6年ブログをやってきながら、カテゴリーにある「アフリカ野球」の記事がほとんど埋まっていないので書いてみました。「国際野球ニュース」ではちょくちょく触れているのですが・・(汗先週まで行われていたU18ワールドカップの話です。僕は2日目と3日目を見に行ってきました。時間の都合上本来は南アフリカの試合は見れない予定だったのですが、2日目の豊中で午前にゲリラ豪雨があったらしく、1時間延びたおかげでキューバ戦を5回途中から見ることができました。この大会当たっているキューバ相手に0-7とコールド回避と上々な試合内容。内野手はみな難しい打球以外はしっかりさばける水準にあり(僕が来る前にセカンドのンゴエペ弟が何度かやらかしていたようですが)、スローイングもしっかりしていましたね。とくにショートのスミスとサードのディッカーリックス、この二人はスムーズにさばいていました。今大会の守備成績でも、スミスは28個の補殺(内野手の場合、ほぼ自分がさばいてアウトにした数)で2エラーの守備率.946
デイッカーリックスも同じ28補殺で3エラーの.932。高校世代の野球後進国でこれくらい守れたら上等すぎます。マイナーリーグにも内野手を多く輩出し、現在南アフリカ出身選手の最高位にいるパイレーツAAAのギフト・ンゴエペ(今大会のセカンドの兄)も守備型のショートストップですしそういう選手を生み出せる土台はあるのでしょう。ンゴエペ弟も、セカンドとショートを守りながら19補殺の4エラー、守備率.900を記録。
2015 WBSC U18 World Cup: SOUTH AFRICA vs CHINESE TAIPEI Highlights(08/30/15) 2:10秒頃にンゴペ弟の好守 http://t.co/EnDdKQfv1B— 世界の野球 (@sekainoyakyu) 2015, 9月 10
とくに韓国戦では身体能力の高さを感じさせられるプレーもやっています。ンゴペ弟(南アフリカ代表) pic.twitter.com/tHLeGRCSQ1— 世界の野球 (@sekainoyakyu) 2015, 8月 31
ピッチャーも制球は荒れ気味ですが130km/hくらいは出ていたので、その二つがコールドを避けられた理由なんじゃないでしょうか。打つ方は体が大きくなく長打は期待できない打線ですが、韓国から2点を奪ったり、1次リーグ最終戦も(カナダは本来の予備日に戦う翌日からの二次リーグを控えた中での消化試合だったのですが)10点を奪っています。力の落ちるピッチャーや集中力が落ちているピッチャー相手には点を取れていたようです。そして下位リーグに回ってからの最終戦はなんとブラジルからのアップセットを達成。
15に及ぶ内野手の守備機会を失策1で乗り切ったのが大きい
https://www.facebook.com/BaseballSouthAfrica/photos/a.659827104105660.1073741832.474762675945438/928180937270274/?type=1&theater
6-2の大会初勝利で大会最下位ながら有終の美を飾っています。(南アフリカ全成績)対韓国 ● 2-17
対キューバ ● 0-7
対台湾 ●1-15
対イタリア ●2-12
対カナダ ●10-11
対チェコ ●2-5
対メキシコ ●2-4
対ブラジル ○6-2
ただチェコやイタリアには勝てなかったんですよね。ピッチャーは多くが120-130にまたがるくらいのスピードの投手。130中盤をコンスタントに出せるレベルの投手がおそらく1,2人くらいしかいなかったことがこういう結果に繋がってるんじゃないかなと。この世代のエースで、ピッツバーグ・パイレーツと契約を結んでいるビンス・デイゼルが怪我で参加できなかった痛かったと思います。
88マイル投げられるらいしいんですけど見たかったなー。南アフリカの実力を測りたかったのは、もうひとつ僕的には目的があって昨年末に行われたこの大会のアフリカ予選ですね。ちょっと振り返ってみましょう
U17アフリカ選手権(2014年12月・ケニア)
1日目南アフリカ8-5ウガンダタンザニア20-14ケニア
2日目ウガンダ25-2タンザニア南アフリカ30-0ケニア
3日目ウガンダ36-1ケニア南アフリカ34-1タンザニア準決勝ウガンダ15-0タンザニア南アフリカ24-0ケニア
3位決定戦タンザニア25-13ケニア決勝南アフリカ4-1ウガンダ見ての通り、ウガンダと南アフリカの結果が抜けています。アフリカにおける南アフリカはどこも近寄ることすらできない最強のチーム(ラグビーにおけるアジアの日本とよく例えられます)アフリカナンバー2とされてきたナイジェリアすら20点差ほどつけられてしまうのがこれまでのアフリカだったのですが、ずいぶんとウガンダは南アフリカ側に近寄っていっているのが見てとれます。直接対決2試合とも3点差のゲームなんですよね。もちろん、スコアだけでは分からない部分も多いんですが・・。このときの南アフリカのメンバーもほとんどU18と同じ面子(+デイゼルもいました)、このクオリティーのチームと善戦できたウガンダも評価したいところ。ウガンダ野球と言えば、日本が優勝したリトルリーグワールドシリーズ。
http://t.co/inQMXVjRus リトルリーグ・ワールドシリーズでウガンダがドミニカに勝った試合のハイライト— 世界の野球 (@sekainoyakyu) 2015, 9月 1
ドミニカ共和国から勝利してるんですよね。守備も動画を見る限り洗練されており、ピッチャーも75マイル(120キロ)クラスが複数人いるんですからレベルは高い。現在独立リーグのベースボールファーストリーグにもウガンダ人投手のワフラ・ポール(兵庫)がいますよね。あまり結果は残せてませんが、130キロ中盤まで出せると聞きます。日本の青年海外協力隊がきっかけで野球が普及したこの国。日本の支援で専用野球場も出来ていますし、ウガンダ人選手が成人になっても野球が本格的に続けられるような環境が整備されれば(現在は6チームでリーグ戦は行われていると聞きます)、南アフリカのようにマイナーリーグに挑戦する選手やWBC予選に参戦する、なんてこともゆくゆくは可能になってくるんじゃないでしょうか。南アフリカの野球を見ながら、ウガンダの野球のことを連想する。なんとも理解されがたい発想ですが、情報量が少ないからこそ編み出されたこのジャンルの野球の楽しみ方の一つですね笑
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