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Channel: 野球:海外/独立リーグ
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2年目のジンクス?チョ・ムグンの2軍降格

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 昨年、新生球団ktにあって希望の星となる2人の新人救援投手が登場した。1人はアメリカ球界を経て捕手から投手に転向したキム・ジェユン、そしてもう1人は198cm116kgの巨体を誇るチョ・ムグンである。 このうちチョ・ムグンは43試合71.2イニングを投げ8勝5敗2ホールド4セーブ、防御率1.88の好成績を収めた。8勝全てが救援勝利であり、この数字が象徴するように壊れかけた試合を立て直し、チームの反撃を促す投球でチームに貢献した。9月以降にはクローザーも務めた。オフにはプレミア12韓国代表に選ばれるなど、当初の期待を遙かに上回る活躍を見せた。 昨年チームで最も多くのセーブをあげたチャン・シファンは膝の怪我の影響で出遅れていたため、クローザー候補が必要であった。チームの韓国人先発投手は若くて経験が不足していることから、先発投手が早く降板した接戦の試合でチョ・ムグンに複数イニングを抑えることをチョ・ボミョン監督は期待していたような節がある。しかしキム・ジェユンは投手転向後日が浅いため、ファンはチョ・ムグンにクローザーを期待する雰囲気が強かったように見える。またチョ・ボミョン監督もキム・ジェユン、チョ・ムグン、そして予定よりも早く故障から復帰したチャン・シファンら複数の投手の調子を見ながらクローザーは併用の方針であったと考えられる。 そのような中でプロ2年目の開幕を迎えた。 チョ・ムグンの最初の登板は開幕2戦目、4月2日であった。同点の8回裏からマウンドに登り、ピンチを作りながらも2イニングを無失点に抑えた。 翌日4月3日も彼は2点リードの8回裏2アウトの場面で登板した。しかし4番チョン・ウィユンを四球で出すとすぐにチャン・シファンに交代となった。得意のスライダーの制球が全く定まらず、不安な内容であった。 次の登板は4月6日に訪れた。4点リードされた5回表に登板し、1イニングを被安打4与四球1失点4という結果に終わり、チョ・ボミョン監督はついに2軍行きを通告した。 チョ・ボミョン監督がチョ・ムグンの2軍降格を決めたのは、彼が投球で肩に力が入り過ぎてフォームのバランスを崩し、このまま投げ続けると怪我の恐れがあるためだという。 高身長をいかして角度のある球を投げ下ろしていた去年のフォームと比較すると、今年は素人目に見ても腕の位置が下がっているのが明らかである。加えて腕の振りもやや緩くなったように見える。彼の武器は高いリリースポイントと鋭い腕の振りをいかした縦に大きく落ちるスライダーである。しかし今年は、追い込んでから決め球として投げるスライダーで空振りを取れなくなってしまっている。 彼は確かに昨年シーズン中に球速を上げて140km/h中盤から後半の球を投げることも可能となり、奪三振も増加していった。しかし140km/h程度しか直球の球速が出ない試合も多く、スライダーあってこその直球であった。今はスライダーで思うように抑えられないぶん、直球を投げるときにも力みが生じてしまっているようである。 昨年は2軍で投げた6試合26.2イニングを合わせると公式戦で100イニング近く投げたことになる。またシーズン終了後にはプレミア12に備え調整を続けざるをえなかった。結果、新人にしては過度な負担がかかっていたことも投球フォームの乱れに影響を与えた可能性がある。 韓国人先発投手が若いktにとっては、チョ・ムグンのように救援で複数イニングをしっかり抑えられる投手は欠くことができない。しかし、重要な選手であるからこそ、投球フォームを完全に修正して不安のない状態で1軍に戻り、「2年目のジンクス」を打破する姿を見せることを期待している。

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