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Channel: 野球:海外/独立リーグ
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メキシカンリーグレポート2016 カンクン(8月5日)

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 昨日は、南部のシウダー・デル・カルメンの町まで飛んだのだが、あいにくのハリケーン。試合4時間前には晴れていたのだが、その時すでに風は強く、2時間前にはまさに嵐になった。当然のごとく試合は中止。それより道路は軒並み水没し、町を脱出できるかどうか心配なくらいだった。 なんとか夜行バスに乗り、カンクンへ。 この町のチームの名はティグレス。つまりはタイガース。メキシカンリーグの「独裁者」、ホルヘ・パスケルの後を継いでメキシカンリーグの総帥となったアレッホ・ペラルタによって1955年に創設以来12回の優勝を誇る名門だ。メキシカンリーグのチームで唯一の来日経験ももつ。もともと首都メキシコシティに本拠をおいていたのだが、球団スタッフいわく、「政治的な理由」により、2002年にプエブラへ、2007年にはここカンクンに本拠を移している。ここにはかつてランゴステロスというチームがあったのだが、このチームが移転して、メキシコでは珍しく野球人気がサッカー人気と張り合うこの町に何とかしてチームを戻そうというファンの熱意があったのだろう。 チームが移転するとき、ランゴステロスが使っていた旧球場にスタンドを増築して、その名も「エスタディオ・ベト・アビラ」としてリニューアルオープンした。ベト・アビラはメキシコ人で最初にメジャーリーグの首位打者に輝いた選手である。彼はメジャー引退以後、最後のシーズンをティグレスで過ごしたらしい。それに由来して球場の名前も彼にちなんだ。ちなみに、彼の故郷、ベラクルスの球場も「ベト・アビラ」だ。 この日のフィールドにも懐かしい顔があった。 アレックス・リディ。彼の名を知っている日本のファンはほとんどいないだろう。イタリア生まれ最初のメジャー野手として2012年、メジャー公式戦の東京開催の際にマリナーズの一員として参加している。メジャーでは3年、2013年を最後に出場機会をなくし、昨年でロイヤルズとのマイナー契約も終わり、メキシコに新天地を求めたという。「日本でプレーしたいよ」という彼は、ここでは4番を任され23本のホームランをここまで放っている。 ブレット・ハーパー。 2010年から12年まで横浜、楽天でプレーした選手だ。彼もメキシコでは活躍し、この日の対戦相手のオアハカ・ゲレーロスで20本塁打をマークしている。残念ながらこの日は出番がなかった。 この日も例のごとく、試合直前にゲリラ豪雨。シーズンのクライマックスが雨季の盛りと重なるのはこのリーグのなやみだが、現在の野球人気ではドーム球場など夢のまた夢。 試合は、ここまで未勝利のタイガース・エリック・カシージャス、ゲレーロス・エストラダで始まった。 初回、ティグレスはドミニカ人助っ人イェイソン・アセンシオの3ランでティグレスが先制、その後も、3回にロマン・ペーニャの2ランが出て早々と試合を決めた。7回には、このオフにサムライジャパンと対戦する代表チームに参加予定のエステバン・キロスの内野安打を足がかりに1点を追加。投手陣も、3人での完封リレーでゲレーロス打線を寄せ付けなかった。 結局試合は6対0でティグレスの勝利に終わった。

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