チェコ・プラハを舞台に毎年行われている国際大会、「プラハベースボールウィーク」の2014年大会が、現地時間今日から当地で開幕します。 今大会には昨年よりも4チーム少ない全8チームが出場。昨年に引き続きフル代表とU-21代表の2チームを送り込む開催国チェコの他、ロシア、ベラルーシ、ポーランド、スロバキアがそれぞれフル代表で参加します。このうち、ポーランドとスロバキアは昨年度から引き続いての大会参加。前年度のドイツ、スウェーデン、クロアチアに代わり、ロシアとベラルーシが参戦することとなりました。 また欧州勢6チームに加え、大会のディフェンディングチャンピオンであるEUインターナショナルスターズ(欧州各国のクラブを渡り歩いてきたジャスティン・プリンスタイン氏が率いる、ヨーロッパでプレーするアメリカ人の選抜チーム)と、アメリカの複合型スポーツ競技連盟であるUSSSA(United States Speciality Sports Association)の選抜チームも参加。今大会もこのアメリカ勢2チームは優勝候補とみられます。 例年、秋のヨーロッパ選手権(予選ラウンドや世代別選手権も含め)に向けての調整の場とも位置付けられるこの大会。前回に引き続き本大会に参戦するチェコとロシアにとっては、代表チームの仕上がり具合を確認する絶好の機会となります。前回ユーロで総合5位と躍進を遂げたチェコは、「四天王」たるイタリア・オランダ・スペイン・ドイツの牙城を崩すためにも、この大会で勢いをつけておきたいところ。ホスト国という立場からしても、また昨年優勝を逃したという状況からしても、負けられない戦いとなることは間違いないでしょう。 ロシアにとっても、この大会は決して軽い位置づけの物ではないはず。前回ユーロでは健闘したチェコとは対照的に下位に沈み、イギリスともども予選ラウンドに送り返される羽目に。そこから再び盛り返して本大会への切符を掴んだ経緯があるだけに、ユーロでは低迷した前回のリベンジを期すことになります。今回のプラハベースボールウィークでは、そこに向けてチーム全体としての手ごたえを掴みたいところ。つい先日のヨーロッパカップ予選で、エースのアンドレイ・ロバノフ(オリンピック・スポーツスクール42)が13回2/3を投げて23奪三振という圧倒的な投球を披露しましたが、今回は他の代表メンバーも含め、そうした個の力を代表という場で発揮することが重要になります。 ところで、今大会の欧州勢は地理的にもばらけていた昨年とは異なり、全てかつての「東側」の国々であることが共通点として挙げられます。既に冷戦終結から25年が経過している現在、それもスポーツの話題で西側・東側という言い方をするのは本来ナンセンスではあるのですが、ヨーロッパ球界においては依然として東西格差が小さくないのもまた事実。例えば、ユーロで上位に君臨しているのはその大半が前述の四天王を筆頭する西側の国々で、前回大会5位のチェコや前々回大会4位のギリシャは例外的な存在と言えます(ギリシャにしても、今なおギリシャ系アメリカ人・カナダ人に強く依存し、それを以てしても投手陣の層の薄さがぬぐいきれない現状を考えると、まだトップクラスのチームに成長したとは言い難い)。 アジアや北中米カリブと比較すると、どうしてもマイナー地域と位置付けられがちなヨーロッパですが、今大会に出場するのはチェコを除けば、その中でも上位レベルとはまだ呼べない国々。それだけに、ドイツやスウェーデンといった地域の強豪国も顔を揃えていた昨年と比べれば、大会のレベルは今年は多少なりとも落ちるかもしれません。しかし逆に考えれば、今大会は中東欧勢が結果を残すことで自信を掴み、今後の躍進に向けての足掛かりを得るための絶好の機会とも言えます。西側と比べるとMLBの手もそこまで入っていない旧東側諸国は、ヨーロッパ球界全体の発展というテーマを考えるうえでも非常にカギを握る存在。28日まで熱戦を期待したいところです。ソース:http://www.mister-baseball.com/prague-baseball-week-starts-today-2/
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