Quantcast
Channel: 野球:海外/独立リーグ
Viewing all articles
Browse latest Browse all 1963

ヨーロッパ野球を探る1―矢島正徳が語るオランダ野球―

$
0
0
いよいよ、来週から、史上初の試みとなる日欧野球、Global Baseball Match2015が始まる。すでにヨーロッパ選抜チームは来日し、来る2連戦に向けての準備を始めている。しかし、日本の野球ファンにとって、ヨーロッパの野球がいまひとつ、ピンと来ないのも事実だ。そこで、これから、ヨーロッパ野球にゆかりのある人物にヨーロッパの現実を語ってもらう。まずは、今回のチームの主力をなすオランダの野球について、先月、サムライベアーズの連載でも紹介した矢島正徳氏に語ってもらった。オランダリーグ・スパルタ・フェイエノールトで2004年にプレーした矢島正徳さんに話を聞いた。日本のプロ野球(NPB)へは進むことは叶わなかったが、大学時代はドラフト候補と騒がれ、アメリカ独立リーグや台湾でもプレーした経験をもっている。 開口一番、「相手になると思いますよ」との返事。しかし、「但し」が後に続いた。「今回の欧州選抜は、アメリカでプレーしている選手も招集されるんですかね。でなければちょっと厳しいとは思いますが。最近のヨーロッパの情報を僕はもってないので、なんとも言えませんが、オランダには、マイナーリーグ上がりの選手もいますし、レベルは上がってるんだと思いますのでやれると思います」矢島さんがその根拠として挙げたのは、2004年のアテネオリンピックだ。「あの時の日本対オランダも、途中までいい試合でしたよね。僕の印象では、何だかオランダに対してのジャッジが厳しかったですね。確か福留(現阪神)選手だったと思いますが、完全に三振だと思ったのが、スウィングとられなかったんですよね。それで完全に途中で流れが悪くなってオランダが負けました」 この試合の先発はディエゴ・マークウェル。オランダ時代の矢島さんのルームメイトだったという。「だから、あのオリンピックは集中して観てました。よく憶えてます。一緒にやってた時から、きっと彼なら日本のプロでもいけるんだろうなって思ってましたよ。 マークウェルは、キュラソー島生まれ、バレンティンやジョーンズと同じ、カリブ組だ。1997年にブルージェイズと契約してマイナーで37勝41敗の成績を残している。2007年には台湾の誠泰コブラズでもプレーしたが、ここでは3試合で防御率14.40とふるわず、シーズン早々に解雇されている。 オランダリーグでは、名門のネプチューンズでプレー、35歳になる今もなお現役でいるようだ。 国際大会の常連でもあり、アテネ五輪の他、3度のWBCにも主戦投手として参加、前回は東京で行われた第2ラウンドの初戦でキューバ相手に先発、6回をデスパイネ(現千葉ロッテ)のソロホームラン1本に抑え、オランダ得意の「大物食い」の立役者になっている。ちなみに、矢島さんは現在も職場の軟式チームでプレーしている。単なる草野球という以上のレベルで、昨年は甲子園で開催された全国大会にも進出している。今なお、投げる試合は「だいたいが惜しくもノーヒットノーランを逃したって感じ」という彼に、オランダリーグに復帰できると思うかと尋ねると、「自分が思っているほど甘くはないとは思うんですが」と笑いながらも、こう返ってきた。「いけると思います。まあ、そのチームの戦力にもよると思いますがね。本格的に2ヵ月くらいトレーニングすれば大丈夫でしょう」ちなみに矢島さんは、野村監督時代のシダックスにも在籍していた。この頃のシダックスは、2年連続で都市対抗に出場、プロの2軍顔負けの実力を誇っていたという。その頃のチームとオランダリーグを比べてもらうと、「あの時のシダックスだったら完全にぶっちぎりで優勝だと思います」という自信に満ちた答えが返ってきた。

Viewing all articles
Browse latest Browse all 1963

Trending Articles