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KBOリーグ 2016年前半戦チーム別評価(下)

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 KBOリーグは7月14日をもってオールスター前の前半戦が終わりました。144試合制で戦うシーズンの内、半分を超える80試合程度を消化してます。そこで球団別にここまでの戦い方を確認していきたいと思います。 その前に前半戦のチーム成績を確認すると下の表のようになります。 これを参考にして主観的な評価をA~Eの5段階ですると次のようになります(外国人は交代前に重点を置き評価)。 「先発投手」「救援投手」は防御率だけでなく投球回やリリーフ投手が登板する場面も考慮しています。「打撃(出塁)」は出塁率を参考にし、「打撃(長打)」は本塁打よりも長打率に重点を置いています。また「盗塁」は盗塁数に重点を置きつつも盗塁成功率も加味しています。 それでは球団別に前半戦を総括していきます。今回は下位5球団を扱います。「後半戦予想ローテ」の並び順は果たす役割の重さ順でありローテ順ではありません。「前半戦活躍選手」と「後半戦キープレイヤー」はある程度ポジションのバランスを考慮しながら主観で選びました。上位5球団は前回記事をご参照下さい。 KIA(昨年7位→暫定6位)前半戦活躍選手:ヘクター(先投)、ヤン・ヒョンジョン(先投)、イ・ボモ(三)躍進した選手:ソ・ドンウク(二)キム・ホリョン(中) キム・ギテ監督の下で野手のリビルディングが図られているKIAであるが、今年は30代の野手が例年に比べ元気である。今年のオフにFAを迎えるナ・ジワンは昨年の不振から一転し、4割台後半の出塁率を記録するなど存在感を見せている。オフにFAで再契約したイ・ボモは中軸として恥ずかしくない成績を残しており、毎年負傷離脱が目立つキム・ジュチャンも今年はここまで健康にシーズンを送っている。加えてトレードでネクセンから加入し古巣復帰となったソ・ドンウクが二塁手レギュラーを掴みキャリアハイのペースで結果を出している。外野ではノ・スグァンやオ・ジュニョクら比較的若い選手が起用されることもあるが、その中で最も結果を残しているのが中堅手キム・ホリョンである。課題の打撃に向上が見られ1番や2番の打順を任されている。遊撃手は守備の限界もあって開幕当初のキム・ジュヒョンではなくカン・ハヌルが守るようになった。カン・ハヌルは守備のセンスは悪くないので、打撃でもうひと成長遂げたい。捕手ではペク・ヨンファン、イ・ホングともに全般的な守備力の向上が課題である。 投手陣ではヘクター、ヤン・ヒョンジョン、ジークというローテーション3人目までは総合するとリーグで上位クラスである。ヤン・ヒョンジョンは勝ち星に恵まれていないが、好投を続ければそのうち報われよう。一方でユン・ソンミンが離脱してローテーション4番手以降に苦しんでいる。先発に移ったホン・ゴニが期待に応えたい。 打線と先発投手のバランスは比較的取れているので、上位を目指す際に状態を上げなければならないのは救援投手であろう。クローザーを固定できていない中で7月に入り今年加入のイム・チャンヨンの出場停止が解けたが、ここまでは不安定である。キム・グァンス、チェ・ヨンピルらベテラン勢だけでなく負傷で出遅れたハン・スンヒョクや貴重な救援左腕シム・ドンソプにも奮起が求められる。また2軍落ちしているユン・ソンミンが1軍復帰する際に先発とリリーフどちらを任せるのかも鍵を握る。 後半は熾烈なポストシーズン進出争いで頭ひとつ抜けることを目指すとともに、9月のエントリー拡張以降はファン・デインら高卒1~3年目の若手有望株もどんどんと試していきたい。後半戦キープレイヤー:ホン・ゴニ(先投)、ハン・スンヒョク(救投)後半戦予想先発ローテ:ヘクターヤン・ヒョンジョンジークホン・ゴニイムギジュンorイム・ジュニョクorキム・ユンドン※先発5番手は固定できない可能性ありハンファ(昨年6位→暫定7位)前半戦活躍選手:クォン・ヒョク(救投)、ロサリオ(指/一)、ソン・グァンミン(三)躍進した選手:チャン・ミンジェ(投)ハ・ジュソク(遊) FAのチョン・ウラム獲得、外国人投手ロジャースの残留、新外国人野手ロサリオの獲得など、近年同様に大型投資をして臨んだ今季は上位進出が期待されていた。しかし長らく低迷し、7月になってようやく最下位脱出、前半戦最終戦に勝利し7位での折り返しとなった。 打線では規定打席に到達している5人の成績は良好であるがそれ以外の選手はそれほど数字を残せておらず、総合力に欠ける印象を受ける。上位打線のチョン・グヌとイ・ヨンギュは期待通りの働きをしており、ロサリオは次第に長打が増加、またソン・グァンミンはキャリアハイのペースで活躍し3番打者など中軸として定着した。但し起用選手の平均年齢が高く、中堅手や二塁手などを除くポジションでは守備の問題が大きい。捕手もチャ・イルモクが奮闘してはいるが、ベテランのチョ・インソンには攻守ともに衰えが目立ってきた。若手では荒削りながら遊撃手ハ・ジュソクが6本塁打を放つ活躍を見せたが負傷離脱、外野ではヤン・ソンウが印象的な姿を見せたがまだ物足りなさが残る。ベテラン野手が多いチーム構成上、ハ・ジュソクの復帰や他の若手の躍進で夏場を乗り切りたい。 投手はQS率最下位の先発投手陣の不甲斐なさが目立った。故障したロジャースが退団となったのも大きな誤算であろう。アン・ヨンミョンやペ・ヨンスも負傷などの事情で1軍戦力になれなかった。加えてキム・ソングン監督はピンチを招いた先発投手を早期降板させるため、リリーフ投手の負担が大きくなった。途中入団にしては多い年俸、あるいは移籍金を払ってまで既存の外国人投手の代替として獲得した新外国人投手2人、特にサーキャンプに後半戦活躍の期待がかかる。一旦はカスティーヨ、サーキャンプ、ソン・ウンボム、ユン・ギュジン、イ・テヤンでローテーションを回すことになるだろうか。 先発投手不振の影響を受けたリリーフ陣はここまで先発投手の311.1イニングを大きく上回る418イニングを投げている。このうち特にクォン・ヒョクはチーム81試合のうち50試合にリリーフ登板しチーム2位の75イニングを消化し、2年連続の酷使にもかかわらずここまで奇跡的に3点台の防御率(3.84)を記録している。ソン・チャンシクやパク・チョンジンも何とか離脱せずに前半戦を乗り切った。この他、6試合先発登板もあるチャン・ミンジェも先発投手の早期降板時に後を受け継ぎ登板するケースが目立っている。またクローザーのチョン・ウラムも複数イニングを任されるケースが多い。いくら彼ら鉄腕軍団といえども人間なので夏場に疲れは来る可能性が高い。ポストシーズン進出には両外国人投手の大車輪の活躍(=狭い登板間隔での多投。酷使とも言う)が必須となろう。後半戦キープレイヤー:サーキャンプ(先投)、ハ・ジュソク(遊)後半戦予想先発ローテ:サーキャンプカスティーヨソン・ウンボムユン・ギュジンイ・テヤン※アン・ヨンミョンが復帰すれば変動の可能性あり LG(昨年9位→暫定8位)前半戦活躍選手:ヒメネス(三)、チェ・ウンソン(右/左/中)、ソーサ(先投)躍進した選手:チェ・ウンソン(外)ヒメネス(三) 昨年9位に終わりリビルディングという言葉と一緒に語られることが多かったLGは、若手起用をしながら中位につけている時期があったものの、経験不足もあって勢いを続けるのは難しく順位を落としつつある。ただし5位とのゲーム差は離れておらずポストシーズン進出は十分に可能な位置である。 開幕から一部ポジションで1軍経験の浅い選手の起用が行われたが、同時に複数ポジションで若返りを図る難しさに直面した。内野では攻守両面で負傷のオ・ジファンの穴の大きさを感じる結果となり、オ・ジファンのやや無理のある早期1軍投入へと繋がった。外野では守備位置を固定しない起用が守備の連携不足を招いた。一方で外野手登録となって2年目のチェ・ウンソンが活躍し中軸に定着したのは収穫であろう。しかし守るところのないイ・ビョンギュ(9番)はともかくとしても、1番打者としてチームを引っ張るパク・ヨンテクや安定した捕球で内野守備を引き締める一塁手チョン・ソンフンといったベテランの力にまだ頼らなくてはならないだろう。シーズン序盤に大爆発し去年からアップグレードされた外国人打者ヒメネスにも一層の活躍が求められる。若手・中堅の選手では怪我から復帰後に不振で2軍落ちまで経験したオ・ジファンも攻守両面で実力を発揮できるよう復調が望まれる。外野手ではイ・チョヌンの躍進に期待したい。 投手では勝ち星に恵まれず若干物足りなさはあるがソーサが中4日登板も厭わずイニング消化をしている一方、もう1人の外国人投手コープランドは成績が上がらず放出、そしてウ・ギュミンが不振に陥っている。チームの浮上はウ・ギュミンの復調と新外国人ハフの活躍如何にかかっている。また中4日登板の多いソーサの負担軽減のためにも先発5番手も重要になる。開幕ローテーションであったイ・ジュニョン、あるいは7月に先発登板を果たしたユ・ギョングクあたりが競っていきたい。 救援陣ではヤン・サンムン監督がクローザーとして期待をかけるイム・ジョンウの不安定さが目立った。現時点でクローザーは荷が重かったというのもあるが、イニング跨ぎが多かったことも原因ではある。タフではあるのでそれを活かした配置転換も本来であればひとつの手ではあろう。とはいえその場合クローザー適任者を探すのも難しい。一旦はシン・スンヒョンやキム・ジヨンらが頑張り、イ・ドンヒョンが復調することで救援陣全体の安定化を図りたい。 チームの世代交代とポストシーズン進出をともに視野に入れた戦いになるが、そのどちらをも得ることができるか見守りたい。また今年は機動力野球を指向しているが、ここまでは盗塁数こそ多いものの成功率が低く未完成の状態にある。機動力野球の方針は変えず改善を試みるのか、それとも多少方向修正を図るのかという部分も注目される。後半戦キープレイヤー:ウ・ギュミン(投)、オ・ジファン(遊)後半戦予想先発ローテ:ソーサハフウ・ギュミンリュ・ジェグクユ・ギョングクorイ・ジュニョン※先発5番手は固定できない可能性ありサムソン(昨年2位(ペナント1位)→暫定9位)前半戦活躍選手:チェ・ヒョンウ(左)、シム・チャンミン(救投)、ユン・ソンファン(先投)躍進した選手:ペク・サンウォン(二)キム・ギテ(先投) 昨年のペナントの覇者サムソンは5位とのゲーム差はそこまで開いていないものの9位と低迷し、最下位ktとも0.5ゲーム差しか離れていない。外国人が揃って不振だったことも順位に影響しているが、ここ数年間主力戦力が比較的安定していたため、チーム全体で見ると世代交代が遅れている印象を受ける。 打線では今年オフにFA資格取得予定の4番チェ・ヒョンウが持ち前の長打力に加え前半戦を首位打者で折り返すなどチーム内で圧倒的な貢献を見せている。昨年の新人王ク・ジャウクも高アベレージをマークしているが、腰痛で離脱した期間が長く、オールスター直前にようやく1軍復帰という状態である。主力内野手の移籍に加えて新外国人野手バルディリスの不振や怪我人の続出など問題を抱え、打線は昨年より見劣りするが、かろうじて「平均やや下」くらいは維持している。一時期怪我で離脱したが、穴の空いた二塁手に関してもペク・サンウォンが健闘している。 打線以上に深刻なのは投手陣である。チーム防御率はリーグワーストであり、特に救援防御率が悪い。自チームの本塁打に対して被本塁打が多く、新球場の恩恵すら得られていない。外国人投手が全く戦力になっておらず、さらにチャン・ウォンサムも不振でローテーションを守れていない中で、先発としてキム・ギテが期待値よりは奮闘しチョン・イヌクも徐々に尚武入隊前の姿を取り戻しつつあるが、彼らではイニングを消化することができず、リリーフ陣、そして実績のあるユン・ソンファンと一時期故障で離脱していたチャ・ウチャンの両先発に負担がかかっている。リリーフではアン・ジマンの不振が大きい。さらに例年より先発投手のイニング消化能力が低いため、以前より薄くなったリリーフの選手層が浮き彫りになっている。しかしクローザーの大役を果たすこととなったシム・チャンミンに以前の球威が戻って来ているのは好材料である。チーム事情でイニング跨ぎが多くなっており万全の状態で起用できていないため、彼の負担を減らせるよう他の投手も挽回したい。アン・ジマンの復調も重要だが、チャン・ピルチュンらももう少し頑張らなければならない。 後半戦はこれまで活躍できていない外国人と怪我で離脱の目立ったク・ジャウクの巻き返しにかかっている。バルディリスは6月30日の1軍復帰以降は好調であり、状態を維持して5番打者の役割を果たしたい。またウェブスターの代替で入団したフランデも後半戦から登場する予定である。後半戦キープレイヤー:フランデ(先投)、チャン・ピルチュン(救投)後半戦予想先発ローテ:ユン・ソンファンチャ・ウチャンフランデ他2人(チョン・イヌクキム・ギテチャン・ウォンサムレオン(故障から復帰の場合)のうち2人)※先発4番手以降は曖昧 kt(昨年10位→暫定10位)前半戦活躍選手:チュ・グォン(先投)、キム・ジェユン(救投)、パク・キョンス(二)躍進した選手:チョン・ミンス(外)シム・ジェミン(救投) 2次ドラフトでイ・ジニョン、FAでユ・ハンジュンを獲得し、オフには打線の強化を図った。さらにマルテ以外の外国人を入れ替え、外国人先発投手を3人確保した。しかし2年連続で前半戦を最下位で折り返すこととなった。 打線ではベテラン野手が多いため体力やコンディション面が心配されたが、懸念通り主力の離脱でベストメンバーを組めない時期が長かった。開幕直後好調だった打線はすぐに長打力不足に陥り、さらに主力選手復帰後もチーム長打率は10球団で唯一4割を切っている。ここまで規定打席到達者は3人しかいない。それでも主将で二塁手のパク・キョンスが昨年に続き長打力を発揮しているのが好材料ではある。主力離脱中にアピールに成功した外野手チョン・ミンスなど個々では頑張っている選手も多いが、チーム成績で見ると攻撃面でリーグ平均を上回っているのは盗塁のみである。さらにレギュラーで走れるのはイ・デヒョンだけであり、他は怪我から復帰したばかりのキム・サヨンとサブの若手くらいである。また守備ではオ・ジョンボクら外野陣が特にミスを連発している。復帰したキム・サヨンを中堅手にすることにより両翼の守備も安定すると考えられるので後半戦には改善されることを期待したい。 ktは開幕時にマリモン、ピノ、バンワート、チョン・デヒョン、チョン・ソンゴン、オム・サンベクの6人ローテーションを試みたが、外国人の負傷や不振もあってバンワート以外はローテーションを守ることができなかった。一方でオム・サンベクらと同じ高卒2年目のチュ・グォンがローテーションに合流しまだ不安定ではあるものの期待以上の活躍、またクローザーのチャン・シファンが先発転向となった。後半戦にはマリモンの代替で入団したローウィもローテーションに加わる。ピノもこの状態では他の外国人と交換となる可能性が高い。 当初の構想が崩れ外国人投手を3人擁しながらもほとんど機能しなかった先発陣を補ったのはリリーフ陣である。敗戦処理で使える投手層があまりにも薄いため救援防御率こそリーグ平均より少し良いくらいにとどまっているが、ピンチで登板する投手が踏ん張り、1点差ゲームの勝率はリーグトップクラスである。クローザーとしてキム・ジェユンが定着し、若手左腕シム・ジェミンも6月に大躍進を遂げた。一方でシーズン序盤好成績だったコ・ヨンピョは登板過多により成績を落としていきついには負傷離脱、昨年活躍したチョ・ムグンも腕の角度が変わり不振に悩まされている。個々の実力はあるが選手層の問題でピンチの場面で登板し次のイニングも続投というケースが多く、現在活躍している投手にも心身共に疲労が溜まっていくことが懸念される。 最近キム・サンヒョンが不祥事で任意脱退となりチームの雰囲気にも悪影響を与えかねない事態となっているが、仕切り直しの後半戦で流れを変えたい。新加入ローウィを含めた先発陣の巻き返しと打線援護の増加が求められる。打線ではマルテら中軸に徐々に当たりが戻って来ており、出場停止と裁判で離脱していた捕手チャン・ソンウの合流も期待される。若い先発投手チュ・グォンとここまで頑張ってきたリリーフ陣の負担を軽減し5位以上を目指したい。後半戦キープレイヤー:キム・サヨン(中/右)、ローウィ(先投)後半戦予想先発ローテ:ローウィチュ・グォンチャン・シファン他2人(チョン・デヒョンピノチョン・ソンゴンピノの代替外国人(フロントが動いた場合)あたりのうち2人)※先発4番手以降は曖昧 (上)・(下)の2回に渡って整理した前半戦総括は以上です。贔屓球団のファンの方が見るとおかしな点もあるかもしれませんが、一個人の感想として軽く流して下さい。

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