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Channel: 野球:海外/独立リーグ
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日本球界にいい前例を作ってくれた藤川球児

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 藤川球児が四国アイランドリーグplusの高知に入団した。 これは、全くの想定外であった。現在、阪神には呉昇桓という不動の守護神がいるだけに、阪神以外の球団に入る可能性はあるかな、と思っていたが、まさか独立リーグに入るとは思わなかった。 どの球団も、リリーフ投手には苦労している。藤川が日本プロ野球の球団に入ることを望めば引く手あまたのはずだから、入らなかったということは自ら決断を下したのだろう。 藤川は、トミー・ジョン手術した右肘がまだ万全ではない。本格的な復活は、来年以降になるだろうという事情はあるものの、日本プロ野球で栄光を極め、さらに大リーグでも投げた投手がまだまだ現役で活躍が見込める状況の中、独立リーグに入団するのは異例である。 藤川は、日本プロ野球で通算220セーブを挙げている。これは、歴代5位の成績だ。 あのまま日本にいれば、すぐに名球会入りの条件となる250セーブを達成していたはずである。 現在でも、順調に肘のリハビリが進んでいるならば、来年には日本プロ野球で守護神としての活躍が充分に期待できる。 しかし、阪神や他球団の誘いを断って、独立リーグを選んだことは、報道では男気と称賛されてはいるが、冷静に見れば、リハビリ期間として無理をしない程度に投げられる場所として選んだと見るべきだろう。 近年、独立リーグには日本プロ野球で一流の活躍をした選手が入団することが多い。元ロッテのフリオ・フランコ、元近鉄・巨人・オリックスのタフィ・ローズ、元ヤクルト・楽天の岩村明憲、元ヤクルト・巨人・DeNAのアレックス・ラミレス、元ヤクルトの高津臣吾など。 タフィ・ローズは、日本プロ野球で464本塁打を放っており、外国人選手の中で最が多い歴代最高のスラッガーである。高津臣吾も、歴代2位のセーブ数を稼ぎ出している。ラミレスも、外国人として初の通算2000本安打を達成して名球会入りを果たした最優良外国人選手だ。 彼らは、野球をやりたいという希望と、地域を盛り上げたいという熱意と、将来ある若手に自らの技術を伝えていきたいという情熱がこもっているように思う。 もちろん、藤川も、そういった想いを内包してはいるものの、それに加えて来季には日本プロ野球、もしくは大リーグでプレーすることを念頭に置いているはずである。 動機がどうあれ、独立リーグに日本プロ野球で活躍した一流選手がまだ活躍できる状態のまま入団することは、独立リーグの底上げにも、人気獲得にもつながる。黒田の日本プロ野球復帰とはまた違ったやり方だが、野球界への貢献としていい前例を作ってくれた。 日本プロ野球で実績を残した選手は、全国にファンを持っており、卓越した技術は一見の価値もある。現状の独立リーグは、観客動員に苦労している球団が多く、新しい球団ができてもなかなか長続きせず、安定した経営が困難である。 日本プロ野球で活躍した選手の受け皿となることで、元スター選手と若手選手が一緒にプレーして、そこから野球人気の上昇と有望選手を誕生させる手段として、有効活用していってほしいものである。

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