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2016年韓国プロ野球年俸ランキング

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 KBOの公式ホームページで2016年の選手年俸現況が公表された。そこで2014年、2015年に引き続き、今年も韓国野球の年俸を整理していく。 まずKBO10球団の2013年以降の年俸状況を球団別にまとめると次の表のようになる。 この記事作成段階(2016年2月12日)で1億ウォン=約923万円である。 なお、下の表で今年のKIAの年俸上昇率が40%を超えているのは、昨年の年俸にユン・ソンミンの年俸(12億5000万ウォン)が含まれていないためであり、昨年年俸にこれを反映させて計算しなおすとアップは12.6%である。 ランキングを提示する前に少し長くなるが2016年韓国プロ野球選手年俸の概要を述べよう。 2013年に初めて1億ウォンを突破した選手平均年俸(外国人選手と新人、育成選手を除く)は昨年、今年も上昇を続け、今年の平均は1億2656万ウォンとなった。 また、およそ1軍に相当する各球団の年俸上位27名(外国人選手を含まない)の平均は2億1620万ウォンであり、初めて2億ウォンを突破した。 平均年俸が上昇する一方で、正式選手(日本で言う支配下登録選手に相当)から外国人を除いた587人(新人61人含む/育成選手は含まない)のうち136人が正式選手最低年俸2700万ウォンである。一部例外を除き新人の年俸に上限は定められていないが、全球団が慣例的に新人の年俸を最低年俸にしているため、最低年俸の選手が多くなるのは仕方ない側面がある。ただ新人を除いても75人の最低年俸選手が存在していると言うこともできる。 年俸分布を見ると10億ウォン以上7人、5億ウォン以上10億ウォン未満28人、3億ウォン以上5億ウォン未満29人、1億ウォン以上3億ウォン未満84人、5000万ウォン以上99人、5000万ウォン未満340人となっている(新人含む/外国人選手と育成選手は含まない)。年俸1億ウォン以上の選手は昨年の140人(ユン・ソンミンを加えると141人)を上回り過去最多の148人に増えたが、同時に年俸5000万ウォン未満の選手が全体の約58%を占めている現状も存在する。 加えて各球団が多数の育成選手を抱えていることも考慮しなければならない。負傷で育成選手に切り替えられた選手など一部例外はあるが、その多くが年俸3000万ウォンを下回っている。参考までに昨年のKBOガイドブックに育成選手として名前の挙がっている選手は10球団合計で258人いる(シーズン中に多少増減あり)。ドラフト指名された新人が正式選手登録枠(現行制度では最大65人)の関係で育成選手としてキャリアをスタートする場合もある。 従って平均年俸とは言っても、あくまで新人61人と多数の育成選手(昨年基準であれば250人程度)を除外した上で1億2656万ウォンになっていることには注意が必要である。新人選手を計算に入れるだけでも平均年俸は1035万ウォン落ちることとなる。 大多数の選手年俸がそこまで高くない一方、高額年俸の選手の中にはFAで契約を結んだ際に年俸とは別に多額の契約金等を得る者もいる。例えばこのオフに大型契約を結んでNCに移籍したサムソンFAのパク・ソンミンの契約内容を見ると、年俸7.5億ウォン×4年、契約金56億ウォン、オプション(出来高)4年最大10億ウォンで構成され、4年間最大96億ウォンとなる。年俸上は1年7億5000万ウォンであるが、契約金と年俸を合わせて1年当たりの支給額を計算すると24億ウォンとなり(あくまで便宜上の計算であり、実際には契約金をそのような方法では支給しないだろうが)、さらにこれにオプションが加わる可能性もある。 すなわちFA資格行使者など一部高額年俸選手と若手や2軍選手など大多数の低額年俸選手の年俸格差は、表面上の数字以上に大きいとみるべきであろう。FAで年俸以外に多額の契約金を得ている選手にとって「平均年俸1億2656万ウォン」というのはあまり意味のない数字であり、育成選手を含む低額年俸者にとっても「平均1億2656万ウォン」というのは実感の湧く数字ではないということである。 近年は外国人選手の年俸も高騰してきている。エスミル・ロジャース(ハンファ)の総額190万ドル、ヘクター・ノエシの年俸170万ドルなど6人が100万ドルを超える契約を結び、2月11日までに契約した29人の外国人選手の平均契約額(契約金+年俸)は85万2070ドルに達する。能力ある外国人選手がリーグのレベルを押し上げる効果を期待できる一方で、極度の負担が球団経営に悪影響を及ぼさないかが心配されるところではある。 以上で年俸に関する概要を述べたので、続いて2種類の方式で選手年俸を提示する。ひとつはKBOが公式に発表する「年俸」のみのランキング。もうひとつはFA契約選手の契約金等を含めた「実質年俸」のランキングである。 2016年年俸ランキング 2016年「実質年俸」ランキング以上の表はJPEGファイルでアップロードしたが、見づらい場合、パソコンからであればこちらを参照のこと(但し表の読み込みに時間の掛かる場合があります)。 2016年年俸ランキング1~41位 2016年年俸ランキング53~100位 2016年年俸ランキング101位~年俸1億ウォン以上 2016年「実質年俸」ランキング外国人選手の年俸に関してはこちらを参照のこと。 2016年外国人選手年俸一覧 2015年オフのFA申請者の契約一覧に関してはことらを参照のこと 2015年オフFA契約整理 単純に年俸のみのランキングでは5年連続でキム・テギュン(ハンファ)が首位となった。 上位選手の多くがFAを取得して大型契約を結んだ選手である中、キム・グァンヒョン(SK)が非FA選手歴代最高額となる8億5000万ウォンとなった。キム・グァンヒョンは今シーズン終了後にFA資格を得る見込みであるが、同様のケースであるヤン・ヒョンジョン(KIA)やチェ・ヒョンウ(サムソン)なども非FAの中では高額年俸である。同じくシーズン後FA資格取得見込みの選手としてはキム・ジェホ(トゥサン)やイ・ヒョンスン(トゥサン)も昨年の成績の割に上がり幅が大きい。これはFA移籍した場合の補償規定(FA移籍先した選手の元所属球団は移籍先の球団にその選手の元の年俸×3の金銭、もしくは補償選手1人+元の年俸×2の金銭を要求することができる)を想定したものであろう。今シーズン終了後2度目のFA資格取得が見込まれるイ・ホジュンはFA時に結んだ3年契約が切れたが、昨年の好成績に加え、新生チームに対するこれまでの貢献も評価されてか年俸アップで契約更改した。 実質年俸見ると年俸のみの順位と入れ替わりが起こる場合もある。年俸に契約金を契約年数で割った額を足した「確定額」では1年当たり22億5000万ウォンのユン・ソンミンがキム・テギュンを抜きトップとなる。オプションを全て獲得できた場合の「最大額」では年俸のみ12位のパク・ソンミンが1年あたり最大24億ウォンで一躍トップに躍り出る。 また年俸のみで10億ウォンを超える選手が7人なのに対し、契約金を考慮した「実質年俸」では21人にまで増える。FA大型契約での年俸急騰をはっきりと読み取る形となった。 FA取得後の契約でもなく、FA前年でもない、FAに全く関係ない選手に限定すると、野手ではソン・アソプの年俸6億ウォンが最高、投手ではユ・ヒグァンの年俸4億ウォンが最高となる。 FA契約選手の年俸高騰に始まり、FA前年の有力選手の年俸優遇、そして徐々にではあるが、リーグ上位クラスの選手であれば非FAでもある程度の待遇を得られるようになってきているようである。 但し上に述べたように、大多数を占める低額年俸選手の待遇があまりにも厳しいのは変わりがない。最低年俸は2015年、2400万ウォンから2700万にやや上がったが、1軍試合数が増加したことを踏まえ、1軍の保証年俸5000万ウォン(年俸がこの額に満たない選手は1軍登録日数に応じて差額が支払われる)の上昇にもそろそろ手を付けるべきではなかろうか。これまでは野球規約違反ながらも容認されてきた勝利手当支給に関して、今季からは罰則をともない厳しく取り締まられることとなった。高額年俸選手にとっては少額の手当であっても、低額年俸選手にとってはあるのとないのとで大違いであろう。そのケアのためにも1軍保証年俸の増額、あるいは最低年俸のさらなる引き上げが行われるべきではなかろうか。 リーグ全体の繁栄を考えると平均年俸の上昇傾向は好ましいことであるには違いない。しかし今後はそれを低額年俸選手も実感できるようになっていくことを望んでいる。

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