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各球団の2013年外国人投手依存度調査

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プロ野球が開幕してしばらく経ち、上位と下位の差も少し出始めてきた。好調なのは7連勝中の首位ネクセン。2位には昨年6位に沈んだ上に正二塁手のチョン・グヌが流出したSK、3位は昨年1軍参入1年目で開幕から敗戦を重ねながらも7位となったNCとなっている。以下、ロッテ、トゥサン、KIA、サムソン、ハンファ、LGと続く(以後、昨年の順位は、プレーオフを含めた最終順位ではなく、128試合制のリーグ戦順位を指す)。昨年リーグ戦で1位だったサムソンと2位だったLGが苦戦している。サムソンはイ・ジヨンとチン・ガビョンという捕手2人が負傷離脱したのが地味に響いている印象、LGは昨年防御率リーグトップだった投手陣が踏ん張れていない印象を受ける。一方のネクセンはバンヘッケン、ナイトの両外国人投手が防御率1点台でリーグトップと2位になっている。SKは昨年の勝ち頭セドンが抜けた穴を今のところキム・グァンヒョンの好投で塞ぐことができている。またNCはチャーリー、エリックが昨年ほどの安定感を出せていないものの、やはり1チームだけ外国人投手を先発ローテーションに3枚組み込めるのは大きなアドバンテージになっているように思う。今季は外国人選手の登録制限規定が変更となったため、外国人選手では打者に注目が集まる。ジョシュベル(LG)やテームズ(NC)は既にホームランを5本以上打ち、ピルやピーエイなども好調を維持している。カントゥが不振などはあるが、現時点では概ね活躍していると見てよい。だが昨シーズン、リーグ先発登板の40%を外国人投手が占めていたように、外国人投手がチームに与える影響は少なくない。そこで昨シーズンの外国人投手依存度を振り返ってみることにする。なお、参考までに昨年の外国人投手の成績を末尾に付した。1.勝ち星まず、チーム勝利数に占める外国人投手の割合を見ていく。表のうち、外国人の成績がリーグ外国人平均よりも良い場合は薄い赤色、平均よりも悪い場合は水色で表している。つまり水色よりも薄い赤色の方が外国人投手依存度が高いこととなる。確認してみると3~6位のチームが外国人投手で貯金を作れているのに対して1・2位と7~9位は借金を作ってしまっている。特に外国人投手の貢献が目立つのはロッテで、2人で15も貯金を作っているが、それでもチームは5位であった。サムソン、LG、SKは1枠がハズレだったことから勝利数があまり伸びず、NCは好投しても打線が応えられなかった形である。トゥサンは途中離脱したニッパートが作った貯金がそのまま外国人が作った貯金になっている。ロッテとSKの順が逆になっていることを除けば、韓国人投手の勝率がそのままチーム順位となっており、上位進出には韓国人投手の活躍が必要であると言える。2.投球回、クォリティスタート抑えとして起用されたKIAのアンソニー・レルーを除けば、外国人投手は先発ローテーションが期待されていた。先発投手には勝利だけでなくイニングの消化も要求される。そこで投球回とQSについても確認していきたい。この表も、外国人の成績がリーグ外国人平均よりも良い場合は薄い赤色、悪い場合は水色で示している。昨年までの規定では外国人保有枠は2であり(NCのみ3)、全球団が外国人枠を投手のみで埋めた。韓国球団は先発ローテーションを5人で回すのが基本であるので、外国人投手の先発数が全体の40%を超えるかがひとつの目安となる。外国人選手は普通の韓国人投手に比べてコストが高いため、多少成績が悪くても使わざるを得ないという側面はあるが、投球回もわかりやすい基準となろう。 NCは外国人枠が3あるので外国人の先発登板比率が高くなるのは当然として、ネクセン、ロッテ、SKの外国人投手依存度の高さは注目される。これらの球団はイニング数で見ても30%前後を外国人投手が消化している。ハンファの場合は結果の出ない外国人投手を我慢して起用し続けたことが窺われる。また、KIAはシーズン途中で解雇したアンソニーを抑えで使っていたためイニングはそこまで消化していない。 QS率はNCとロッテが高く、セドンを擁するSKとリズを擁するLGがそれに次ぐ。 LGはジュキッチが活躍できなかったので、チームとしての外国人投手イニング消化は多くないが、リズがひとりで200イニング以上消化している。リズは好投して試合を作り、チームには貢献しているが、成績の割に勝ちに恵まれず、他球団にそこそこ勝利を供給している。ある意味ではリーグを盛り上げてくれるよい外国人だったのかもしれない。3.防御率、失点など最後に防御率や失点に関わる項目を確認する。防御率や失点率はリーグ外国人平均よりも良い場合は薄い赤色、悪い場合は水色で示している。また、外国人投手が防いだ点数(自責点)とRSAAはマイナスを薄い赤色、プラスを水色で示した。外国人投手の防御率はLG、ロッテ、SK、NCの4チームが3点台を記録している。但しLGの場合は韓国人投手の方がさらに良い数字を残している。 RSAAではその4チームに加えサムソンとネクセンもプラスになっている。RSAAはリーグの平均的な投手に比べてどれだけ失点を防いだかを示す指標であり、リーグの平均的投手が投げたと仮定した場合に比べてNCは3投手で約59失点を防いだ計算となる。 KIAやハンファはリーグ平均に比べて外国人投手の成績があまり良くない。だがハンファは先ほどイニング数を確認したときには依存度が低くなかった。それはチーム全体の投手力に問題がある。そこで「外国人が防いだ点数(自責点)」という項目を作ってみた。これは「(チーム韓国人防御率-チーム外国人防御率)×外国人投球回÷9」で計算している。外国人投手の投球イニングをチームの平均的な韓国人投手に置き換えた場合と比べ、外国人投手がどれだけの点数を防いでいるのかを計算したものである。失点率で計算するRSAAとは異なり防御率で計算しており、リーグ平均ではなくチームごとに計算した。また、外国人投手の成績を含まない「チーム韓国人防御率」を利用している点も異なっている。もし本当に外国人投手がいなければ韓国人投手の投球回が増え、イニングを埋める代替投手が必要となることから、実際にはこの数字よりも多くの点数を防いでいるのではないかと思うが、ざっくりとした計算としてこのようにしてみた。すると、外国人投手成績の悪いハンファも大きくプラスになっている。つまりリーグ平均よりも悪い成績であってもハンファとしては使わざるを得なかったのである(無論、高額年俸も理由のひとつだが)。トゥサンはオルソンと彼に代わって獲得したハンキンスがあまりにも期待はずれだったため、この数字でもマイナスになっている。LGはジュキッチのマイナスが大きいが、リズだけで計算すると13.12となり、リズには依存していたことがわかる。SKの場合はレイエスがややマイナスになっているが、セドンでプラスにしている。4.整理先発登板数を見ると、外国人投手に大きく依存しようとしていたのは、NC、ロッテ、ネクセン、SK、ハンファということになる。このうちロッテとNCの外国人投手陣は高いイニング消化能力とQS率を残し、チームの成績を大きく左右する戦力として活躍した。ネクセンは昨年は外国人投手が飛び抜けた成績こそ残していないものの、KBO5年目のナイトと2年目のバンヘッケンがある程度計算できる投手であったことは大きかった。ポストシーズン進出にはなくてはならない戦力であったと言える。 SKは外国人2枠の内、セドンは最多勝を獲得し活躍したが、もう1枠のレイエスは戦力として必ずしもプラスであったとは言い難い。外国人先発登板数がやや少ないものの、LGもSK同様に1枠だけがプラスであった。1枠が全く役に立たなかったとはいえ、防御率3.06で200イニング以上投げたリズの存在は大きかった。ハンファの場合は外国人投手が優秀な成績を残した訳ではなかったが、チーム事情により依存せざるを得ない状態であった。その他のチームは外国人が期待はずれだったと言うべきかもしれない。トゥサンの外国人エースであるニッパートは勝ち星に恵まれ貯金を8作った一方で、怪我で規定イニングに到達しなかった。他の2人は論外。サムソンはバンデンハークが先発陣の一角として密かに役立ったが、ロドリゲスはいまいち、代わりに獲得したカリダが論外であった。 KIAはアンソニーを抑えに起用していたため、他との比較が難しい。但しシーズン途中で解雇していることから、抑えとしてのアンソニーは期待外れ、代わりに獲得したピロウもそこまでではなく、ソーサはチーム事情で使わざるを得なかったという感じであろうか。このチームに関しては外国人投手に依存したかったができなかったと言った方がしっくりくるような気がする。以上をまとめると、外国人依存度は次のようになると考える。○依存度大 NC ロッテ○依存度中ネクセン SK ハンファ LG○依存度小 KIA サムソン トゥサン(LGは「小」に近い「中」)外国人投手依存度を確認したところ、上位に食い込むためには外国人投手依存より韓国人投手の奮起が必要、でも投手力のないチームの場合、外国人すら役に立たないともうお手上げ、という感想を抱いた。 NCは来季から外国人枠が1減るため、イ・ジェハクに続く韓国人エースを育成することが求められる。また昨季、ロッテはユーマンとオクスプリングの両助っ人に頼りすぎであった。チーム上位進出のためには警察野球団から復帰したチャン・ウォンジュンの活躍、そして第5先発の固定が求められよう。後掲表:2013年外国人投手成績一覧(緑色で塗りつぶした選手は2014年も再契約。薄い赤色で塗りつぶした選手は2014年の契約を結ばなかった選手、及び2014年シーズン開幕前に契約を解除した選手)

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