今回は独立リーグ(四国ILplus・BCL・BFL)から厳選して、個人的に気になっている10人の選手を取り上げてみようと思います。投手伊藤翔 右右 18歳 徳島インディゴソックスおそらく、今年の独立市場において最も注目されている選手。千葉の横芝敬愛高から入団しいきなり先発ローテの柱になった高卒ルーキー。最速150キロの直球とスライダー、フォークが冴える。175/75という未完成な体格からもまだまだ伸びしろが感じられる。
1年間投げて奪三振率8.48、四死球率1.92、被安打率8.04、被本塁打率0.44と数字的にも超独立級。ソフトバンク・巨人との三軍戦ではいずれもQSをマーク。今年の高卒投手市場の不足感を考慮すると3~4位で指名されてもおかしくない。高島秀伍 右右 26歳 香川オリーブガイナーズ外野手だったセガサミー時代から一転、中学以来の投手挑戦で23試合94イニングを投げ抜いた。スリークォーター気味のフォームから最速150キロ。140キロ前後でもキレとパワーを備えた球質。リーグ前半戦は49イニングでボーク4個とブランクに苦しんだ様子はあったものの後半戦はゼロ。奪三振率7.37、四死球率4.40という数字に変化球や制球の危うさが表れているものの、被本塁打率0.29は球威の証。原田宥希 右右 23歳 香川オリーブガイナーズ力強い直球を持つサイド右腕。左打者には内外角を広く使えて、直球は高めに浮き上がるような独特の軌道で迫ってくる。先発ながら奪三振率8.61、被本塁打率0.16は115イニングで僅か2被本塁打と球威抜群。貴重な速球派サイドスローは投手陣のアクセントになるはず。沼田拓巳 右右 23歳 石川ミリオンスターズ
JABAから除名処分を受けた男がドラフト適齢期に。ガッチリした体格から150キロ前後を投げるパワー系右腕。今季は114イニングで防御率4.26、四死球率3.95、被安打率9.32、暴投15と相変わらず荒っぽく、ボールも基本的に荒れ球。しかしながら、右打者に効く横に流れるようなスライダーやタテの変化球でカウントを稼げる面もあり、意外にまとまりがある印象。寺田光輝 右右 25歳 石川ミリオンスターズサイドながら直球は140前半を計測し、120キロ台の鋭いスライダーで打者と勝負。リリーフとして35試合に投げ防御率2.41。奪三振率6.80、四死球率3.95、被安打率8.34とパッとしないが、27日のBCL選抜vs巨人三軍戦では1回2K。スライダーと直球のコンビネーションで評価されるか。渡邉雄大 左左 26歳 新潟アルビレックスBC
ベンチ入りすら1試合しか無かった青学大時代から一転、今季新潟では46試合に登板。防御率1.29はリーグトップ。四死球率2.91は少々高めだが奪三振率10.67は立派。左打者にとっては背中からやって来るような球筋でボールがやって来るだけでなく、内角を果敢に攻められるのも強み。さらに直球とスライダーが似たような軌道を描くため、まず左打者は初見では打てない。27日のBCL選抜vs巨人三軍戦では辻東倫を二ゴロ併殺に打ち取った。左サイドという明確な特徴を持っているだけにワンポイントとして即戦力の期待がかかる。内野手纐纈英騎 右左 23歳 新潟アルビレックスBC
選抜チームで4番サードとして出場したリーグを代表するスラッガー。今季は62試合打率.351 (239-84) 9本塁打 55打点 12盗塁三振率.146 (239-35) 四死球率.123 (277-34) という成績。
5月の巨人三軍戦では橋本篤郎から左中間を破る二塁打を、田中大輝(いずれも左腕)から中二塁打を放った。選抜戦でも坂本工宜から右安。三塁守備に関してはライン際の難しい打球を処理したり、遠投でアウトにしたりと特に大きな欠陥は見当たらない。知野直人 右右 18歳 新潟アルビレックスBC
聖光学院高から通信制の高校に移り元々は練習生として入団したが、すっかり三塁・遊撃のレギュラーに。
28試合打率.350 (103-36) 4本塁打 21打点 8盗塁三振率.243 (103-25) 四死球率.108 (129-13) と結果を残し一躍ドラフト戦線に急浮上。三振率の高さや11失策の守備は荒削りなものの、三拍子型の内野手として期待がかかる。選抜戦では3番ショートとして出場。いきなり先頭打者に内野安打を許してしまうものの、それ以外はそつなくこなしていた印象。バットではポテンヒット1本。まずは全体のレベルの底上げに努めてから一軍で勝負。外野手泉祐介 左左 23歳 滋賀ユナイテッドBC
花園大から入団したルーキーながら、71試合打率.316 (294-93) 0本塁打 17打点 27盗塁三振率.065 (294-19) 四死球率.080 (326-26) という成績。
1番センターで出場した5月の巨人三軍戦で橋本篤郎から一安、大竹秀義から左安。打撃と守備の両方に活かせる俊足が最大の武器だが、三振率が低いのもトップバッターとして強み(100打席以上立った野手の中ではリーグ最少)。田中燿飛 右右 21歳 兵庫ブルーサンダーズ
BFL三冠王。
29試合 .412 (97-40) 13本 35打点出塁率.550 長打率.948 三振率.093 (97-9) 四死球率.240 (129-31) は圧巻としか言いようがない。芦屋大に在学中だが95年世代なので大学4年生、今年指名対象なはず(情報が少なく指名対象なのかどうかすら分からない)。打撃成績ベスト10の中で本塁打が多い順に並べると13、4、2、1、1なのでその特異さが分かるはず。
7月にはBFL選抜として巨人三軍と対戦し2打席連続ホームラン。映像でしか見たことが無いが、打席でのスイングはまるで大学生とは思えない。逸材。以上、10選手でした。
BFLをはじめ見れなかった選手も多いですが、今年は選手をある程度網羅出来たシーズンだったと思います。ここに挙げた選手は全体のほんの僅かです。来月のドラフト会議で何人の独立リーガーが指名されるか。注目していきたいです。
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