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Channel: 野球:海外/独立リーグ
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5日目【Gesa Stadium】河田 大毅

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野球場ってよく見ますよね。そのほとんどの球場には照明があって、高いネットに囲まれて、大きな駐車場まで付いていると思います。野球場建設にはそれなりの費用を要することは容易に想像できますが、ダストデビルズのようにクラブハウスが併設され 3700人を収容でき広大な駐車場があり巨大な日よけも付いていてオフィスも必要となると、その土地代と建設にはさらに莫大な費用がかかります。ではこれは誰が払っているのでしょうか?デレルさんに聞いてみたところ、スタジアムの所有権は市が、スタジアムの運営権はダストデビルズが持っているそうです。そのため初期投資と維持管理費は必要ですが、ダストデビルズ側にスタジアムの建設費用負担はなく、スタジアム内のコンセッション等での売上も全てダストデビルズのものとなり、その利益で初期投資分を回収できるわけです。良い例が日本で最近注目のインフラの運営権売却です。民間への空港や高速道路の所有権譲渡のやつですね。これと同じ仕組みです。 MLBではこの仕組みが一般的なようで、MLBチームを招致、残留させるために、自治体がスタジアムの建設、再建を負担するそうです。自治体<MLBの構図が出来上がっているわけですが、それだけMLBが地域に与えるプラスの影響が大きいということでしょう。では日本のプロ野球はどうなっているのか。日本では、数年前まで運営権を持たないのが一般的で赤字球団ばかりだったようですが、近年は楽天のように年間数千万円の使用料で運営権を得ている球団もあれば、ロッテのように指定管理者制度を利用する球団もあり、赤字額も減り、中には赤字脱却した球団もあるようです。指定管理者制度は住民の利益のために設けられたもので、議会による規制や制約が多いですが、運営権を持たずに球場売上が所有者に帰属することに比べれば、大きな収益を得られるわけです。こうして考えてみると、いかにスタジアムの所有形態が球団運営の業績に影響を与えているかが分かります。球団の広告塔としてのプロ野球ですが、MLBのような地域密着型スタイルになれば、より自治体や住民からも優遇されるようになるのかもしれません。「自治体が支援してでも招致したいと思うほどの生活に根ざしたスポーツ文化」が日本で実現するには、まだまだ時間がかかりそうですね。

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