Quantcast
Channel: 野球:海外/独立リーグ
Viewing all articles
Browse latest Browse all 1963

ベテラン独立リーガー、西本泰承ストーリー:その④

$
0
0
「感謝」。西本が好んで使う言葉である。独立リーグという場で野球を続けていることで、周囲に迷惑をかけているという思いを持っている彼は、ことあるごとにこの言葉を使う。「まずは家族には迷惑かけてますよね。嫁さんや子供、親きょうだいみんなです。それに、独立リーグのスタッフさんなんかにも迷惑かけている部分はあると思うんです。こうやって自主トレも、NPBの選手と一緒にできて、彼らも別に変わらず接してくれる。それは、迷惑っていうより感謝ですね」坂口らとの自主トレは、渡米を決意した2012年のからだという。「2011年シーズンに(定期交流戦をしている)ソフトバンクの育成選手だった大西(宏明・引退)さんと話す機会があって、連絡先も教えてもらたんですよ。それでオフになって、来年アメリカでやりたいんで、1月のトレーニング、誰か紹介してもらえないですかって、お願いしたら、(大西のオリックス時代の後輩である)坂口さんを紹介してもらったんですよ」 戦う場所は違えども、プロはプロ。坂口は無名のプロ野球選手の申し出を受け入れてくれた。 もうそれも5回目。西本はすっかり「坂口軍団」に溶け込んでいる。そして、独立リーガーの誰もが憧れるNPBという「本当のプロ」との距離が決して遠くはないことも、十分すぎるほどわかっている。「一緒にやってて、守備に関してはひけをとっていないと思います。練習見てもらったらわかります」 今年の自主トレには、三俣大樹(オリックス→中日)、金子佳輔(オリックス→ソフトバンク)らのNPB一軍クラスの内野手も参加していた。内野でノックを受ける西本と彼らの差は、確かにほとんどないように見えた。「もう年下の選手も参加するようになって、もちろん彼らも仲良くしてくれますし、一緒にご飯もいきますけど。やっぱりNPBでやっているっていうプライドあるから、『西本さん、上手いッスね』とか、『教えてくださいよ』とかはないですよ。ひとつ年上の金子さんなんかでも、僕から見ても上手いなっては思います。確かに(環境が違うのでノックの)数受けているなって感じはしますけど。でも、アイランドリーグの試合で、ソフトバンクの3軍選手と試合しますが、彼らレベルには決して負けてはいません」  自主トレ段階の軽いノックで、彼らの技量を見極める眼力は私にはない。しかし、おそらくは、キャンプでの練習、あるいは実戦の中で、ほんの少しの差が、NPBでプレーする彼ら相互でも、フィールドに常にいることができるのか、あるいは、1軍でプレーするか、2軍でくすぶることになるのかにつながるのだろう。それは、残念だが、西本にとっては、未知の世界である。それを承知しながらも、西本自身は、こと守備に関しては彼らとの差はほとんどないと考えている。 (三俣/中日と西本)

Viewing all articles
Browse latest Browse all 1963

Trending Articles