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【韓国野球】2013年ゴールデングラブ賞候補者の成績(バッテリー編)

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KBO(韓国野球委員会)のゴールデングラブ賞(以下、GG)授賞式まであと約1週間となりました。GGは事実上のベストナインです。ここで、候補者の成績をポジション別に見ていきましょう。第一弾はバッテリー編です。投手に関しては以前のエントリーで概要を述べましたので、後ほど触れることとして、先に捕手のデータを取り上げます。他のポジションの候補者一覧はこちらをご参照下さい。まずは主な捕手(便宜上100打数以上とする)の成績を並べてみます。GG受賞のためには、まず一定の条件を満たして受賞候補に残る必要があります。捕手の基準は「捕手として85試合以上出場」かつ「打率.230以上」です。それにタイトル獲得者も候補に加わりますが、捕手にはいません。ほとんどのチームが捕手を固定することができなかったため、基準を満たす選手はあまりいません。チャ・イルモク(KIA)とチョン・ボムモ(ハンファ)は一見すると条件を満たしていそうですが、代打で出場して守備につかなかった試合やDHで出場した試合があったため、「捕手として85試合以上出場」という条件を満たすことができませんでした。反対にサムソンは試合の後半で捕手を変えることが多い(代打で出場して守備に入る場合、守備交代で試合に出場する場合、ごく希に代走で出場して守備に入る場合がある)ので、候補者を2名出しています。条件を満たしたのは以下の4名です。打率ではチン・ガビョン>ヤン・イジ>カン・ミノ>イ・ジヨンですが、このうち、規定打席到達者はカン・ミノ(ロッテ)だけです。打席数2位のヤン・イジ(斗山/「ヤン・ウィジ」とも表記されます)は30打席程足りませんでした。守備に関する成績を並べて見ましょう。サムソンの捕手2人の盗塁阻止率が悲惨なことになっています。盗塁阻止率はカン・ミノが抜けています。投手力との兼ね合いがあるので、リードとの因果関係は不明ですが、チーム防御率は優秀な順にロッテ、サムソン、トゥサンとなっています。最後に出塁率等と状況別打撃成績を見てみましょう。チン・ガビョン(サムソン)は得点圏打率の高さが目を引きます。カン・ミノは打率こそ低いものの出塁率が高いため、OPSベースではチン・ガビョンと大差はありません。イ・ジヨン(サムソン)は打撃面では他の選手に大きく後れを取っています。 4人のうちカン・ミノはチームが5位に低迷したため唯一ポストシーズンに出場できませんでした。ヤン・イジは9月以降のリーグ戦、及びポストシーズンでの成績が散々でした。以上、ざっと確認しましたが、今年は積極的に選ぶことのできるようなよい成績を残した選手がいません。消去法でいくと唯一規定打席に到達して、盗塁阻止率で好成績を残したカン・ミノしか残りません。ヤン・イジは規定打席に到達していないといっても、それなりに多く打席に立っているので、いくらか票を獲得できるかもしれませんが、これまでの実績がカン・ミノに及ばないため、この成績では厳しいと見られます。GG捕手部門はカン・ミノが受賞する可能性が最も高いでしょう。ただ、カン・ミノは以前に3度GGを受賞しており、その時に比べると物足りない成績であることは否めません。チン・ガビョンを除く3選手は20代なので、まだまだこれからに期待が持てます。特にカン・ミノは今オフにFAになり、ロッテジャイアンツと契約金35億ウォン、年俸10億ウォンの4年契約(4年総額75億ウォン)という大型の再契約を交わしたばかりです。期待が持てる、というよりも、球団やファンの期待に応えてもらわなければならない、という状況です。来季はカン・ミノの再起、そしてカン・ミノの受賞を脅かす捕手の登場を楽しみにしましょう。投手に関しては以前のエントリーで触れましたが、おそらく受賞はないであろうと踏んだリュ・ジェグク(LG/最高勝率)とハン・ヒョニ(ネクセン/ホールド数1位)を表から除外していました。そこで以下に、その2人を加えた表を掲げます。リュ・ジェグクは10勝以上の選手の中で最高勝率ですが、規定投球回に達しておらず、防御率もそこまでよくありません。ハン・ヒョニはホールド王を受賞していますが、ランナーを残して降板しセーブ機会をつくるなど、同じチームのソン・スンナクのセーブ王獲得を結果的にアシストをしてしまった印象です。GG投手部門の基準は「防御率3.00以下」かつ「14勝以上または40セーブ以上」なので、先発投手ではセッドン(SK)、救援投手ではソン・スンナク(ネクセン)が条件を満たします。その他5名はタイトル獲得者という資格で候補入りしています。しかし、セッドンは勝ち数14や防御率2.98がやや物足りないと言われています。去年GG候補入りしながら受賞できなかったナイトが16勝、防御率2.20で受賞できなかったのが大きく影響しているようです。ソン・スンナクは歴代2位の46セーブを挙げていますが、GGを一度も受賞していないオ・スンファンの9年間通算防御率が1.69というのを考慮すると、2.30という防御率はクローザーとして少し物足りません。一方で8回途中に中継ぎ投手がランナーを残した状態から登板してイニング跨ぎをしていることは数字以上に評価されるかもしれません。現在の所、韓国メディアはソン・スンナクの防御率を特に問題視はしていないので、最有力候補はソン・スンナク、それを追うのがセッドン、チャーリーの外国勢、そして大穴は優勝補正がかかったペ・ヨンスでしょうか。去年ナイトが受賞を逃したときは、所属チームのネクセンがプレーオフに進めなかったことがマイナス要因になったと言われています(というよりも、ナイトが受賞できなかったことを正当化するにはその理由しかなかった)が、今年はそれがどのように影響するかという点にも注意を払う必要があります。チームが下位に沈んだセッドンとチャーリーはポストシーズンで登板できませんでした。もっとも、ペ・ヨンスは韓国シリーズでも打たれて炎上未遂(炎上前に降板)しています。ソン・スンナクは準プレーオフ最終戦で延長を含む4イニングを無失点という熱投を披露(チームは敗戦)した一方で、1戦目はセーブ失敗(チームは勝利)し、2戦目は自身の悪送球で9回に勝ち越しを許した(またしてもチームは勝利)ので、必ずしもプラスの評価ばかりはできません。外国人投手のGG受賞はハードルが高くなってしまうので、ここも消去法的にソン・スンナクが受賞することが濃厚ですが、来季は難攻不落のクローザーになり、日本移籍したオ・スンファンの代わりに韓国球界を盛り上げてくれることを期待しましょう。

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