Quantcast
Channel: 野球:海外/独立リーグ
Viewing all articles
Browse latest Browse all 1963

インドネシア代表監督、野中寿人さんにお話を伺いました2016

$
0
0
今年の10月にインドネシア代表選手が高知ファイティングドッグスの練習に参加するという噂を聞いたので、そのことについて尋ねるついでと言っては何ですが、色々思い浮かんだことを久しぶりにインドネシア代表監督である野中寿人さんに聞いてみました。このブログに、野中監督にご登場いただいてから(※インドネシア代表監督、野中寿人さんにお話を伺いました①)もう6年も経つのですね。時の流れとは早いものです。野中監督は一度インドネシア代表監督を退任されており、一昨年から再登板。6年前にお話を伺ったときは一度目の監督をやられていたわけですからそのことからも時の流れを感じさせられます。野中監督やインドネシア代表についてそこまでご存知でない方もいらっしゃると思うので、私が2年前に書いたインドネシア代表について紹介したものをちょっとここで引用したいと思います(ここから引用)邦人を中心として普及し、90年代後半あたりから国際大会でも見られるようになる。早い段階でアジアのBランクにまで登りつめ、03年に札幌ドームで行われたアジア選手権ではフィリピンを倒したという実績も。インドネシア野球の大きな転換期となったのは07年。バリを拠点に野球を教えていた野中寿人監督が代表監督に就任。日大三高時代は甲子園にも出場した実績を持つ野中監督の情熱的な指導により、この時期のインドネシア代表は最盛期を迎える。特に09年はパキスタンを下してアジアカップ初優勝。同年7月には成田で行われたアジア選手権にも出場。アジア選手権では長野久義らを擁する日本代表とも対戦した。しかし、一方で野中監督はナショナルチームだけなくインドネシア球界そのものの底上げの重要さを実感し、2010年に代表監督を辞任。その後は地方州の監督や少年野球の発展などに関わっている。代表チームは野中監督辞任後、資金的な問題で国際大会にもほとんど出場できない状況が続いていた。野中監督時代のインドネシア代表に対する印象は「粘り強さ」だ。個の力ではフィリピンや香港、パキスタンといった国には多少劣っていたのかもしれない。ただ泥臭く、そして豊富な練習量に裏打ちされた接戦を制するスタイルで09年はアジアカップを制覇。筆者は09年のアジア選手権でインドネシア代表を拝見させてもらっているが、日本代表の投手相手にバントを決めきる技術や、日本代表の猛攻に対しても大きく破綻しなかった守備力には本当に感心した記憶がある。国内の野球はクラブチームによる各地域での大会のほか、州別対抗で戦う国民体育大会が主な野球の国内大会と言えそうである。野中監督は今年、インドネシア代表監督に再登板する。しかし、ただ代表チームを強化するだけではなく、目指すのはインドネシア野球の土台作り。指導者の育成を中心にインドネシア人だけで持続可能なチームに育てあげることが、今回の任期中の野中監督の最大のミッションである。一度代表監督をやったからこそ、ただトップレベルの野球を教えるだけではインドネシア野球の未来はないと実感しているのだろう。(引用ここまで)これで前置きが十分なのかどうかは分かりませんが、ここからは野中監督にお答えいただいた内容を掲載したいと思います。質問① 今回、四国アイランドリーグの高知ファイティングドッグスにインドネシアの選手が練習参加ということに至った経緯を教えていただけないでしょうか?江本氏(エモやん)とは2008年より毎回、日本へ一時帰国した際にお会いをさせて頂いており、現在でも、インドネシア代表ナショナルチームへのお力添えを受け賜っておりますが、今年の3月に日本へ一時帰国した際に、江本氏(エモやん)とお会いをさせて頂き、お話の中で高知ファイティングドッグスへの練習参加をお願いさせて頂いたのが経緯になります。質問② これまでも社会人チームやBCリーグのチームに派遣、練習参加することなどがありましたが、今回の派遣の意義、効果と言う意味ではどのようなものを期待していますか?やはり、インドネシア国内にいる選手たちのモチベーション効果、そして、まだまだ実力的には劣りますが、その劣りを、選手らが的確に捉えることが重要であり、これは、インドネシア野球の改善部分を鮮明に浮き彫りにすることに繋がります。合わせて、国内トップ選手らが日本から改善部分をインドネシアに持ち帰ることで、現状、改善部分を以前からの風習より、封鎖している野球関係者や統括上層部への強いアピールを含んでいるのです。そして、駄目でも挑戦をし続ける姿勢による国内外への、インドネシア野球向上のアピールを確固と示すことが含まれています。質問③ 今回参加するメンバーはどのような選手たちなのでしょうか?参加するメンバーはインドネシア代表ナショナルチーム所属のメンバーに限定を致します。また、その中でも、やはりバッテリー陣、内外野の要となる選手がメインにります。但し、人間的に出来ていない選手は、どんなに高い質を持っていても参加はさせません。質問④ インドネシア代表としては、近々の目標としては東アジアカップになりますね。インドネシアは参戦できるのでしょうか、そして参戦できれば最大のライバルは(こちらも参戦できるかどうか分かりませんが)フィリピンになります。それに向けた代表のチーム作りなどについて教えてください。未だに、東アジアカップの開催国が、ホスト国としての資金負担の問題から未決定であり、今年の開催が危ぶまれています。その関係でインドネシア代表ナショナルチームの編成も開始されていない状態になります。東アジアカップへの参戦に際しましては、ランキングを上げる為にも必ず出場をしなければなりません。更に、フィリピン代表ナショナルチーム打破につきましては、まともにぶつかっても、戦力的に勝つ確率は低いと思います。その確率の中で、配球における球種や、奇襲策などを含めた弱者が勝つ為の戦略が鍵になると判断をしています。質問⑤ 2018年に地元ジャカルタで開催されるアジア競技大会についても教えてください。目標として「打倒中国」を挙げられていると伺いました。アジアの野球を知っていればいるほど、非常に高い目標なのが理解できます。この目標をかかげた意味と、実現するためにはどういったことがインドネシア野球として必要になってくるのでしょうか。そしてこのアジア大会に地元の国として出場することによって、もたらされる効果は何が期待されるのでしょうか?打倒、中国代表ナショナルチームは、パキスタン代表、フィリピン代表、そしてインドネシア代表の、何処が果たさねばならない最大の目標です。少ない確率の中でも、パキスタン代表とフィリピン代表が近距離に位置していると思いますが、そこにインドネシアが割り込む、すなわち、割り込むことに向かう強化練習が必要となり、打倒、中国代表チームという高い意識目標が、結果的に、自然と、フィリピン代表打破やパキスタン代表打破に繋がるものとなります。また、この目標に向かうに際しましては、今までの様な強化練習の内容では無く、選手個々や代表チームを出来るだけ長期の期間、日本などの野球先進国で修行を、どれだけ出来るかが、最大のポイントになると思っております。アジア競技大会のジャカルタ開催が齎す効果としては、ホスト国として開催されるアジア競技大会をいかに利用するか?単に、アジア競技大会だけで捉えても多くの効果は得られなものと思います。アジア競技大会開催前の時期に、現在、開始をした野球キャラバンで地方に野球の火を点火することや、テレビなどのメディアでの野球のPR等、アジア競技大会を1つの起爆剤とし、インドネシア国内の野球人口増大と発展を仕込んで行かなくてはならないと判断します。質問⑥ 現状インドネシアは参加に至っていないWBC予選について、野中監督はどのようにお考えでしょうか?昨年のアジア選手権のパキスタン戦は、WBC予選の選出がかかったゲームだった伺っております。はい。やはりWBC大陸2次予選への出場は果たさねばなりません。昨年のアジア選手権大会への出場も、パキスタン代表チーム戦だけに的を絞っての参戦です。にわかチームでの1発勝負です。確かにフィリピン代表チームの参戦辞退の裏側には、フィリピン代表チームに変わってアジア選手権大会へ出場するという部分からWBC大陸2次予選への出場を条件交渉としてアジア選手権大会へ出場しました。しかし、1番確実なのは西アジアカップ優勝国のパキスタン代表チームに勝つ事です。この経緯から無理を承知でアジア選手権大会への参戦をしました。しかし、インドネシア国内の国体予選大会と日程が重なり、レギュラー選手全員がアジア選手権大会へ出場出来なくなるという最悪の事態となり、男子ソフト代表チームや、既に引退をした選手らでアジア選手権大会ふの参戦を余儀なくされた次第です。今だから言えますが、アジア選手権大会へ渡航する前にWBC大陸2次予選出場は消えていたのが実情であり、非常に残念でなりません。加えて、パキスタン代表チームのユニフォーム不備による失格試合適合に関しても、非常に曖昧な判断とみなします。全てが罰金で済むのなら、正当にレギュレーションを守り、国際大会へ参戦する者が報われません。質問⑦ 2020年の東京五輪では、野球が追加種目として選ばれることが濃厚です。インドネシアのような国における野球にとって、「五輪に野球がある」というのはどのような意味がありますか?オリンピックに野球競技が種目てしてあるという事について、インドネシア国の野球にとって、単刀直入に言うと、まず、オリンピックでの野球種目が、我々とは関係のない大会という意識が先にきます。出場資格へ絶対にかからないゆえ、これは、アジア4強以下の国々は皆、同じだと判断します。国内のPRにはなりますが、オリンピックよりも、もっと身近なアジア競技大会や、東南アジア競技大会でのPRの方が大きいのが実情となります。質問⑧ 最後の質問です。野中監督がインドネシア代表監督としてに在任期間中に、やっておきたいことは何ですか?現地人指導者の育成、選手育成もですが、まず、国内で指導が出来る現地人指導者を育てなければ駄目だという事です。いくら素晴らしい内容の野球教室を開催しても、有能な現地人指導者がらいなければ、その持続が出来ません。開催者側の自己満足で終わっでしまうのです。近々、日本での指導者育成プログラムも実施して行きます。また、何時までも自立出来ないというのもおかしな話しで、我々は、自立の手助けに過ぎません。加えていうなれば、現地人指導者の育成は、現在、自分のインドネシア代表ナショナルチーム監督としての、度量に及ぶ問題だと思っております。選手たちへの、高校や大学への野球留学、社会人野球への入社、独立リーグへの入団、日系企業への就職の斡旋、代表チーム選手の給与システム、日本の各野球団体や機構との提携など、野球キャラバンでの幼年期選手へのアジア的野球動作の指導矯正や、正しいストレッチ施工の浸透、野球アカデミー、プロ球団の設立等、構築しなければならない事項は沢山あります•••ね(笑) (回答ここまで)この場を借りて、ご協力いただいた野中監督には感謝申し上げます。お忙しい中しっかりご回答いただき、本当にありがとうございました。

Viewing all articles
Browse latest Browse all 1963

Trending Articles