「パナマ運河」で日本人には知られているこの国だが、WBCでも大穴と目されているように、ラテンアメリカでは強豪国の部類に入る。プロリーグの始まったのは1946年。当初はアメリカと時期を同じくするサマーリーグとして活動したが、1948年に北米マイナーリーグの連合体であるナショナル・アソシエーションに加入後は、MLBの育成組織の一つとしてウィンターリーグに変更となった。しかしこの関係も1959-60年シーズンを最後に解消。リーグじたいは1972年まで続いたが、詳細は分かっていない。 パナマにプロリーグが復活したのは2001-02年シーズン。現在の運営組織「プロベイス」により、首都パナマで4チームがダブルヘッダーで試合をこなすというかたちで復活したのだが、資金難からシーズン終了を待たず、活動停止に追い込まれる。 2009-10年シーズンには、別の企業家によりプロリーグ、「リガ・プロフェシオナル・デ・ベイスボル」が立ち上げられたが、これも負債を抱え、破たん。しかし、2011年冬に「プロベイス」によるリーグが再興され、現在に至っている。この再興のシーズンには、初めての日本人選手としてクリーブランド・インディアンズのマイナー選手、村田透が参加し、ロネロス・デ・チリキの優勝に貢献している。 しかし、マーケットの狭いこの国にあってプロ野球興業は困難を極めるようだ。財政難は相変わらずのようで、昨年からゲーム数が大幅に減ってしまっている。復活の2011年シーズンは各チーム34試合(実際にはキャンセルされた試合もあり、この試合数をこなしたのは1チームだけ)を12月までにこなしていたが、年をまたいで実施された12-13年シーズンは、24試合に。そして今シーズンは、年明けに開幕し、レギュラーシーズンはたったの15試合しかなかった。 この「短期決戦」を制したのは、昨シーズンのチャンピオン、カバジェロス・デ・コクレ。なんと13勝2敗で勝率は驚異の0.867という成績でレギュラーシーズンを制した。 ところがファイナルシリーズでは、勝率0.643で2位のインディオス・デ・ウラカに連敗を喫し、チャンピオンフラッグをつかみそこねた。 従来不定期に開催されていたコロンビアとニカラグアのチャンピオンによる対抗戦が一昨年からラテンアメリカシリーズとしてパナマ、メキシコを加えた4カ国体制になった。このシリーズの継続には、欠かせない。是非とも国内リーグも活性化してほしいものだ。パナマリーグ2014試勝敗勝率カバジェロス・デ・コクレ 15 13 2 0.867 インディオス・デ・ウラカ 14 9 5 0.643 インダストリアレス・デ・エレーラ 14 5 9 0.357 ロネロス・デ・チリキ 15 2 13 0.133
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