混合でクラブを成り立たせている現状がうかがえる。ちなみに、スタンドの上部のクラブハウスとこの体育館はつながっているのだが、この連結部にあるデッキは野球博物館になっていて、各国との交流を示す品々が展示してある。 このメインスタジアムを中心に、3面のフィールドが背中合わせに広がっている。入場無料のスタンドには100人ほどの観衆の姿があった。これでクラブの経営が成り立つのかと思うが、トップクラブでもこういう状態がオランダ野球の実態のようだ。 試合後話を聞いたWBC代表チームのコーチも務めるロブ・コルデマンス(パイレーツ)にこのあたりを尋ねると忌憚のない返事が返ってきた。(今回のWBCでもコーチを務めたコルデマンス) 「うちみたいな(野球の世界では)ビッグクラブでも財政事情は大変さ。うちは選手のほとんどには報酬を支払っているけれども、収入は、球場の飲食、ジュニアのアカデミーからの月謝とあとは国からの補助金、それにスポンサーからだけだよ。スポンサー収入も決して多くはないよ」 昨年始まった各国トップチームが集まるという触れ込みで始まったはずのプロリーグ、ヨーロピアンリーグがいつの間に消滅?してしまったのも、こういう現状を考えるとある意味必然だったのかもしれない。 試合の方だが、序盤からホームチーム、パイレーツが2アウト満塁のチャンスから、かつてはモントリオール・エクスポズのマイナーで6シーズンを送り、474安打を放っているベテラン、ダニー・ロンブリーがタイムリー2ベースを放ち走者を一掃。続く7番ラシッド・ヘラルドが連続ツーベースを放ち、4点を先制した。(ラシッド・ヘラルド)投手陣の層が薄く、先発から中継ぎに交代すると、極端にレベルの落ちるオランダリーグでは、序盤の大量点は半ば試合を決めることになる。そのためか、パイオニアーズは先発のクリス・プファウを続投させたが、3回にも3失点を喫し、ここでKO。案の状、その後のリリーフも調子づいたパイレーツ打線につかまり、6回までに11対0となり試合は決まった。パイオニアーズは次戦の投手温存のため、最後には野手登録のジュコ・ヌイテンが登板する始末。このリーグにはコールド制が採用されているらしく、8回で試合は終わった。  ある意味魅力に欠ける試合であったが、球場に来た100人ほどのファンは試合内容にはお構いなし。選手が懸命にプレーするのを見ながら、クラブハウスでビールをあおっていた。このクラブハウスのメニューはアルコールにしても、フライドポテトなどの軽食についても、市中より安いくらいの価格。この国では野球観戦は勝敗にこだわるよりは、週末のちょっとしたパーティーみたいなものだ。 野球の試合後は、隣のフィールドでソフトボールが始まる。こちらもパイレーツ対パイオニアーズ。クラブハウスはそのまましばらく開店し、ファンはクラブハウスのデッキ越しやフィールドそばの簡易スタンドなど思い思いの場で延長線を楽しんでいた。 

元キューバ代表の伝説的ショートがエルサルバドル代表監督に就任

$
0
0
バルセロナ五輪の金メダリストでキューバ代表の伝説的ショート、ヘルマン・メサが中米競技大会のエルサルバドル代表監督になったらしい守備の映像見たことあるけどレイオルドネスやオジースミスと比較されるレベルにあったのがよく分かる上手さだった pic.twitter.com/JcOCItNKuT— 世界の野球 (@sekainoyakyu) 2017年8月26日元キューバ代表の伝説的ショート、ヘルマン・メサが今年12月にニカラグアで開催される中米競技大会のエルサルバドル代表監督になったようです。エルサルバドルやコスタリカ、グアテマラ、ホンジュラスといた国々はサッカーが国技で野球はプロリーグがない一方で、マイナーリーグでプレーする選手をコンスタントに輩出したりなど、現地の報道を見てても野球の後進国の中では結構野球の土壌が耕されている地域だったりします。ニカラグアやパナマのような野球の盛んな地域からの移民も多いんでしょうね。 WBCの予選に出場している欧州やアジアのチームよりレベルも野球の地位も高い印象です。中米競技大会というのは中米におけるオリンピックのような総合競技大会です。オリンピックが盛り上がる日本的にはピンときませんが、日本のようにオリンピックのような世界大会でメダルがたくさん取れるわけでは地域の国は、むしろこういう近隣国で行われる競技大会の方がライバル関係などもあって盛り上がってるような印象があります。東南アジア競技大会とかもそうですよね。中米マイナー国を語ろう | 世界の野球 | スポーツナビ+ http://t.co/MN3qlxLc53— 世界の野球 (@sekainoyakyu) 2014年8月31日こういった指導者を招へいできるのも、ある程度政府から予算が降りてるものだと思われます。ヘルマン・メサはバルセロナ五輪で金メダルを獲得したときのショートストップです。その華麗でアクロバティックな守備はあのレイ・オルドネスやオジースミスと比較されていたらしい。僕もyoutubeで見たことあるのですが、確かにすごい動きをしている。国内リーグでも名門のインダストリアレスで監督をしていたようで、指導者としての実績もあります。 Jugadas de German Mesa. Beisbol, Cuba https://t.co/UKDHs2lN3n— 世界の野球 (@sekainoyakyu) 2017年8月26日キューバ政府側も選手に限らず、指導者の輸出も収入源にしたいでしょうし。中米競技大会の野球競技は、パナマ、ニカラグアの野球を国技とする二強にエルサルバドル、コスタリカ、ホンジュラス、グアテマラがどこまで迫れるかが一つの見どころです。エルサルバドルは前回大会は二強に続く銅メダルを獲得しています。ピッチャーはマイナーでやってたような選手も何人か入ると思うので、メサにはしっかりと守備を構築してもらってあわよくば二強食いにも期待したいですね。

メキシカンリーグの打高を考察してみよう

$
0
0
「メキシカンリーグ」という単語を試しにtwiterの検索にかけてみると、想像通りあんまりポジティブな内容のものはひっかからない。ただ、一つ気になることがある。当たり前と言えば当たり前だが、私たちがぼんやりと持っている「メキシカンリーグ」のイメージとは、直接メキシカンリーグを見た印象ではなく、日本にやってきたメキシカンリーグ出身の助っ人を通じて作られているイメージでしかない。そもそもメキシカンリーグってどこで中継が見られるかすらよく分からない。例えば韓国や台湾の野球だったら日本に来る助っ人を通してというだけではなく、国際大会で対峙することによって知る機会もあるし、ネットで中継を見ることも出来る。今回はそんなメキシカンリーグついて最初に連想する打高というキーワードを中心に、出来る範囲でこのリーグを掘り下げてみようと思う。メキシカンリーグについての理解を深める機会にしていただけたら幸いだ。○そもそもどれくらい打高投低なのかとりあえず今年のメキシカンリーグの打撃ランキングを見てみよう。見ての通り一つの画面で3割打者が収まりきらない。今にシーズン、規定打席到達者で3割を超えているのは56人。16球団ということを差し引いてもあまりにも多い(1球団に3.5人いる計算になる)。ちなみに、首位打者を獲得したのは、日本ハムに移籍したヤディアー・ドレイクの.385であり、首位打者が4割を超えるシーズンすら存在する。チーム防御率は一番高いチームだと6点台に到達しており、大半のチームが5点台から4点台半ば。日本のプロ野球に慣れた感覚で見るとかなりアンバランスな上に、やはりこのリーグで残してきた成績がなかなか日本にやってきてから残す数字との相関度が低い。前述のドレイクもあれだけの数字を残しながら、あまり期待は持てないという声が多数派だった印象だ。一応、日ハムにはミチェル・アブレイユという成功例もいるのだが.390を残して来日したルイス・テレーロ(元楽天)や同様に.380の高打率を引っ提げて来日したディオニス・セサル(元中日)のイメージからすればそうなってしまうのも妥当である。見るからに打者有利なうえに、助っ人がそこから日本にやってきたらその打棒がさっぱり。メキシカンリーグのイメージとして打高が先行するのは当然と言えば当然である。これを読んでいる人もこのくらいのことはきっと知っているはずだ。ここから先はなぜこのようなことになっているのかを考察していきたい。○標高の高さ MLBコロラド・ロッキーズの本拠地クアーズ・フィールドが約1マイル(1600メートル)の高さにあり、MLB屈指の打者天国として知られている。標高が高い球場は空気抵抗が低く、打球が飛びやすいのは周知の話だろう。メキシコも標高が高いと言われている。ちなみに筆者がメキシコの野球の標高の高さの影響を悟ったのは2009年のWBCである。メキシコの都市でも最も標高が高いと言われるメキシコシティ。そのメキシコシティにあるフォロ・ソルという球場で1次ラウンドが開催されたのだが、やはり乱打戦が多発した。地元のメキシコは格下のオーストラリアに17-7の8回コールドで敗れてしまった後、ダブルエリミネーションによる再戦では16-1でコールド返しのリベンジを果たすも、キューバに16-4で再び大敗している。得点の出入りが異様に激しく、ある程度角度のついたような打球はほぼ長打になっていた記憶しかない。 2017年のWBCは09年大会以来8年ぶりにメキシコでも開催された。今回はメキシコシティではなかったものの、開催地ハリスコも標高が高いことで知られる。(今回使われた球場はLMP=ウインターリーグの方で使われている球場)やはりここで開催されたプールDも野球のスコアとは思えない乱打戦が頻発した。11-9、11-10、10-9といったスコアが記録されている。まあ、メキシカンリーグが標高が高いということをぼんやりと知っている人も結構多いはず。問題は、具体的にどれくらいの球場においてどのくらい標高が高いのか、ということである。というわけでさっそく調べてみた。厳密にいえば、球場そのものの標高ではなくその球場がある都市の標高なので多少の差異はあるのかもしれないが、概ねこの通りだと思われる。見ての通り、リーグの約半数くらいはクアーズフィールド級の標高にあるということになる。特に北地区はまさしく魔境だ。この特殊な環境こそが、メキシカンリーグの最大の特徴と言っていい。ちなみに、メキシカンリーグ最終年でOPS1.177という成績を残したジャフェット・アマダー(楽天)は標高2000メートルを超えるメキシコシティ、前述した今年のメキシカンリーグ首位打者であるヤディアー・ドレイクは1880メートルのデュランゴを本拠にして残した成績である。○ピッチャーのレベル、球速メキシカンリーグは比較的ベテランが多いということ、そしてここまで書いてきたように打高投低なリーグという特徴もあってピッチャーの球速が落ちるリーグなのでは?という印象が生まれやすい。そして最近その印象に拍車をかけたのが楽天で活躍するジャフェット・アマダーの存在である。アマダーは楽天の中軸の一人としてそれなりの貢献を見せているが、特にシーズン序盤はなかなか状態が上がってこなかった。そんなアマダーの球速別の成績によると、一定の球速以上の速球はほとんど打てないというデータがあるようで、彼は技巧派や軟投派投手の速球や変化球を拾って稼いでいくブレーキングボールヒッターということがやり玉にあがっていたようだ。彼が楽天以前に所属していたメキシカンリーグでは前述したようにOPSが1を超える活躍を見せていることを考えると、そういう風に見られてもおかしくない。個人的な見解を言うなら「『メキシカンリーグはピッチャーが遅い』という印象は間違ってはいないものの、そんなに極端なものでもない」になる。私も80マイル台半ばくらいの投手がボールを動かしながらのらりくらり抑えているような投手がたくさんいるイメージだった。90マイルを超えるようなボールを投げる人はなかなかいないのだろうと。次の表は昨年11月に行われた日本との強化試合で来日したメキシコ代表の投手&同時期にメキシコで開催されていたU23メキシコ代表の投手一覧と、球速帯を中心にだいたいどのようなボールを投げていたか、今季どのような成績を残していたかをまとめたものである。 U23メキシコ代表と侍ジャパンと試合をしたメキシコ代表のメキシカンリーグのピッチャーの特徴と成績を併記してみて思った結論は、あの打高が生まれるのはピッチャーの質の問題じゃなくやっぱり高地で打球が飛ぶのでは?という結論だった pic.twitter.com/3TDlMJCEu3— 世界の野球 (@sekainoyakyu) 2016年11月14日来日した方のメンバーはメキシカンリーグでも安定した成績を残している選手が中心である一方、若手が中心のU23代表の方は凡庸な成績を残している投手、リリース待ったなしの投手、リリースされてしまっている投手らも交じっている。メキシカンリーグは中継自体は見ることが出来ても、球速表示がないことがほとんどなのでこのようにまとめてチェックできたのは貴重である。親善試合の方は日本で中継があったし、U23の方はWBSCのyoutubeのチャンネルに全試合まるまる動画が残っている。特に来日組を見て思った印象はやはりボールを動かす技巧派タイプが多いことだった。 140キロ後半のフォーシームを主体とするような本格派はいないに等しい。日本とメキシコの両リーグの経験のある助っ人の中には、メキシコの日本のピッチャーは良く似ていると言っている人も多い。変化球が多い配球を指してのことだと思われる。メキシコはゾーンの中で勝負して打ち取っていくのに対して、日本の投手はベースの幅を使って打者のバットが届かないところに投げきっていくスタイルだったりなど、細かく見れば結構違いも多いのだが、まっすぐの割合が少ない点に関しては似ていると言える。 U23組は割と荒削りな投手も多かったように思う。技巧派が多い一方で、U23組の実績の少ない投手を含めても球速がアマチュアレベルのような投手もほとんどいない。右投手ならコンスタントに140キロを超えるような投手しかいないと言っていいのではないだろうか。実は今年に入ってからメキシカンリーグの強豪であるティフアナのページにあるFacebookライブなどで中継を見ることも出来たのだが、一時期スピード表示も中継画面には出ていた。何故かある時期から出なくなってしまったが。。見ていると、リリーフ投手には結構スピードのある投手もいる。90マイル以上をコンスタントに計測している投手も思いのほか多かった印象だ。メキシカンリーグは6人の外国人枠があって、リリーフ投手として在籍している外国人投手はだいたいが90マイル級だったように思える。今年メキシコでプレーしている元日本の助っ人で例示しても、元広島のデュアンテ・ヒースは92マイルをメキシカンリーグのオールスターで計測していたし、ウィル・レデスマ(元ロッテ)はシーズン途中からメキシコでプレーしているが春のWBCでは95マイルを出していた。日本時代から球速だけはトップクラスだったウィルフィン・オビスポもモンテレイのクローザーに君臨している。メキシカンリーグのプレーオフで試合を締める元巨人・日ハムのオビスポ(モンテレイ) pic.twitter.com/G3zfPy5532— 世界の野球 (@sekainoyakyu) 2017年8月17日メキシカンリーグのプレーオフでセーブをあげる元広島のヒース pic.twitter.com/dt0ddV4iRz— 世界の野球 (@sekainoyakyu) 2017年8月15日当時よりはスピードが衰えていると思われるとはいえ、ホセ・バルベルデ(元タイガース)のように何年か前までMLBのセットアッパーやクローザーとして活躍していた選手も多い。メキシカンリーグでまだ頑張っているホセ・バルベルデ(39)がチームのポストシーズン進出を決めた投球 pic.twitter.com/k5bDqjXwdj— 世界の野球 (@sekainoyakyu) 2017年8月10日一方で、やはり先発投手で球速の出るタイプはほとんどいない。目を見張るスピードを出す選手もいなくはなかったが、スピード表示が出るだけという投球内容で、メキシコでもろくな数字を残せていなかった。マイナーの下位級とかによくいそうなタイプである。たまに本格派で成績も伴っている先発投手も台頭することがあるが、そういった投手はあっという間に隣国のMLBに引き抜かれる。今年レッドソックスで27歳にしてメジャー初登板を飾ったヘクター・ベラスケスも昨年までずっとメキシコでプレーしていたが、2016年シーズンに一気に成績が良化した途端にレッドソックスが獲得している。 16-17シーズンのメキシコWLで先発に転向し、ベラスケスと共にWLを代表する右腕として活躍していたティフアナのマニー・バレダは今季もメキシコで引き続きプレーしていたが、7月にはノーヒットノーランを達成。その試合の映像を見ることが出来たが、最終回にも92マイルを計測しており、NPBの球団が獲得したら面白いよなー、と思ってた矢先にアトランタ・ブレーブスが引き抜いている。メキシカンリーグは選手の移籍金も重要な収入源らしく、ティフアナのようなお金のあるチームでも即譲渡してしまうようだ。バレダは今月からブレーブスのAAAで投げている。 14勝1敗、と今年のメキシカンリーグで最も好成績を残した先発投手と言えるオクタビオ・アコスタ(メキシコシティ)をオールスターで見ることがあったが、80マイル後半からたまに90マイル台に引っかかるボールを動かしながら低めに集めていく投球スタイル。 2000メートルを超える高地をホームにしながらの防御率2点台は素晴らしい数字なのだが、標高の高い特殊なこのリーグで結果を残しているのは、その特殊さに最適化したようなスタイルにならないと難しいのだなー、と投球を見ながら実感した記憶がある。標高が違うとボールの変化の仕方も違うようだし、特殊な環境に「最適化」してしまっているのもあるのか、このリーグで活躍している投手は打者以上にアジアからの需要が少ない。需要があっても成績を残せないケースも多い。色々話があちこちに飛んでしまったが、要するに・確かにパワー投手は少ないが、遅い投手ばかりというわけではなくリリーフは結構速いのも多い。・メキシカンリーグの投手構成の大半を占めるメキシコ人投手は本格派タイプは少ないものの、16チームに分散されててもプロらしいある程度の球威(右投手なら140キロ以上)を平均的に持っている。・先発投手はほとんどが技巧派。たまに本格派が台頭してもすぐ引き抜かれる。・NPBやAAAと比べれば球速の面でも劣るが、遅い投手ばかりというわけではない。感覚的な考察となるが、平均球速で言うならNPB(約143キロ)から3キロマイナスくらいに思える。○結論色々長々と書いてしまったが、結局メキシカンリーグが打高なのはかなりシンプルな理由であって、標高が高いからである。打者と投手の実力に格差があるわけではなく、リーグの本拠地の約半分がクアーズ級の打者天国な環境にあるからということに尽きる。メキシコで高い数字を残してきた野手の助っ人が日本でパっとしないことが多い理由は・AAAで数字を残している助っ人ですら活躍の保障がないなかで、メキシカンリーグはAAレベルかAAとAAAの中間くらいのレベルにあるとされていること・そういったレベルの中で「高地」という下駄をはいて野手の多くはプレーしているってところになる。なんともこのリーグからやってくる助っ人は計算が立ちにくい。一方で、コストがメジャー経験のあるような助っ人と比べると格段に安く「当たれば儲けもの」というスタンスで獲得できるのがこのリーグ出身の助っ人を摂るメリットであると言える。今季のパリーグの首位争いを演じてきた楽天のアマダーも年俸は推定3000万とコストパフォーマンスを考えれば十分な活躍をしている。保険として外国人を多く抱えるのがNPBのスタンダードとなってきているだけに、このリーグのタレントを見極める力は今後さらに重要度を増してくるかもしれない。我々ファンの目線から見ても、MLBやNPBに在籍していた選手が多く、懐かしい名前を見つけるだけでも結構楽しめるリーグだったりする。リーグや球団のSNSをチェックすれば動画やライブ中継も発見できるし、楽しめるだけの情報量は得られる。侍ジャパンの強化試合で対戦することは今後もあるだろうし、次回のプレミア12のメキシコ代表もメキシカンリーグの選手が主体となりそうである。よりメキシカンリーグの野球を理解し、情報を楽しもうとする人が今後も増えていってくれれば、私としても嬉しい限りである。○おまけ元巨人のフアン・フランシスコ(ユカタン)、メキシカンリーグのプレーオフでサヨナラホームラン打ってる pic.twitter.com/ADANkjiway— 世界の野球 (@sekainoyakyu) 2017年8月15日メキシカンリーグのプレーオフでタイムリーを打つ元横浜のダンジョンソン pic.twitter.com/02eQM6HmiD— 世界の野球 (@sekainoyakyu) 2017年8月15日元ホワイトソックスのカルロス・クエンティンがメキシカンリーグのプレーオフでグランドスラム打ってる pic.twitter.com/Lgkj4mqB8a— 世界の野球 (@sekainoyakyu) 2017年8月17日メキシカンリーグのプレーオフでタイムリーを打つ元楽天のムリーロ(モンテレイ) pic.twitter.com/VvlfiUuYez— 世界の野球 (@sekainoyakyu) 2017年8月18日メキシカンリーグのプレーオフで犠牲フライを打つユカタンのユニエスキー・ベタンコート(元オリックス、マリナーズなど) pic.twitter.com/mNlT9LIp0E— 世界の野球 (@sekainoyakyu) 2017年8月18日

オランダ野球レポート2 ロッテルダム 8月20日

$
0
0
アムステルダムから80キロ。ロッテルダムまえは直通の新線を走る特急で40分とのことだが残念ながらこの国の鉄道は毎日のように遅れる。それどころか列車のキャンセルなども平気でする。ともかくもロッテルダム到着。この町のスタジアムは駅からさほど離れてはいない。歩いてもいけないことはない。市電に乗って10分ほど、中央駅の西にあるムスリム地区の北にある公園の向こうにそれはある。市電から連絡するというバスがあるというので、これに乗ると、すぐに教会を改造したモスクの横を通り、その後、トルコ様式の立派なモスクを通ると、球場の入り口に着いた。ここを本拠とするネプチューンズは1943年の創立以来、リーグ優勝17回、クラブ欧州一を決めるヨーロピアンカップ優勝8回を誇る欧州屈指の名門球団だ。とくに2000年代に入ってからは優勝10回とまさに黄金時代を現出している。その秘密は、この国の野球どころ、カリブ海の海外領土とのパイプの強化にあると言える。当地の基金をスポンサーに迎えたチームは、チーム名も、キュラソー・ネプチューンズに改め、カリブ海からの選手を積極的に獲得するようになった。この基金は、何の基金かと球団のカメラマンに尋ねたが、彼の返事は要領を得なかった。「向こうの政府系かなんかじゃないか?ほら、観光客に来て欲しいからな。俺も行ったことあるけど、いいところだぞ。だからほら、チームにも、色の黒いやつが多いだろ」(ネプチューンズ・ファミリースタディオン)そういうことも反映してか、この球場もヨーロッパ最大級だ。アメリカならダブルA級に匹敵するだろう。スタンド下中央には、やはりバーがある。ヨーロッパの野球では、入場料をとらないことが多いので、飲食の収入には力を入れているようだ。ちなみにネプチューンズは6ユーロなりの木戸銭をとっているが、これは球場の使用料で消えてしまうそうだ。 この日のネプチューンズの試合相手は、HCAW(ホレンバル(=野球)クラブ・アレン・ウィールバール)。フーフトクラッセは前週から上位4強によるプレーオフに入っており、例年通り、プロ球団と言っていい、ネプチューンズ、パイレーツ、パイオニアーズ、HCAWの常連がこれに駒を進めている。ここまで来ると集客も見込めるのか、週末2試合のレギュラーシーズンから、平日、木曜のナイターを含めた週3試合制になり、これが9月半ばの決勝シリーズまで続く。(ネプチューンズ先発のケリー) 試合の方は、この日も一方的な展開となった。 先制したのはHCAWで、3回にコスターの犠牲フライで1点を入れた。しかし、ネプチューンズもその裏にさっそく1点を返し同点に追いつく。その後、5回裏2アウトからネプチューンがタイムリーで1点のリードをもぎ取ったが、ここまでは両軍の先発投手がナイスピッチングで締まった試合が展開された。(今回のU18ワールドカップ代表にも選ばれた若き捕手コスター)(WBC代表のケンプ) しかし、6回裏、WBC代表、ケンプの放ったゴロを、9月にカナダで行われるU18ワールドカップ代表にも選ばれた若干17歳のHCAWのショート、テラサが大きく弾き、2塁まで与えてしまってから試合が崩れた。(U18代表のテラサ) HCAWの先発デレマーレは、このあとフェルナンデスにタイムリーを浴び、2点を追加されたところで交代、しかし、やはりリリーフ陣がいただけない。2番手投手ニエケルクはワイルドピッチにタイムリーを浴び、さらに2点を追加され、1アウトも取ることなくマウンドを降りた。そして3番手もいきなりタイムリーを浴び、さらにはゲッツーと思われた打球をセカンドがエラー、その後ランナーをためて押し出しと、このピッチャーもまた2失点を喫し、計6点。これで試合が決まってしまった。(デレマーレ) HCAWは8回に1点を入れたが焼け石に水。この試合展開に、一旦はブルペンに向かった元楽天のルーク・ファンミルもマウンドに登ることなく、ネプチューンズが快勝した。

第二回プレミア12、1次ラウンドはメキシコでも開催&大会方式も変更へ

$
0
0
「プレミア12」 第2回は19年11月に開催 http://www.sponichi.co.jp/baseball/news/2017/09/04/kiji/20170904s00001000231000c.html >参加するのは12チーム。大会はまず、韓国、台湾、メキシコで各4チームによる予選ラウンドを実施する。日本がどのラウンドに組み込まれるかは現時点では未定。11月12〜16日に東京ドーム、ZOZOマリンで上位2チーム(計6チーム)による総当たりの決勝ラウンド、同17日に東京ドームで上位2チームによる決勝、3位決定戦を行う。 U18ワールドカップもあり、プレミア12のニュースも「日本開催」という見出しを見ただけでそんなに気にしてなかったのですが、あとあと情報をチェックしてみると結構もっと重大な変更点があったことに気付きました。まずは大会方式の変更。前回大会は6チーム×2グループで1次ラウンドを戦い、上位8チームが決勝トーナメント戦う方式だったのですが、今回は4チーム×3グループで1次ラウンドを戦い、上位6チームで2次ラウンド総当たり、その上位2チームが決勝に進むという方式です。 WBCと同様に、定着するまでは大会方式のより良い形を探っていくのはいいことだと思います。最大の特色は、3つのグループで分かれている1次ラウンドのうち、二つはアジア開催ですが、残りの一つはメキシコになっているところでしょうか。前回大会のメキシコは、連盟とプロリーグの調和が取れておらず、辞退騒動まで起こる顛末だったのですが、昨年はU23ワールドカップ、今年に続いて来年もカリビアンシリーズの主催国になるなど国際大会の開催には積極的です。昨年秋に来日して日本と戦ったメキシコ代表もそうでしたが、辞退騒動以降はプロが主導権を握っているらしく、国際大会にプロ選手の派遣も協力的です。ウインターリーグにバリバリ出ている選手も来日していましたから。メキシコはLMB(夏季リーグ、いわゆるメキシカンリーグ)、LMP(ウインターリーグ)という二つの大きなプロリーグがあるのですが、この2リーグが協力的ならメキシコはプレミア12でも結構強いんじゃないかと思われる。アジア以外、特にカリブ圏のチームが良いベンバーを揃えられることはメジャーリーガーが出る見込みがない現状、プレミア12が発展していく上で重要なことです。第一回大会は、やはり関心はアジアでしか集められませんでしたから。前回のキューバを除くカリブ勢はウインターリーグと被っていることもあり「メジャーリーガーが出られないという制限の中でのベストメンバー」からもかなり程遠く、それでいながら日本とも好勝負を演じました。将来有望なプロスペクトや実績のあるベテラン選手を揃えられれば、これらのチームはWBCにも繋がるような結構魅力的なチームになるように思います。決してバリバリのメジャーリーガーを揃えているわけではないカリビアンシリーズの盛り上がりを見てても、そして前回のアジア圏でのプレミアの盛り上がりを見ても、メジャーリーガーが出ないなりに発展させていく道はあるように思うんですよね。 WBCがそうであるように、野球のプロ選手が参加する国際大会は「完成品」として最初からスタートするのは不可能だと思います。色々「粗さ」がありながらも、大会を続けていけば野球界にとってなくてはならないものとなる。プレミア12にもそのようなポテンシャルと意義を感じます。ファンの心理として、「完成品」ではない大会に日本がフルメンバーを揃えて参戦することに疑問を呈する人がいることも一方で良く分かります。ただ、そこに流されずに世界二位のプロリーグを持つ日本側から巻き込んで盛り上げて続けていくことが結局は「完成品」を生み出す唯一無二の道なんじゃないかと。今回はオリンピック予選という権威も借りて行われる大会になりますが、プレミア12と言う大会が今後も発展していくために重要な第二回大会になるのではないでしょうか。※以前私が書いたプレミア12の意義について語ったもの↓プレミア12の組み合わせからざっくりとした概要・展望を語ってみる | 世界の野球 | スポーツナビ+ http://t.co/ctAfdiMYeB— 世界の野球 (@sekainoyakyu) 2015年5月20日

自分にとって、あなたは「同郷のヒーロー」だった。 【福島#1 岩村明憲】

$
0
0
BC福島・岩村兼任監督 有終2安打「最後まで体で示せた」岩村明憲が引退、来季は監督専任で第2の岩村育てる今季限りで現役引退を発表していた、プロ野球独立リーグ・ルートインBCリーグ福島ホープスの岩村明憲選手兼任監督の引退試合が、きのう行われました。ニュース記事を見ていて意外に思ったのが、独立リーグに在籍する3年間で先発出場は初めてだったと言うこと。確かに岩村は福島ホープス創立と同時に選手兼任監督として入団し、2015年は10試合18打数、2016年はわずか3試合4打席。特に2015年は18打数ながら打率.556、1本塁打7打点と「格の違い」を見せていただけに、パッと見ると不審に思うかも知れません。それでも監督として、創立1年目の2015年は後期に優勝を果たし地区チャンピオンシップに進出。2016年は前後期ともに2位につけこの年も地区チャンピオンシップに進出し、今季も通期勝率2位をマークして3年連続で地区チャンピオンシップに進出。監督として、若い選手の育成に励みながら着実に結果を残してきました。そんな、岩村明憲という選手。小学生時代の筆者にとっては、同じ愛媛県出身として「大スター」と言っていい存在でしたし、筆者がスワローズファンになった直接のきっかけの選手の一人でした。 2000年にサードのレギュラーに定着し、2001年からは「ミスタースワローズ」の象徴である「背番号1」を継承。2004年には打率3割40本をマークするなどヤクルトの主力打者として大活躍し、2007年に渡米後も活躍。2007~2009年に在籍したタンパベイ・デビルレイズ(現レイズ)では若いチームの中心核として、2008年のワールドシリーズ進出の原動力にもなりました。 2006年と2009年にはWBC日本代表に選出され、特に2009年は決勝でイチローの決勝打に繋がるヒットを放ち最後のホームを踏むなどこちらでも活躍を見せています。しかし2009年にゲッツー崩しによる負傷を受けてからは成績が低迷。2011年に鳴り物入りで東北楽天ゴールデンイーグルスに入団し日本復帰を果たしますが、2011年は77試合で打率.183、2012年は26試合で打率.209と期待を大きく裏切る成績に終始し2年で戦力外通告。2013年には古巣東京ヤクルトに復帰しますが、こちらもわずか2年で戦力外通告を受けてしまいます。そんな岩村が最後に流れ着いたのが、独立リーグの福島ホープス。福島では前述の通り、創立から選手兼任監督としてチームを毎年上位に導く実績を残していました。岩村に関してちょろっとネットで聞いたのは、2014年に東京ヤクルトから戦力外通告を受けた時に「素行不良」を噂されていたこと。今思い返せば、それらはソースのない話が多かったと思います。それでもきっとそれが噂だろうと思うのは、渡米前の2006年以前のスワローズ時代に「背番号1」を受け継いだ池山隆寛から薫陶を受けたこと。元西鉄ライオンズ・中西太を師匠と仰ぎ、中西の座右の銘でもある「何苦楚」を自分の中にも取り込んでいたこと。そしてなによりレイズ時代、「彼の存在、プレー、人間性、そのすべてが、ある意味、レイズの『心臓』となっている」と評され、彼のソフトモヒカンがチーム内で流行していたこと。福島時代のこれまでの3年間を合わせて考えてみても、岩村は恐らく、「カリスマ」性のある人物だったのではないか。もし岩村が、ネットで噂されていたような素行不良があったのだとしたら、理由は考えられなくもないとは個人的に思います。それは、スワローズ関連の書籍を多数執筆されている長谷川晶一さんの著書のひとつ、「いつも、気づけば神宮に」の中にも記述があります。 2013年のスワローズ復帰時、岩村は「厳しいと思いながらも『1』をまたつけられるのではないか」と思ったものの、球団幹部からは「初心に戻って『48』で頑張ってくれ」と言われたとのこと。この時、岩村は「48」を渡されたことを「高校を卒業してプロ入りしたときの自分と、いろいろ経験して紆余曲折があった自分と、わけが違う」、「気持ちとしては、『この席空いてるから、ここに座れよ』って言われたような気がして、腹が立っていました」と振り返っています。その話があったなら、復帰後の在籍2年間で主に代打としてまずまずの成績を残しながら、出場機会には恵まれなかったという点も併せて考えれば「腐ってしまう」のも分からなくはない。結果として復帰したスワローズも2年で退団したのは上記の通り。それでも、その後は福島で立ち直った。その時点で、かつて影を潜めていたかも知れなかったけども、かつてレイズをワールドシリーズに導いた「カリスマ」が戻ってきたのではないか、と個人的には思うのです。岩村は来年以降も、専任監督として福島ホープスに残留し指揮を執ります。ちなみに福島は、2015年6月に入団し9月に巨人へ育成選手として移籍したカルロス・ペレス(現信濃グランセローズ)以外で、福島からNPBドラフト指名を受けた選手はいません。岩村に一ファンとして期待したいのは、まずは福島からNPBドラフト指名を受ける選手を育て上げること。そして出来れば、岩村の地元である同じ独立リーグの愛媛マンダリンパイレーツか。かつて「ミスタースワローズ」と呼ばれた古巣東京ヤクルトに指導者として戻ってきてくれたら、とは思います。そして、一ファンとしてもうひとつ。「今までお疲れ様でした。指導者としても『一流』になって、いつまでも『同郷のヒーロー』として誇りであり続けてください!」

岩村明憲を追いかけて

$
0
0
 僕はヤクルトファンでもなければ岩村明憲さんのファンでもありませんでしたが、岩村明憲さんを一人の野球人として、心底尊敬したいと思います。 日米のトップリーグや侍ジャパンにおける華々しいキャリアがありながら、あえて給料が安くて環境の劣る独立リーグに身を置き、さらに監督や球団代表までおやりになるというのは並大抵の事ではありません。 きっと、もっと環境が整った、高い給料を貰える仕事のオファーも少なからずあったと思いますが、あえて茨の道を進む決断は、なかなか出来るものではありません。 ですから僕は、岩村明憲さんが今季限りで現役を退かれると発表されてから、福島ホープスの試合を3試合見に行きましたし、岩村明憲さんの出身地である宇和島にも足を運んできました。 たった1年、それも本当にごく僅かな範囲でしか足跡を辿れていませんが、こうしていろいろなものを見ながら、世間は、そしてプロ野球界は、岩村明憲さんのような人をもっと評価するべきではないかと、改めて感じ入りました。                ■ 引退試合となった9月10日の武蔵ヒートベアーズ戦は、3600人以上の観客が集まりました。 普段の独立リーグの試合にどれくらいのお客さんが集まるのか想像しにくいと思いますが、僕がこれまで見てきた合計9試合は300~1800人という範囲で、開幕戦やシーズン最終戦のような特別試合でなければ週末でも500人入るかどうかというのが相場です。 それがこの日に限っては3600人も集まったのですから、やはり注目されたという事です。 ** 20170910 福島ホープス 岩村明憲選手兼監督 現役最終打席** https://youtu.be/4MjGD5c1h74  岩村さんは引退試合で1番DHとして出場して4打席立ち、2安打をマークしました。始めの2打席はタイミングが全く合わずに苦労している様子が見て取れましたが、感覚を取り戻した3打席目と4打席目は、さすが独立リーグでは格の違いを見せつけました。 特に最終打席で相対したピッチャーは今秋のNPBドラフトで指名される可能性があると噂される村田陽春選手でしたから、より価値の高いヒットであったと付け加えなければなりません。              ■ 四国アイランドリーグやBCリーグ、それに関西独立リーグと3つの団体が産声を上げたそもそもの理由は、社会人野球のチームに廃部が相次ぎ、野球文化の担い手が先細ってきた事に端を発しています。 普段NPBばかり見ている我々ですけれども、そのNPBに有力選手を送り込んでくれていた社会人野球が先細ってしまえば、困るのはNPBであり、そしてファンである我々でもあります。 産まれたての雛のようにただ口を開けて、有力選手が供給されるのを黙って待っているようではならないのです。 ですから、先細りをなんとか食い止めようと、あえて苦しい道を歩んでいる独立リーグの人々に、我々はもっと敬意を払わなければなりませんし、そういった現状を憂いて、身体一つで飛び込んできた岩村明憲さんのような人間を高く評価するべきだと、僕は考えたわけです。 この先岩村明憲さんのようなファイターが現れるかどうかわかりませんが、是非とも現れて欲しいですし、そうなるためには、こういった形で野球界に貢献した人物を正当に評価するようでなければならない筈です。               ■ 岩村さんは高卒でNPBのヤクルトに入って、そこからMLBでもプレーされて、日本に戻ってきてからは本来の能力を発揮できたとは言い難かったですけれども、それでも独立リーグに入って、それこそてっぺんから下の方まで、全て自分の体で思い知ってこられました。 これにて現役を退かれるわけではありますが、この貴重な経験と能力を、今後も野球界の発展に役立てて下さいますことを、お願いしたいと思います。 およそ20年の現役生活、お疲れ様でした。以上

メキシコ、イタリアのチャンピオン決定

$
0
0
他の国に先駆けてメキシコ、イタリアのプロ野球シーズンが終わった。まずはイタリア。リミニとサンマリノという隣町同士の「ダービー・シリーズ」となった5戦3勝制となったイタリアンシリーズは、シーズン4位ながら1位のボローニャをプレーオフで3勝2敗で破ったリミニが、シーズン3位の名門ネットゥーノを順当に破ったサンマリノを3連勝を破り、イタリアンベースボールリーグ最後のシーズンを「下剋上」で優勝を飾った。一方のメキシカンリーグは、プエブラとティファナという昨シーズンと同じ対戦。ティファナは.691という驚異的な勝率でレギュラーシーズンを1位通過、プレーオフも順当に勝ち進んだ。一方のプエプラはレギュラーシーズンは南地区2位に終わったものの、プレーオフ決勝で1位のユカタンを破り地区優勝をもぎ取った。ティファナで始まったシリーズは、地元で連勝したティファナがその勢いをそのまま敵地へ持ち込み、プエプラでの初戦を取り、第4戦は落としたものの、10日の第5戦を15対3で大勝、昨年の雪辱を晴らした。元メジャーリーガーのホルヘ・カントゥ、オスカル・ロブレス、アレックス・リディを打線に並べたティファナは、昨年の侍ジャパン強化試合でも来日したイスマエル・サラス、セサル・タピアを擁するプエブラ打線を圧倒、初の栄冠に輝いた。

BCリーグの地区チャンピオンシップ 群馬ダイヤモンドペガサス対福島ホープス(前橋市民)を見てきました

$
0
0
 このところBCリーグの試合を立て続けに2試合見ておりますが、昨日もまた群馬県前橋市までBCリーグの地区チャンピオンシップ(クライマックスシリーズ的なもの)を見に行ってきました。 たまたま仕事で前橋界隈の会社と関与する機会がありましたので、趣味と実益を兼ねて、という事になったわけです。 で、前橋と言えば上毛新聞敷島球場という先入観を持った僕は何の疑問も持たずに、夕方5時半頃に敷島球場に到着したものの、なぜか真っ暗でほとんど人気も無い球場を前に茫然自失となり、とりあえず無い頭を振り絞って群馬ダイヤモンドペガサスのホームページを確認して見たところ、なんと前橋にはここから車で30分ほどの場所にもう一つ別の球場があり、この日の試合はそこで行われると、ようやく気付くことが出来ました。 それでまた、焦って事故など起こさぬように平静を保って、なんとか試合開始数分後くらいの前橋市民球場にたどり着くことが出来ました。 大変のどかな田園地帯にある球場、らしいです。日没後とあってとにかく暗いので周辺に何があるのかよくわかりませんでしたが、観客席に座っているとほんのり酪農関係の香りがしましたので、たぶんそういう環境の中にある球場なのだろうと理解しました。 試合は地元の群馬ダイヤモンドペガサスと、先日引退試合を行ったばかりの岩村明憲監督率いる福島ホープスの対戦です。 先発ピッチャーは群馬が元ベイスターズの伊藤拓郎選手で、福島は先の岩村明憲引退試合で先発を務めた間曽選手です。間曽選手は横浜市出身だそうで、ベイスターズ出身の伊藤拓郎選手とともに我々とご縁のある、親近感を覚える両先発ピッチャーであります。 さて、いきなり試合の結果に触れますが、7-1で福島ホープスの大勝となりました。 群馬の伊藤選手は7回まで投げて3失点と試合を作りましたが、味方打線がカラバイヨ選手のソロホームランによる1得点に留まり、後続のリリーフピッチャーも制球難で失点を重ねて大敗を喫してしまいました。 福島の間曽選手は丁寧にコースを突くピッチングで連打を許さず、8回1失点で勝ち投手になりました。後を受けたモーラ選手がフォアボールを連発して満塁のピンチを招くも、辛くも後続の打者を抑えて試合を締めくくりました。 群馬の伊藤選手と福島のボウカー選手の対戦を2つ動画で撮ってきましたので載せておきます。 20170916 BCリーグ、群馬ダイヤモンドペガサスの伊藤拓郎選手と福島ホープスのジョン・ボウカー選手の対戦 (第二打席) https://youtu.be/HWerq5Osgk8 20170916 BCリーグ、群馬ダイヤモンドペガサスの伊藤拓郎選手と福島ホープスのジョン・ボウカー選手の対戦 (第三打席) https://youtu.be/mfOuFHnkBOs  この日の伊藤選手は少し調子が思わしくなかったようで、全般的に変化球主体のかわすピッチングが目立ちました。その変化球のコントロールも充分では無かった為、苦労したように見受けられました。 3失点のうち2点は2ランホームランで、両翼91メートルの狭い球場のギリギリの所にポール直撃の一発でしたので、運がなかったという解釈も出来るかもしれません。 いずれにせよ、来季こそNPBに復帰してもらいたいと願わずにはいられません。                ■ 今年はBCリーグの試合をトータル5試合見に行きました。一昨年初めて行って2試合、昨年は3試合、そして今年は5試合です。 誰かの為にしているのではなく、あくまで僕の興味追求の一環でしかありませんが、毎試合見終えて帰途につく時には、それなりに満足感を得ております。 ただ、非常に残念なことに、やはりお客さんの数には寂しさを覚えます。この前橋市民球場の試合も、恐らく300人くらいのお客さんしかいなかったものと思います。 僕は車で行きましたので公共交通機関の関係を気にする必要はありませんでしたが、帰った後で調べて見ると、路線バスですら夜8時前には終バスが行ってしまうため、もしも公共交通機関を使って行っていたならば、帰りは駅までタクシーを使わなければなりません。 こういっては何ですが、駐車場に停められた車の数は来場者数とイコールではないかという程で、その割に場内でアルコール類を楽しんでおられる大人の方が非常に多く見受けられましたので、果たして、大丈夫なのだろうかと心配で仕方ありません。 何が心配なのかは皆さんのご想像にお任せしますが、野球観戦とアルコール類とは切っても切れない間柄ですから、そうであるならば、公共交通機関がある程度整った場所で試合をするか、もしくは代行運転の業者さんを常駐させる位の準備は、必要ではないかと僕は思います。 アルコール類は、もはや売ったら売りっ放しが認められないご時世ですから、球団の将来を考えるならば、そのあたりの危機感を持つ事と、観客の交通アクセスをもう少し気を配ることをしてもらいたいものです。 総論として言えばBCリーグは素晴らしい事に違いないのですが、各論で言えば、収益源をスポンサー収入に頼り過ぎているから、もう少しお客さんを増やす努力をしなければならないのでは?と、かねてより思っている事です。                ■ 福島の岡下選手と群馬の速水選手がドラフトで指名される事と、群馬の伊藤拓郎選手がNPBに復帰できる事を期待しつつ、また来シーズンを考えたいと思います。以上

パナマウィンタリーグニュース

$
0
0
毎年、情報が得にくく、シーズンキャンセルかと思ったら、2月初めのラテンアメリカシリーズにはきちんと代表を送ってくるパナマ・ウィンターリーグ。ここ数年は、1月中に各チーム20試合ほどをこなし、ラテンアメリカシリーズに代表を送るために開催しているようなものだったが、今季は、11月27日開幕と数年ぶりに年またぎの開催となったようだ。 参加チームも一新、昨シーズンは4チーム中、首都パナマシティに3チームが密集していたが、今季は国内4都市にフランチャイズが散らばるというプロリーグらしい体裁を整えた。 首都パナマシティを本拠とするアギラス・メトロポリターナスは、この国一番の施設、国立のロッド・カルースタジアムを、中部の都市アグアドゥルセにフランチャイズを置くカバージョス・デ・コクレはレモン・カンテラスタジアム、南部の町チトレをホームとするトロス・デ・エレーラはリコ・セデーニョ球場を、サンチアゴのブラボズ・デ・ウラカは、オマール・トリホス球場を使用する。ラテンアメリカの球場の名は人名に由来することが多い。ここでもそうで、各球場の名前はパナマの偉人の名からとっている。パナマシティの球場の名は、言わずもがな、メジャーで首位打者7回、15年連続3割のパナマ出身のレジェンド、ロッド・カルーにちなむ。通算3053安打は今年まで外国出身メジャーリーガーの最多記録で、イチローがこの記録を抜いたとき、彼に言及している。アグアドゥルセの球場の名、レモン・カンテラは1950年代の大統領の名、サンチアゴの球場の名、オマール・トリホスは1970年代に国家主席として反米政権を率い、パナマ運河の主権回復を目指した軍人の名から来ている。リコ・セデーニョは、すみません、わかりません。 入場料は一律で各球場3ドル、12歳以下は無料というから、世界で一番チケットの安いプロ野球リーグだろう。各チーム、ロースターが40人でベンチ入り25人で戦うという。うち、外国人枠が10人というから、やはりまだまだ層が薄い感は否めない。すでに、ドラフトを実施し、各チーム8人の新人選手を補強している。但し新人といっても、過去にパナマリーグでプレーした経験のないパナマ人選手の保有権を決めるもので、多くはメジャーリーグと既に契約を結んでいる選手だ。中には30歳過ぎでここ数年はプロリーグでのプレーの形跡がない選手もおり、さながら独立リーグの様相を呈している。ここ数シーズンプレーのデータが見つからない選手のうち何人かはMLB球団と契約したままリハビリをしていたとも考えられるが、独立リーグでプレーしている選手も見当たらないことから、このリーグの現状は、夏の契約先がなかったり、これからマイナーの下位から上を目指そうという選手が集まるレベルと推察できる。マイナーで言えば、ルーキーからシングルAというところか。各チームの新人3割ほどは、プロ経験自体が初めての純粋なルーキーのようだ。以下に新人ドラフトで各チームにピックアップされた選手を紹介しておく。アギラス・メトロポリターナス(パナマシティ、ロッド・カルー(Rod Carew)スタジアム) ガブリエル・ヘンリー(Gabriel Henry) 19歳 投手ブレーブス・ルーキー級ドミニカンサマーリーグ(DSL)    2017成績 18試合(先発10)0勝0敗防御率3.07    通算(3年)43試合2勝3敗防御率4.35(すべてDSL) カルロス・ロドリゲス(Carlos Rodriguez) 18歳 投手   ヤンキース・ルーキー級DSL、ガルフコーストリーグ(GCL)    2017成績 14試合(先発12)2勝2敗防御率2.91    通算(2年)19試合2勝4敗 防御率4.86(すべてルーキー級) アンソニー・アマヤ(Anthony Amaya) 23歳外野手   通算(3年/2011~13)118試合76安打2本塁打.211(DSLレッドソックス) フリオ・デニス(Julio Denis) 31歳 投手    FA(元ベネズエラサマーリーグ・パイレーツ) 2009年成績 18試合(すべてリリーフ)1勝3敗防御率4.40(VSL) ルイス・アンギソラ(Luis Anguizola) 23歳 2016ドラフト25巡目  パドレスA級  2017年成績 28試合24安打1本塁打.255 通算(2年)59試合53安打2本塁打.268(ルーキー級、A級) ハイロ・カリージョ(Jairo Carrillo) 17歳 内野手  レンジャースマイナー  2016成績 16試合6安打 .200 (DSL) ホルヘ・ゴードン(Jorge Gordon) 19歳 1,3塁、外野、捕手  DSLアスレチックス  2017成績 41試合 30安打 .250 通算(3年)135試合100安打 .226 他1人(Gabriel Ramos)カバージョス・デ・コクレ(アグアドゥルセ(Aguadulce)、レモン・カンテラ( Remon Cantera)スタジアム)  エドガー・ムニョス(Edgar Munoz) 26歳内外野ユーティリティ  2015年成績 36試合70安打4本塁打 .440 (独立系ペコスリーグ・ガーデンシティ) 2011~14 パイレーツルーキー級(VSL, DSL, ガルフコースト、アパラチアン)    通算151試合142安打4本塁打 .292 ラファエル・エイセリック(Rafael Eysseric) 投手  GCLマーリンズ  2017年成績 15試合(6先発)1勝0敗防御率4.08 ルイス・マチューカ(Luis Machuca) 29歳 投手  元レッズルーキー級(VSL, DSL, GCL)   通算5年(2005~2009) 76試合24勝12敗3S 防御率2.72 アブラハム・ロドリゲス(Abraham Rodriguez) 18歳 1塁・外野  2016年成績 58試合56安打1本塁打 .255(DSLカブス) 他4人トロス・デ・エレーラ(チトレ(Chitre)、リコ・セデーニョ・スタジアム) アントニオ・カニザレス(Antonio Canizales) 19歳 投手   DSLフィリーズ 2017年成績 14試合(先発13)3勝5敗防御率2.89    通算(2年) 21試合 3勝5敗 防御率3.87 (すべてDSL) アブディエル・メンドーサ(Abdiel Mendoza) 19歳 投手   アスレチックスA級   2017年成績 8試合(先発7) 2勝3敗 防御率4.62    通算2年 25試合 5勝4敗 防御率3.52(DSL、A級)カルロス・サンチェス (Carlos Sanchez) 20歳 投手   アスレチックスマイナー   2017年成績 16試合 2勝4セーブ 防御率3.16(DSL,ルーキー級,SS-A級)   通算(2年) 33試合 5勝6セーブ 防御率3.00  サドラック・フランコ(Sadrac Franco) 投手   DSLエンゼルス 1年目   2017年成績 7試合1勝3敗 防御率3.45  ビクトール・アルフォンゾ(Victor Alfonso) 18歳内野手   DSLフィリーズ    2017年成績 53試合28安打 .204 通算(2年)  97試合47安打 .173 (DSL) ブランドン・ベイカー(Brandon Baker) 22歳   ジョージア州立大卒 他2人ブラボズ・デ・ウラカ(サンティアゴ・デ・ベラグアス(Santiago de Veraguas)、オマール・トリホス(Omar Torrijos)スタジアム)  アンディ・オテロ(Andy Otero) 25歳 投手  元ブレーブスマイナー(2009-2015) 通算(6年) 103試合15勝12敗7セーブ 防御率2.53 アブディエル・ベラスケス(Abdiel Velasquez) 24歳 投手  元ドジャースマイナー(2010-2014) 通算(5年)60試合(先発33)8勝14敗2セーブ 防御率4.29  ホルヘ・ミランダ(Jorge Miranda) 27歳 外野手  元フィリーズ・ルーキー級(VSL, GCL, 2010-2011) 通算(2年) 72試合38安打2本塁打 .190  ラモン・ロドリゲス(Ramon Rodriguez)29歳 投手  元レッズ・ルーキー級(VSL,DSL,GCL, 2006-2009) 通算(4年) 55試合7勝8敗1セーブ 防御率4.89  ラファエル・ロドリゲス(Rafael Rodriguez) 27歳 投手  元パイレーツ・ルーキー級(VSL, DSL) 通算(3年) 37試合(先発18)9勝4敗 防御率4.39  他3人

アジア野球選手権という素晴らしい大会を楽しむための展望・概要

$
0
0
野球の「アジア選手権」という大会がどういう大会なのか、すぐに淀みなく説明できる人はたぶん少数だろう。おそらくそれが出来るのは、アジアの野球に関心を持っている人か、社会人野球ファンのどちらかだと思われる。ただこのアジア選手権、多くの野球ファンの目に触れたこともある大会でもあったりするのだが、それはあとで説明することにする。「アジア選手権」という大会名の語感から分かるように、この大会はすごくシンプルな目的のイベントで、「野球のアジアナンバーワンを決める大会」である。アジア野球連盟(BFA)が主催し、BFAに所属する24カ国全てに門戸が開かれている大会だ。現在は日本、韓国、台湾、中国のいわゆるアジア4強がシードされ、残りの出場国は4強以外のアジアの野球後進国が参加するアジアカップという大会の上位チームが出場する。アジアの広大な地域をカバーするために数大会前からアジアカップは東西に分割して(東アジアカップ、西アジアカップ)開催されている。今大会は西アジアカップと東アジアカップにそれぞれ2枠ずつ(合計4カ国)のアジア選手権出場枠が与えられている。実は大会の歴史自体も古い。第一回大会はフィリピンのマニラで1954年に開催され、ベーブルースがプレーしたことでも知られるリザール・メモリアルスタジアムで行われた。日本はその年の都市対抗を制した八幡製鉄所の選手を中心に編成していたが、戦前戦後までは野球熱が高かった地元フィリピンに決勝で敗れている。翌1955年の第二回大会には立教大学の長嶋茂雄らがいた六大学の選抜チームが日本代表として出場している。アジアナンバーワンを決める、長い歴史を持つ国際大会。それだけの大会でありながら、イマイチ野球ファンにこの大会が浸透していないのは、この大会にはトッププロの選手が出場することがなくあまり話題にならないからである。国際大会にプロ選手の出場が解禁されて以降も、基本的に日本は社会人代表、あるいは大学と社会人混成のアマチュア日本代表としてこの大会に参加している。ただし、例外もある。現在は2年おきに開催されるアジア選手権だが、オリンピックの前年に行われる大会はオリンピックのアジア予選も兼ねて行われる。これが、冒頭に書いた「多くの野球ファンの目に触れたこともある大会でもあったりする」という部分。シドニー五輪予選として韓国で開催された99年大会はプロアマ混合チームとして松坂大輔や古田敦也が出場。アテネ五輪予選として札幌で開催された03年大会は史上初のオールプロによる日本代表、いわゆる長嶋ジャパンだった。記憶に新しい(と言っても10年前)07年大会の兼北京五輪アジア予選(台湾)は、直接の五輪への出場枠が1つしかない中で星野ジャパンが韓国や台湾と死闘を演じ全勝で五輪への切符を手にしている。次回大会は再び五輪予選として開催されることが予想されるアジア選手権だが、今大会は「通常営業」で開催される。日本に限らず、韓国も台湾もトッププロは出場しない。なのでアジアナンバーワンを決める大会と言うのは名ばかりになってしまうわけで、本当の意味でのアジアナンバーワンを決める大会として期待してしまったらこの大会を楽しむことはできない。ただ、この大会にはこの大会なりに楽しむための「ツボ」がある。その私なりの「ツボ」をこの後の項目でご紹介していきたい。●中国という大きな壁の存在 ある程度野球の分かる人に、中国の野球の印象を聞いてみたとする。おそらく、中国の野球が強いと返答する人はいないと思われる。プロリーグがあるわけではないし、野球の文化が定着しているイメージもない。実際に今年のWBCは成すすべなく3連敗で敗退しているし、1-8で敗れた日本戦はむしろコールドにならなかっただけ善戦と呼べる部類だろう。ナショナルチームでも、レベル的には日本の独立リーグ相当と私は見ている。こうした事情を踏まえると、アジア4強ではなく3強とその他で考えるべきでは?という意見も出てくるはずだ。確かに、日本、韓国、台湾と中国を同じ扱いにするのは違和感がある。だが、アジアの野球をどこかで一本線引きするとするならば、私なら間違いなく中国の下に線を引く。中国というのはあくまで世界大会レベルの弱小国であり、アジア野球連盟に加盟する24カ国のうちの4番目である。そして何より、中国は80年代に国際大会に参加するようになって以降、調べがつく範囲では一度も3強以外のアジアの国に敗れたことはない(ただしかつてBFAに所属していたオーストラリアは除く)。アジアの野球にとって最も実力差が大きいのは、中国と三強の間ではなく中国とその下にグループとの差である。中国の下に位置付ける集団は「アジア第二グループ」だとか「アジアBグループ」という風に呼ばれる。私もこのブログを始めて結構な時間が経つのだが、例えば2010年に行われた広州アジア競技大会の記事。地元の中国代表が当時のアジア第二グループの先頭集団にいたタイ代表と対戦。7-0で中国が勝っている。当時の自分の戦評を読むとかなり明るいトーンでタイの健闘を絶賛している。コールドに成らなかっただけでこれだけ褒められているわけだ。ざっくり言うと、大学生と高校野球の地区大会で1勝すれば満足するようなレベルの高校が対戦しているような感じ。これが中国とアジアの第二グループの対戦だったと言えよう。確かに中国はプロリーグも無ければ野球のカルチャーが根付いているとも言えない。ただ、マイナーながらも少年野球のチームや学校のチームがそれなりにある。そもそも一つの都市に一つの国ぐらいの人口規模があるのが中国のスケール感である。そしてなにより「野球選手」という職業が中国にはある。プロ野球はないものの、省が野球チームを持っていて、省から給与を得る形で「野球選手」として生活することが出来る。これがアジアの第二グループ勢との最大の違いだろう。第二グループ勢を構成する国々は香港を除けば東南アジア、南アジア、西アジアに属する。これらの国は野球以前にスポーツ後進国という側面もあり、野球のようなマイナー競技を大人になっても本格的なレベルで継続する環境にない。企業スポーツが日本のように発展しているわけでも、欧米のように地域のクラブチームが定着しているわけでもない。国から支援を受けるのも難しい。日本の目線から見た中国代表のイメージからすると、海外の指導者に継続的に指導してもらいながら強化していけば中国くらいなら尻尾をつかめそうに思われることもあるが、現地で日本人の指導者は思いのほか多くのアジアの国で熱心に指導している。それでも、このような大きな環境の違いもあってこの現状になっている。アジアで5番目に位置付けるフィリピンが中国に5回コールド負けしたりする。それが、アジアの野球の厳しい現実だったのである。(9月30日追記:中国代表は「国慶節の連休で帰路のチケットがとれなかった」ことを理由に出場を辞退しました。この通りの理由の可能性もありますし、以前もあったように台湾と中国の関係による政治的な理由ではないかという指摘もされています)●中国の背中がちょっと見えてきた第二グループの成長の確認こそ、アジア選手権の醍醐味の一つ前の項に記したような現状は基本的には変わっていない。それでもここ数年、風向きが少しずつ変わりつつある。そもそもアジアの第二グループにとって中国代表とは戦う前から大敗が決まっているような相手でしかなかったが、本気で中国を倒そうという国も現れるようになった。この10数年の間に、最もアジア第二グループで成長したと言えるのは、西アジアのパキスタンだろう。カワール・シャー会長というパキスタン野球の父とも言われるやり手をトップに、スポーツ省などのバックアップも受けながらあの手この手で発展してきた。警察や陸軍といった公的機関に野球のチームがあり、入隊してから野球を始めたクリケット出身の身体能力の高い選手たちで構成される。ざっくり言うとパキスタン代表のイメージはこんな感じである。身体能力は高いものの、おそらく野球歴の短さだったり、そもそも指導者も選手も得てきた野球の情報量が少ないのだろう。動きが野球というよりおおよそクリケット的だったり、野球に見慣れている人間からすると「えっ」となるような判断ミスが起こったりするのが欠点だったりしたのだが、徐々に改善もされてきている。言い換えると「野球っぽく」なってきている。アジアの第二グループ規模の大会では圧勝できるようになってきていたパキスタンは、ついに打倒中国を2014年のアジア競技大会から掲げるようになる。そのアジア大会では中盤まで食らいつき、終盤に突き放されたものの6-0と「善戦」。そして打倒中国の集大成として臨んだ前回2015年のアジア選手権では、日本人監督の色川冬馬氏を招へいし、前回対戦の善戦でかなり警戒心を強めてきた中国相手に5-0というスコアに持ち込んだ。このアジア選手権の結果を受けて、パキスタンは2017WBCの予選大会にも招待されている。三度目の正直に向けて経験値も増していることだろう。かつて150キロを計測したエースのイーサン・ウラーは、前回のアジア選手権中国戦ではで130キロ台中盤の速球とスライダーを低めに集める熟練の投球でゲームを作った。その試合にも登板したイナヤット・ウラーも130キロ中盤の速球とカットボールを主体とした投球が出来る好投手であり、彼らをつぎ込んで期待に応える投球をしてくれれば、前回のアジア選手権より打力が落ちるとされる中国代表によりロースコアゲームに持ち込める可能性は十分に出てくる。アップセットを目指すなら、二度の対戦で完封されている打線が鍵を握るだろう。スイングスピードはスピードのある直球にも対応できる力強さがあるのだが、変化球への対応力に乏しい。中国レベルの投手との対戦機会が少ないだけに、ここをどう改善するか。これまで中軸を担った野手が何枚か代表から離れている点も気になるところだ。このライバルであるパキスタンの尻尾を追い続けた結果、気が付けば「中国包囲網」の一員となっていたのが、パキスタンと西アジアブロックで二強を形成してきたスリランカ。今回がアジア選手権初出場となる。二強とは書いたものの、その二強の中ではパキスタンが明確に上の存在。独自に発展してきたパキスタンと対照的にJICA(国際協力機構)で日本の支援を受けながら地道に発展してきた。過去には代表監督を歴代日本人でリレーしていた時期もあり、日本が手取り足取り指導するようなイメージだった。現在もJICAの支援は受けているものの、今は現地の人が主体となって発展していっているところを日本人がフォローするような役回りに移っている印象を受ける。すそ野が徐々に広がってきている印象だったが、今年の春にその成果がようやく現れる。このアジア選手権の予選に当たる西アジアカップで地元のパキスタンを決勝で下したのである。これまで、アジアカップが東西のブロックに分裂して以降西アジアカップの全ての大会をパキスタンが優勝していた。西アジアカップ2017 スリランカがWBC参加国のパキスタンを下して悲願の初優勝!! | 世界の野球 | スポーツナビ+ https://t.co/9EOltFltHY おめでとうございます— 世界の野球 (@sekainoyakyu) 2017年3月2日パキスタンが弱体化してきたから勝てたわけではなく、むしろ打倒中国に向けて成長を見せてきたパキスタンを上回ったわけである。図らずも中国の追手の一員に加わった格好になる。私も2010年や2011年に、世界大学野球選手権やU18アジア選手権で来日したスリランカ代表の試合を観戦したことがあるが、このころよりもレベルは一段と上がっているのは間違いない。初出場となるアジア選手権では、スリランカ代表のトップチームとしては初めてアジア4強と対戦することになるが、タイミング的にも今回の初出場が一番良かったのではないかと思う。本来は、最も中国に近い位置にいるのはフィリピンである。冒頭にも書いたようにこの大会の初代王者であり、新興国で形成されるアジアの第二グループの中では対照的に古豪に分類されるアジア5番手の国だ。ただ、連盟が主に経済的な問題を抱えていて国際大会に出場することが出来ないケースが続いていた。実力的には中国の追手の一番手であるが、その座をパキスタンに譲っていた格好だ。フィリピン代表は伝統的に投手力が高い。これまで代表を支えてきたチャーリー・ラブラドール、ダーウィン・デラカルサダと言った左右のベテランは引退してしまったが、それでも北京五輪アジア予選で日本に先発した左腕のジョンジョン・ロブレス、長身から140キロを超える速球を投げるカルロス・ムニョス、昨年のWBC予選で登板し、130キロ台の癖球を武器に好投したパブロ・マカセートなど、投手の実力、層の厚さは第二グループでは随一。これら主力クラスの投手は中国代表レベルともそん色ない。ただ守備力に問題を抱え、さらに序盤で失点が重なると集中力が切れて一気に崩壊しやすい。過去の中国代表との対戦もそういった性質から実力差以上の点差になってしまっている印象だ。今回は若手選手も多くメンバーに入っているが、過去の対戦や実績で生まれたイメージにとらわれ過ぎず、強豪相手に劣勢になってもどれだけ気持ちが持続出来るかもカギを握ってくる。それこそ、中国相手に食らいついていくパキスタンはいい手本を見せてくれているように思う。先に挙げた3カ国と比べると、近年の大会での実績で香港は劣る。ただ個々のポテンシャルは高く、選手の能力と国際大会での結果が見合っていないイメージもある。若い選手も多く、きっかけ次第では躍進も十分考えられるだろう。チェコのセミプロリーグでプレーしたアンダースローの趙嗣淦、左腕から130キロ超の速球を投げる楊貫軒、台湾に留学経験がありアジア大会で137キロを計測した長身右腕の李永陞、クレバーな投球スタイルが特徴の梁家豪など、投手の枚数の多さは第二グループレベルでは充実。同組のパキスタンは中国戦に注力しすぎるとここで星を落とす可能性はある。ここ数大会のアジア選手権は、4強+2カ国の6カ国による総当たり方式だったが、今回は8カ国に拡大。つまり、アジアの第二グループへの門戸が拡大されたことが最大の特徴である。 2グループに分けて1次リーグが行われるため、直接中国と対戦することが確定しているのは同じグループにいるパキスタンと香港だけである。ただ、隣のグループに所属するスリランカとフィリピンは韓国、台湾と対戦することが出来る。 1次ラウンド終了後に行われる下位チームによる二次ラウンドも含めて、第二グループ勢がどこまで4強との差を詰めてきているのか。確認するにはこれ以上ない大会なのではないだろうか。●追われる側でもあるが、気持ちとしては追う側の中国ここまでアジア第二グループの立場から見た中国代表の話をしてきたが、逆に中国側の立場になってみると、はっきり言って第二グループの国々に構っている場合ではないというのが本音だろう。ここ最近ある程度のゲームに持ち込まれているパキスタンには一定の警戒心も持っているだろうが、意識としては1次リーグではパキスタンと香港を一蹴し、3強相手にどれだけのゲームに持ち込めるか、といったところだと思われる。中国代表としてはこの大会は難しいタイミングでの開催となっている。前の項目で中国は省がチームを持っているという話をした。それは4年に一度行われる全国運動会という日本で言うところの国体のような大会があって、そこに野球の種目もあるから。ステータスは日本の国体より高く、競技者にとってはオリンピック以上という話もあるくらい。優勝すれば人生変えてしまうほどの高額のボーナスが得られるらしい。省の看板を背負って結果を残してもらうために、省は選手に給料を払って野球チームを抱えている。今年はその全運会の開催年であり、8月末に行われ天津が優勝を飾った。中国球界は頂点であるこの全運会までの4年間を一つのサイクルとしており、そのサイクルを終えた直後の国際大会というのは難しい部分もある。今回の代表はWBCで二刀流として話題になった孟偉強(広東)など、これまで代表の常連だった選手もそれなりに含まれているが、一方で代表では馴染みのない若い選手も多い。特徴としては、MLBディベロップメントセンターと呼ばれる、中国国内にあるMLBの野球アカデミー所属の選手が多いことが挙げられる。 2016年にMLBDC出身者で初めてMLBのチームと契約を結んだ許桂源(オリオールズ傘下)もメンバーに含まれているが、完全なフルメンバーとは言い難い。全運会後というタイミングもあるが、来年以降にアジア競技大会と東京五輪予選が控えていることを考えると、若い選手に経験を積ませるのはここしかないのかもしれない。今春のWBCで中国は三連敗を許し、ついに次回大会は予選ラウンドに回ることが濃厚となった。特にプロレベルの変化球への対応力がボロボロな印象だったが、アジアシリーズやワールドカップなど中国代表が参加できる国際大会が減っていることも一因の一つだと思われる。アジア選手権は、3強はトップチームを送り込まない大会であるが、中国代表にとってはプロレベルのチームと戦う希少な強化の機会となる。 05年に宮崎で行われたアジア選手権では大学生で編成された韓国代表に勝利。台湾相手には北京五輪、09WBCで代表のトップチームを破ったほか、近年では13年の東アジア競技大会でアマチュア代表を撃破している。前回大会は3強相手に完敗を許してしまっているが、今回は出来るだけ接戦で食らいつきあわよくば勝利を狙いたい。アジア大会、五輪予選、そしてWBC予選。この三つの大会に繋がる場にすることが今回の最大の目的だと思われる。●三強にとってのアジア選手権再三書いているように、アジア3強はトッププロを派遣しているわけではないが、適当なメンバーを集めてなんとなく参加しているわけでは決してない。それぞれのチームにそれぞれの意義・目的とモチベーションがある。前回大会で日本の6連覇を阻んだのが韓国代表。今回は台湾もオールアマなため、プロ選手が参加している唯一のチームだ。前回のように一軍実績がありながらも兵役で二軍(警察・尚武)でプレーしてるような実力者は入っていないものの、フューチャーズリーグ(KBO二軍)でプレーしているプロの若手選手を中心に選出されている。 15年のU18ワールドカップでエースだったドラ1左腕のパク・セジン(KT)や36本塁打を放ちフューチャーズリーグ本塁打王となったムン・サンチョル(尚武)、ユニバーシアード大会でも韓国代表のエースだった大型左腕のチェ・チェホン(サムスンが1次ドラフトで指名)が名を連ねる。元阪神の郭李建夫が監督を務める台湾代表はマイナー選手+アマチュアの混成チームとなるのが通例だったのだが、今回は海外勢の招集に失敗し、全てがアマチュア選手によるメンバー編成となった。内訳は9人が大学生、残りの15人が台湾電力や合作金庫といった社会人チームでプレーしている選手になる。前回大会(2年前)のメンバーだと、王柏融(ラミゴ)と4割前後のラインで首位打者争いをしている陳傑憲(統一)も、当時は台湾電力の一員としてアジア選手権代表に選出されている。特に大学でプレーする選手の中には、今後MLBやNPBと契約を結ぶ選手が含まれているかもしれない。投手陣で最も実績があると言えるのは、2015年にプレミア12の台湾代表にも選出されている左腕の呂彥青(国立台湾体育大学)。今年はユニバーシアードにも選出されている国際経験豊かな投手だが、プレミア12代表に選出されたのは同大会前に行われたアジア選手権での活躍を受けてのものだった。今大会も中心投手の一人と見られる。日本代表はご存知の通り侍ジャパン社会人代表である。アマチュア選手がオリンピックなど世界を相手に戦っていた時代のスピリットを受け継ぐチームとも言えよう。現在は社会人代表が出場する国際大会もこのアジア選手権とアジア競技大会だけになっている点を考えると、アマチュア野球の活性化のためには希少な舞台である。アジア選手権は最大の目標であるアジア競技大会を見据えて戦う場という側面もある。今回は杉浦正則(日本生命)がコーチとして名を連ねている点も見逃せない。今年のWBC代表からは、石川歩(東京ガス→ロッテ)、秋吉亮(パナソニック→ヤクルト)、5年前のアジア選手権で最優秀守備賞を獲得した田中広輔(JR東→広島)の3人が社会人侍ジャパン経験者。エースを担った菅野智之(巨人)も東海大時代に2009年のアジア選手権代表に選出されていたりなど、意外と世界とも繋がっているカテゴリーだったりする。田嶋大樹(JR東日本)や鈴木博志(ヤマハ)といったドラフト候補にどうしても注目が集まるが、変則左腕の片山純一(元JR東)がアジアの舞台で活躍し、特に台湾キラーとして恐れられてたように、社会人野球で技を磨いてきた中堅・ベテラン選手が世界を相手に戦う姿が見られる点も注目ポイントの一つだろう。日本のアマチュア野球の層の厚さや奥深さを見せつけるような戦いをしてくれるのではないだろうか。前回大会で日本の連覇は途切れてしまったものの、前回ほど韓国や台湾がメンバーを揃えられていない点を考えると、優勝候補の1番手は日本になるものと見られる。ただ、短期決戦のほとんど一発勝負に近い大会の性質を考えると、3強は実質三つ巴と言っていいかもしれない。特にスーパーラウンドの2試合と決勝戦は息をのむような試合が繰り広げられる可能性が高い。●日程、その他 BS-TBS 野球アジアNo.1決定戦!<br>~BFAアジアチャンピオンシップ~ https://t.co/fUs9UNk7KX アジア選手権、1次ラウンドのダイジェストと決勝ラウンド、順位決定戦の日本戦がBSTBSで生中継らしい— 世界の野球 (@sekainoyakyu) 2017年9月20日台湾だと1次ラウンドの中継もあるらしいので、どうにか日本からも見れるんじゃないかと(はっきり分かり次第追記予定) https://t.co/RTbkX8ofCI  アジア選手権ロースター全部ここに出てますね— 世界の野球 (@sekainoyakyu) 2017年9月27日 A組:日本、中国、パキスタン、香港 B組:韓国、台湾、フィリピン、スリランカ 1次ラウンド総当たりで各上位2チームがスーパーラウンド進出。隣の上位2チームと対戦して、1次リーグから一緒に上がってきたチームとの対戦成績も含めた星取表で決勝戦と3位決定戦に回るチームが分けられる。下位チームには下位チームの二次ラウンド(コンソレーションラウンド)あり。ここまで書いてきた「ツボ」をまとめると。・アジア第二グループが強くなってきてるか・中国にとっては希少な強化の機会・3強も若い将来性のある選手がたくさんいますよの3本立て。この展望を見て大会に興味を持ってくれる人が増えたら嬉しい。

メキシコで夢のオールスターゲーム開催

$
0
0
先日大地震のあったメキシコだが、復興支援のため、国内の2大リーグが立ち上がった。夏のトップリーグ、メキシカンリーグ(LMB)と最高峰のウィンターリーグ、メキシカン・パシフィック・リーグ(LMP)がオールスターゲームを開催することになった。試合は各々のリーグの最大のスタジアム、クリアカンのエスタディオ・トマテロス(2万人収容)とエスタディオ・モンテレー(2万5000人収容)で行われることになった。まず9月の30日の土曜にクリアカンで翌日にモンテレーに移動して開催の予定。 チームはMLBの16球団とLMPの8球団の主力選手が参加するという。メキシカンリーグ7球団で22年間プレーしたペドロ・メレに率いられるLMBチームには、40歳になる今季ものティグレス・デ・キンタナローで先発投手として10勝を挙げたパブロ・オルテガ(2006,2009WBC代表)、メジャー8シーズンで847安打を記録し、WBCにも過去3度出場したホルヘ・カントゥ(トロス・デ・ティファナ)、夏季冬季合わせて通算1758安打を放ち、今年誕生した新球団ブラボズ・デ・レオンで3割をマークしたエドュアルド・アレドンドがメンバー入り、ディアブロスロッホス・デ・メヒコの名外野手として名を馳せたダニエル・フェルナンデスに率いられるLMPチームには、ウォルター・シルバ(元パドレス, ベナドス・デ・マサトラン)、昨秋の侍ジャパンの強化試合でメキシコ代表の一員として来日したエステバン・キロス(ベナドス・デ・マサトラン, 2017WBC代表)、アグスティン・ムリーリョ(チャロス・デ・ハリスコ, 元楽天)や、メキシコ球界20年でそLMB2000安打のベテラン捕手、サウル・ソト(カネロス・デ・ロスモチス)らが名を連ねている。夏季リーグ対冬季リーグとの対戦とあって、多くの選手は両リーグに所属があるが、適宜どちらかに振り分けているようだ。なお、両軍のユニフォームはこの試合のための特別仕様のものを使用し、メキシコの国旗の緑と赤を基調としたものになるという。 チケット収入は、被災者支援に当てられるという。また、来年春に開場するメキシコシティの新球場ではメジャーリーグの試合が開催される予定であったが、今回の地震でそれも再検討されるようである。

独立リーグのドラフト候補選手10人

$
0
0
今回は独立リーグ(四国ILplus・BCL・BFL)から厳選して、個人的に気になっている10人の選手を取り上げてみようと思います。投手伊藤翔 右右 18歳 徳島インディゴソックスおそらく、今年の独立市場において最も注目されている選手。千葉の横芝敬愛高から入団しいきなり先発ローテの柱になった高卒ルーキー。最速150キロの直球とスライダー、フォークが冴える。175/75という未完成な体格からもまだまだ伸びしろが感じられる。 1年間投げて奪三振率8.48、四死球率1.92、被安打率8.04、被本塁打率0.44と数字的にも超独立級。ソフトバンク・巨人との三軍戦ではいずれもQSをマーク。今年の高卒投手市場の不足感を考慮すると3~4位で指名されてもおかしくない。高島秀伍 右右 26歳 香川オリーブガイナーズ外野手だったセガサミー時代から一転、中学以来の投手挑戦で23試合94イニングを投げ抜いた。スリークォーター気味のフォームから最速150キロ。140キロ前後でもキレとパワーを備えた球質。リーグ前半戦は49イニングでボーク4個とブランクに苦しんだ様子はあったものの後半戦はゼロ。奪三振率7.37、四死球率4.40という数字に変化球や制球の危うさが表れているものの、被本塁打率0.29は球威の証。原田宥希 右右 23歳 香川オリーブガイナーズ力強い直球を持つサイド右腕。左打者には内外角を広く使えて、直球は高めに浮き上がるような独特の軌道で迫ってくる。先発ながら奪三振率8.61、被本塁打率0.16は115イニングで僅か2被本塁打と球威抜群。貴重な速球派サイドスローは投手陣のアクセントになるはず。沼田拓巳 右右 23歳 石川ミリオンスターズ JABAから除名処分を受けた男がドラフト適齢期に。ガッチリした体格から150キロ前後を投げるパワー系右腕。今季は114イニングで防御率4.26、四死球率3.95、被安打率9.32、暴投15と相変わらず荒っぽく、ボールも基本的に荒れ球。しかしながら、右打者に効く横に流れるようなスライダーやタテの変化球でカウントを稼げる面もあり、意外にまとまりがある印象。寺田光輝 右右 25歳 石川ミリオンスターズサイドながら直球は140前半を計測し、120キロ台の鋭いスライダーで打者と勝負。リリーフとして35試合に投げ防御率2.41。奪三振率6.80、四死球率3.95、被安打率8.34とパッとしないが、27日のBCL選抜vs巨人三軍戦では1回2K。スライダーと直球のコンビネーションで評価されるか。渡邉雄大 左左 26歳 新潟アルビレックスBC ベンチ入りすら1試合しか無かった青学大時代から一転、今季新潟では46試合に登板。防御率1.29はリーグトップ。四死球率2.91は少々高めだが奪三振率10.67は立派。左打者にとっては背中からやって来るような球筋でボールがやって来るだけでなく、内角を果敢に攻められるのも強み。さらに直球とスライダーが似たような軌道を描くため、まず左打者は初見では打てない。27日のBCL選抜vs巨人三軍戦では辻東倫を二ゴロ併殺に打ち取った。左サイドという明確な特徴を持っているだけにワンポイントとして即戦力の期待がかかる。内野手纐纈英騎 右左 23歳 新潟アルビレックスBC 選抜チームで4番サードとして出場したリーグを代表するスラッガー。今季は62試合打率.351 (239-84) 9本塁打 55打点 12盗塁三振率.146 (239-35) 四死球率.123 (277-34) という成績。 5月の巨人三軍戦では橋本篤郎から左中間を破る二塁打を、田中大輝(いずれも左腕)から中二塁打を放った。選抜戦でも坂本工宜から右安。三塁守備に関してはライン際の難しい打球を処理したり、遠投でアウトにしたりと特に大きな欠陥は見当たらない。知野直人 右右 18歳 新潟アルビレックスBC 聖光学院高から通信制の高校に移り元々は練習生として入団したが、すっかり三塁・遊撃のレギュラーに。 28試合打率.350 (103-36) 4本塁打 21打点 8盗塁三振率.243 (103-25) 四死球率.108 (129-13) と結果を残し一躍ドラフト戦線に急浮上。三振率の高さや11失策の守備は荒削りなものの、三拍子型の内野手として期待がかかる。選抜戦では3番ショートとして出場。いきなり先頭打者に内野安打を許してしまうものの、それ以外はそつなくこなしていた印象。バットではポテンヒット1本。まずは全体のレベルの底上げに努めてから一軍で勝負。外野手泉祐介 左左 23歳 滋賀ユナイテッドBC 花園大から入団したルーキーながら、71試合打率.316 (294-93) 0本塁打 17打点 27盗塁三振率.065 (294-19) 四死球率.080 (326-26) という成績。 1番センターで出場した5月の巨人三軍戦で橋本篤郎から一安、大竹秀義から左安。打撃と守備の両方に活かせる俊足が最大の武器だが、三振率が低いのもトップバッターとして強み(100打席以上立った野手の中ではリーグ最少)。田中燿飛 右右 21歳 兵庫ブルーサンダーズ BFL三冠王。 29試合 .412 (97-40) 13本 35打点出塁率.550 長打率.948 三振率.093 (97-9) 四死球率.240 (129-31) は圧巻としか言いようがない。芦屋大に在学中だが95年世代なので大学4年生、今年指名対象なはず(情報が少なく指名対象なのかどうかすら分からない)。打撃成績ベスト10の中で本塁打が多い順に並べると13、4、2、1、1なのでその特異さが分かるはず。 7月にはBFL選抜として巨人三軍と対戦し2打席連続ホームラン。映像でしか見たことが無いが、打席でのスイングはまるで大学生とは思えない。逸材。以上、10選手でした。 BFLをはじめ見れなかった選手も多いですが、今年は選手をある程度網羅出来たシーズンだったと思います。ここに挙げた選手は全体のほんの僅かです。来月のドラフト会議で何人の独立リーガーが指名されるか。注目していきたいです。

オーストラリア野球リーグ、今季もウロンゴン・クラシック開催

$
0
0
 北半球のプロ野球は、各リーグ、いよいよ佳境に入ってきているが、南半球のウィンターリーグはそろそろ開幕の準備が始まっている。オーストラリア野球リーグ(ABL)は、今シーズンのスケジュールを発表、今季は11月9日のオープン戦を経て、11月16日開幕となった。1月いっぱいまでのレギュラーシーズンを経て、2月11日にポストシーズンを終わる予定。 ABLのメディアリリースは、同時に、昨年行ったウロンゴンでのキャンベラ・キャバルリーとシドニー・ブルーソックスの試合を今季も行うことを発表した。 ウロンゴンはシドニーの南、90キロのところにある、ニューサウスウェルズ州第3の都市だ。周囲一帯はイラワラ・コーストと呼ばれ、シドニーからの行楽客でにぎわう。キャンベラとシドニーの中間にあたるが、シドニーからはコミュータートレインが通じており、どちらかというと、シドニーのテリトリーと言えるが、試合は、キャンベラのホームゲームとして11月26日に行われる。 ウロンゴンはかつて鉄鋼の町として栄え、日本の工業都市、川崎とも姉妹都市協定を結んでいる。そのため、ヨーロッパからの移民が多く、サッカーやラグビーがさかんで、現在トップリーグに在籍するのは、ラグビーチームだけという「野球不毛の地」である。当然野球専用球場などはないようで、試合は、海沿いの運動公園、トーマス・ダルトン・パークのオヴァル(クリケットなどで使用される楕円形のグラウンド)を使用するようだ。このオヴァルにはスタンドはなく、当日は、急造の桟敷席をネット裏にしつらえて、あとは立ち見になるようだ。入場無料で、プロモーション的な色彩が強いようだ。 (トーマス・ダルトン・パーク) ABLはこのゲームを、恒例の行事にしたいようで、ここで対戦する、キャンベラとシドニーの対決を「伝統の一戦」に仕立て上げようともしている。リーグじたいが2010年発足と「伝統」とは程遠いのだが、野球創成期を思わせる、ただっぴろいグラウンドでの試合は、野球の原初的な風景を呼び起こさせ、この国にも野球の歴史があることを改めて認識できるゲームにしたいようだ。(昨年の試合の様子) この時期にシドニーを訪れる人はぜひとも足を運んでほしい。

メキシカンリーグ、2球団が撤退へ

$
0
0
昨オフ、2球団が移転したメキシカンリーグで、今年も2球団が撤退することになった。今シーズン、デルフィネス・デ・シウダーデルカルメンを受け継ぐ形でデュランゴに誕生したヘネラルズは、わずか1年で撤退することに。この球団は買収先もいまだ見つからない状況で球団身売りや移転ではなく廃止の方向で動いている。 移転に際して行われた球場の修築が遅れ、地元ファンへのお披露目が開幕後ひと月も経った5月頭になったこともあり、いまひとつ盛り上がりかけた上、球団の財政難から給与の遅配などもあったという。財政難はチーム編成にも影響を及ぼし、シーズン後半になって、主砲のキューバ人、ヤディル・ドレイクを日本ハムに取られ(ドレイクはトレード時点ですでに規定打席数に達していたため、.385で首位打者に輝いている)、リーグ記録の35試合連続ヒットを記録したダニエル・マヨラも、同地区の資金力豊富なモンテレーに「売ら」ざるを得なくなった。マヨラは今シーズン、ドレイクに次ぐ打率.370を残している。 結局ヘネラルズはシーズンを43勝66敗の北地区最下位で終えた。44試合のホームゲームの平均観客数はリーグ16球団中7位の4094人であるから決して悪くはなかったが、この町のプロ野球に2年目は訪れないことになった。この結果、来季のメキシカンリーグは15球団体制となる模様だが、これだと、スケジューリングに支障がでるので、来季終了後にもう1球団削減されるとの噂が早くも流れている。その第1候補として囁かれているのは、今や強豪となったレオーネス・デ・ユカタンとオーナーを同じくするバキュエロス・デ・ラグナだ。 昨シーズンの打点王リッキー・アルバレスを姉妹球団であるユカタンに「売り渡した」のをファンは見限ったようで、観客動員数は1試合平均4396人とリーグ上位半分以上に入っているが、昨季の5395人と比べると18.5%の大幅減である。今季は、60勝49敗で勝ち越しながら、「北高南低」の傾向のため、惜しくもプレーオフ進出を逃している。(バキュエロスのホーム、パルケ・レボルシオン/トレオン) 球団の移転に踏み切るのは、名門ロッホデルアギラ・デ・ベラクルスだ。首都メキシコシティの大西洋側の外港であるベラクルスには、リーグ発足以前の1903年に鷲を意味するアギラ石油会社により最初のチームが設立されて以来、いくつものチームがフランチャイズを置いてきた。1937年の初優勝以来、最近では2012年のペナント獲得まで6回の優勝を誇る野球の歴史をもつこの町であるが、近年観客動員は落ち込み、身売りや移転の噂は絶えなかった。今季の1試合あたりのホームゲームの動員数は2661人とリーグ下位4番目。その上、州政府からの補助金がここ数年カットされたため、慢性的な財政難にあえいでいた。今季は5割を割る勝率ながら、先述した「北高南低」のおかげで、新球団ブラボス・デ・レオンとのワイルドカード・プレーオフを地元で開催することができたが、そのポストシーズンゲームでも4279人の観客しか集めることができず、ここで一旦、フランチャイズの歴史に幕を下ろすことになった。(アギラスのホーム、エスタディオ・ウニベルサリオ・ベト・アビラ/ベラクルス) アギラスの移転先は、アメリカとの国境にある町、ヌエボラレドだ。2008年に完成した比較的新しく12000席をもつエスタディオ・ヌエボラレドを本拠とする予定である。チーム名は、かつてこの町にあったメキシカンリーグ優勝5回の名門、テコロテス(オウルズ)を継承する。メキシコでは町とチーム名は不可分の関係にあり、チームの系譜に関係なく、その町にあったかつてのチーム名を新球団が名乗ることが多い。  旧テコスは、テコスは、1980年代から1990年代かけて全盛を誇ったチームで、1985年から1993年までに5回チャンピオンシップに出場、1989年にはメキシコ・チャンピオンに輝いている。ペナントを勝ち取った。 1995年には、後に来日し、横浜ベイスターズで活躍したプエルトリコ人、ボイ・ロドリゲスもプレーしている。 ヌエボラレドはメキシカンリーグがメジャーリーグに対抗した1940年代の黄金期からの古いフランチャイズ。1985年から2003年(1995年を除く)の間は、国境であるリオ・グランデを越えたテキサス州ラレドでも試合を行い、「テコロテス・デ・ドスラレド」(「ドス」は「ふたつ」の意)を名乗っていた。フランチャイズの歴史は2003年シーズンで一旦途絶えるが、その後新球場の建設を受けて、アグアスカリエンテスからチームを引き抜き、2008年に復活、しかし市の中心から3キロ半ほどの1947年から使用していた旧球場、パルケ・ラ・フンタに比べ、約10キロと遠い立地のせいか、観客動員に苦しみ、2010年シーズンを最後に移転に追い込まれた。その移転先が今回消滅するデュランゴの前身球団のフランチャイズ、シウダーデルカルメンなのは皮肉なことだ。(かつてのテコスのホーム、パルケ・ラフンタ/ヌエボラレド) 新生テコスは、かつてと同様、アメリカ側でも試合を行うことを希望している。アメリカ側のラレドには、1995年にアパッチズ(テキサス・ルイジアナ・リーグ)2006年から2010年まではブロンコス(ユナテッド・リーグ)、2012年から昨シーズンまではレムールズ(アメリカン・アソシエーション)と独立リーグの球団が度々フランチャイズを置いていたが、現在は「空き家」の状況。テコスは、かつて使用していた5000人収容のベテランズ・フィールドではなく、2012年にレムーズ誘致のため新造された6000人収容のユニトレード・スタジアムを使用する予定にしている。(かつてのテコスが使用したアメリカ側のスタジアム、ベテランズ・スタジアム/ラレド)
Viewing all 1963 articles
Browse latest View live