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Channel: 野球:海外/独立リーグ
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2017WBCに唯一の新規参加国としてパキスタンが参入するかもしれない話

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WBCは前回大会から、本大会の前に予選ラウンドを導入することによって、全体の参加国が+12の28に増加。もちろん、2017年大会もその前に予選が行われるのですが、さらなる予選参加国の増加も期待されていました。ただ、WBCは予選も含めてすべての国の交通費や滞在費など、参加にかかる費用を大会側が負担する形式のため、なかなかそう簡単にはいかない。予選の概要などの情報もちょっとずつ漏れ伝わってきていたのですが、どうやら大きな変化はなさそうだと。おそらくこのままなら、参加国の構成は同じものを維持したまま予選が行われるものだと思われていた矢先、なんとも無視できない情報が回ってきた。 MLB is close to naming the sites for 2016 WBC qualifiers, w/one likely for Germany. New country likely entering baseball fray: Pakistan!— Phil Rogers (@philgrogers) 2015, 9月 1 これがこのオッサンのただの妄想だったらまだしも、これをツイートしているのはmlb.comのコラムニストなので、少なくとも根も葉もない話ではない。実はそもそもパキスタンの記事でもこういう話が出ていた。 Pakistan may qualify for Baseball WC http://thefrontierpost.com/article/322017//#.Vboi4zf-k_U.twitter “Currently Pakistan is ranked 21st in the rankings and just needs one win against China (20th) to qualify for the WC," he said. He said Pakistan will be participating in the Asian Baseball Champion to be held at Taiwan in September and in this championship we have to win a match against China to qualify for the WC. 記事内は色々微妙なツッコミどころがあるにせよ、9月のアジア選手権(台湾)で中国に勝てば、WBCに行けるかもしれない、という内容である。予選すっ飛ばして本戦進出、なわけないので、行けるかもしれない、というのはたぶんWBC予選のことだと思われる。中国は次回大会の予選免除も確実なので、そこに勝てば確かにインパクトは大きい。アジアの野球も、中国より下のグループとの差の大きさは長らく横たわってきたアジア野球の課題の一つだったりする。もうひとつ、根も葉もない話ではなさそう、という根拠を挙げるとするならば前回大会の予選ラウンドに出場したタイの状況ですね。先にことわりをいれておくとするならば、タイの野球は20年にも渡って現地の日本企業や日本のアマチュア球界に支えられ地道に実績を重ねてきた国の一つです。歴代のナショナルチームの監督も日本人によって引き継がれてきています。こういったアジアの野球後進国は、進歩以前に現状維持するだけでも苦労は多い。それを支えてる人たちは本当にリスペクトされるべきです。ただ、近年のタイの実績はなかなか中国、フィリピンに続くアジア6番目だとは言い難い状況にあります。 5月に行われた東アジアカップでもライバルの香港、フィリピン、インドネシア、スリランカに全敗で6チーム中5位に終わってしまっている。前回のWBC予選も2敗で大敗してしまいましたが、他のラウンドの国と比べてもパフォーマンスは明らかに良くなかった、というのが一つ現実です。そんな中で、アジアで6番目の国と言う地位を固めているパキスタンが、タイに代わってWBC予選に出場する、という話が実現してもおかしな話ではないな、というのが率直な印象です。推測の話ですがいろんな話を総合すると、パキスタンのWBC予選出場はほぼ決まっていて、アジア選手権の内容・結果を持って最終決定するという感じなのではないでしょうか。念のため言っておきますがまだ推測の域を出ない話ですパキスタン代表は、近年国際大会に力を入れてきた国の一つ。警察や陸軍が野球チームを持っており、そこに所属している選手がナショナルチームの大半を占める。したがって、規律があって身体能力も高い、という選手がそろっている。また、ほぼ全員がクリケット経験者というアドバンテージもあります。そういった下地と国のバックアップもあって、アジアの第二グループでは上位に食い込んできたのですが、クリケットの延長や身体能力だけではここから先は限界が見えてきていた部分でもあった。とくに野球の歴史が浅く、指導者も独学。野球の情報量も少ない国なので、野球を日常的に見てきた人間からすると明らかに野球の理解に乏しいと思われるプレーも多い。選手自身のプレー歴も浅いことが多いですし。実際、自分もU18代表の練習を見たことがありますが、終始クエスチョンマークが僕の頭の上に浮かびっぱなしのような謎の練習をしていた。技術面でもとくに守りは構え、捕球、ステップやスローイングと野球を見慣れてる人からすると非常に違和感満載のメカニックをしていましたね。おそらくクリケット式のものなんだと思います。そういったパキスタン野球の最後のピースを埋める存在として招聘されたのが日本人監督の色川冬馬氏。若くして日米の独立リーグや中南米でのプレー経験を持ち、2月に行われた西アジアカップではイラン代表監督として外から見たパキスタン野球も知っている。おそらくは土着のスタイルと色川氏の経験をミックスしたスタイルを探っているんじゃないかと思われる。今大会、パキスタン野球連盟は明確に目標として掲げている打倒中国。レベル的には大学野球と高校野球の県予選レベルくらいの差はある。中国は30年ほど前に国際大会に参加して以降、一度も日本、韓国、台湾以外の国にアジアで敗戦したことはありません。この一戦のポイントはどの辺になってくるでしょうか。最大の課題とされる守り。連盟も兼ねてからそこがウイークポイントという意識は高く、色川監督の指導を受けながらレベルアップを図っているはずです。技術面だけでなく、状況に応じて最善のプレーを選択する判断力も磨きをかけておきたいところ。元々の能力は高く、選手の意識も高いと聞くので突貫工事でどこまで高められるか。次に打力。元々、スイングがシャープな選手が多く、昨年のアジア大会では日本代表の社会人選手から連打で先制点を奪っている。ただ、大半の投手が130キロ中盤以上を記録する中国代表レベルの投手との対戦機会は国内では少なく、そもそも国内の大会や練習は金属で行われてきたらしい。大きなアドバンテージがあるとするならば今大会の最終戦に中国との戦いが組み込まれていることですね。初戦のインドネシア戦のあとに日本、韓国、台湾との対戦を経て最後が中国戦。日本は侍ジャパン社会人代表、台湾はアマ+マイナー選手、韓国はアマ+プロの若手という編成。中国より格上のピッチャーで3試合、「目慣らし」が出来る。この3試合を無駄にしないこともポイントとなってきそうな気がする。あとはきわめて基本的なことですが、連打でぼこぼこ打てるような相手ではないので、いかに有機的に攻撃が出来るような仕組みを作っておくか、という部分も重要になってくるんじゃないかなと。投手に関しては特定の投手一人で中国打線を封じられる力量はありません。たぶん継投になるのですが、おそらくこの試合で使えるレベルのピッチャはーは4人ほどだと思われる。今回は日本育ち、現在はBFLの06ブルズという独立リーグのチームでプレーしている左腕のアブドラ・バラが今回代表に初加入。彼と昨年から代表でプレーしている同じく左のアディル・サルダー。中国代表も左投手の選出に苦労しているように、近年国内にある程度のレベルに達している左がかなり減ってきている。この二人は鍵を握ってくるはずです。もう一人挙げておきたいのが代表復帰を果たしたイーサン・ウラー。野球歴数年で150キロを計測した伝説の投手です。常時でも140キロ以上を記録したスピードはやはり魅力的。ただ、しばらく代表や高いレベルでの実戦からは遠ざかっており彼がかつての球威をどのくらい取り戻しているか、といった部分も重要な点なんじゃないかなと思います。中国対パキスタンの前回対戦は昨年の仁川アジア大会の1次リーグ。0-6という結果が残っています。中国は8回まで0-3と気持ちを切らさずに食い下がっていました。序盤に失点を重ねてしまえば一気に崩れかねない。気持ちを切らさずに食らいついていき、いかに相手にプレッシャーをかける展開に持ち込めるか・・。来週から台湾で始まるアジア選手権。中国の牙城をパキスタンは崩せるのか、パキスタンはWBC参加国にふさわしい戦いを見せられるのか。こういった観点からも楽しめそうな大会なんじゃないでしょうか。

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