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Channel: 野球:海外/独立リーグ
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フロリダ野球紀行1 レイクランド(8月13日)

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メキシコからフロリダに渡る。フロリダには、メジャー2球団のほか、シングルA級のフロリダステートリーグとルーキー級のガルフコーストリーグがある。これらはともにメジャーのキャンプ施設を利用して行われている。(タイガースがスプリングトレーニングで使用するメイン球場)(タイガースのキャンプ施設は寮も完備している)ガルフコーストの方は、キャンプ地の練習場を利用してリーグ戦を行う。もう完全に育成のためのリーグだ。だから基本的に観客を呼ぶことは想定していない。ふた昔前の日本のファームと同じような感じだと思ってもらえればいい。ただし、その使っている施設は当時の日本の河川敷のグラウンドとは雲泥の差だが。試合興行をしないので、基本的にユニフォームはメジャーの親球団と同じだ。とはいうものの、地元の野球好きが外野のフェンス越しに観戦している。この日、その観客の近くにホームランを打った選手がいた。球団スタッフが気を利かして、そのボールを拾った観客からボールを譲ってもらい、その選手に渡したが、彼は「これから何本も打つよ」と言わんばかりにそのボールをスタッフに返していた。ベンチはスペイン語のオンパレード。現在では、チームのメンバーの半分くらいがラテンアメリカ諸国からの選手というのは当たり前。ラテン系だけではなく、世界中からスカウトされてきた若い選手が、まずはこのリーグでプロとしての第一歩をしるす。(この日対戦相手のパイレーツのリリーフとして出てきたビンス・デイゼルは南アフリカ出身だ)メジャーリーグ球団に所属する全選手が曲がりなりにも全員集まるのは、キャンプの時だけ。この時だけは、皆ユニフォームは一緒だ。この時点で、選手は各レベルに分かれてオープン戦をこなすのだが、4月になって所属チームが決まれば、選手たちは全米各地に飛び、各々の所属チームのユニフォームに着替える。4月の開幕時点で所属が決まらなかった選手はドラフトを待ち、彼らが入団してくる6月を待ってメンバーが揃ったところでリーグ戦を始める。ルーキクラスのチームは興行をしないので、このクラスだけが親球団と同じユニフォームでシーズンを過ごす。(このグランウンドにはファンの観戦のための施設は全くない。あるのはスカウティングのための施設だけだ)レベル的には高校野球の全国レベルというところだろう。ネット裏で観戦していてもピッチャーのストレートは130キロ前後、さすがに抑えに出てきた投手だけは145キロを出していたが。その上、コントロールが総じて悪く、キャッチャーの捕球も拙いものだから1イニングに2,3球はネットにボールが転がってくる。バッターも総じて線が細く、パワー不足は否めない。しかし、この中から確実に数人はメジャーに昇格するのだから、アメリカプロ野球の裾野の広さを感じずにはおれない。 ルーキー級の試合の後、シングルAの試合に移動。例年は、この場所にあるメイン球場で試合を行なっているが、今シーズンはスタンドの拡張工事中で、近所の学生用の球場を間借りしていた。またこれが、クラシックな感じで良かった。 シングルAは、さらに4段階にランク分けされ、このフロリダステートリーグは最高のアドバンスAとされる。さすがにガルフコーストの試合の後に観ると、選手の体から、投球、打球の速さがまったく違っていた。(ダメ押しのホームランを打ったカイル・マーティン) 守備でも、対戦相手のクリアウォーター(フィリーズ傘下)のライト、ヘリス・ロドリゲスがダイビングキャッチを連発。観客を沸かせていた。 といってもこの日の観衆は196人。交通の便の悪い球場の多いこのリーグ(このレイクランドは珍しく町の中心近くに球場があるが)の観客はいつもこんなものだ。来年もキャンプ場のメイン球場を使わずに、このこじんまりした球場の方がいいのではと思うくらいだった。(ホームチーム、フライングタイガースのリリーフとして出てきたジョーロジャース)

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