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福岡ソフトバンクホークスの親善試合対戦相手サムソンライオンズはどんなチームだったのか

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今日27日、ヤフオクドームにて福岡ソフトバンクホークス(以下、ソフトバンク)がサムソンライオンズ(以下、サムソン)と親善試合を行う予定です。アジアシリーズ等とは異なりあくまで親善試合という形式をとっていますが、前年の日韓プロ野球を制覇したチーム同士の対決という点で注目されます。このサムソンというチームの昨年の特徴を振り返ってみたいと思います。なお2014年のサムソン所属選手の1軍成績は下記リンクから日本語で確認出来るようにしています。 2014年サムソンライオンズ1軍投手成績 2014年サムソンライオンズ 1軍打撃成績○「絶対的」エース不在も試合を作れる先発投手陣 2014年、サムソンはシーズン128試合を通して6人の投手しか先発登板しませんでした。このうちローテーション投手5人は全員規定投球回に達してそれぞれ貯金を作っています。絶対的なエースを擁して確実に勝ちを拾うというよりは、特定の投手に極度の依存をせず誰が先発しても試合を作ることができるチームと言えます。他球団の先発投手陣に比べると四球が極端に少なく、それがイニング消化を助けたものと見られます。→参考①:2014年サムソンライオンズ1軍投手成績→参考②:KBO 2014年チーム投手成績/KBO 2014年先発救援別チーム投手成績昨季バンデンハーク(ファンデンハルク)は確かにリーグ最優秀防御率を獲得しましたが、不振の序盤には2軍で調整をする機会がありました。外国人投手を2人までしか保有できない(新規参入球団は3人まで)韓国においてそのような離脱が可能だったのは、他のローテーション投手がそれなりに試合を作れていたからだと言えそうです。今季は外国人投手2人がチームを去り入れ替わりとなり、長年チームに貢献したペ・ヨンスもFAでハンファに移籍しましたが、2年連続チーム最多投球回で右の実質的エースであるユン・ソンファン、同じく左のエースであるチャン・ウォンサムは健在です。ともに球速はそこまで速くありませんが、リーグ屈指の制球力をもっています。ソフトバンク戦に先発登板する予定のチャン・ウォンサム(3~4イニング程度を予定)は直球とスライダーを主に投げ、ストライクゾーンへの出し入れが生命線です。この他チェンジアップで緩急を付けることもあります。フライボールピッチャーで被本塁打が若干多くなる傾向にあるため、改修で狭くなったヤフオクドームにどのように対応するか注目です。○以前ほど盤石ではなくなった救援陣 2013年のシーズンまでオ・スンファンが在籍していたサムソンは、「7回終了までリード時の連続無敗勝利」を長く続けていましたが、それが昨年の5月に144試合で途切れてしまいました。2013年はチームのBlown Save(セーブの条件を満たした状態で同点もしくは勝ち越しを許す)が7でしたが昨季は18に増えており、記録ストップが象徴するように救援投手の安定性が下がったと見ることができます。やはりオ・スンファンの移籍の影響が少ないと言うことはできません。オ・スンファンは2011年から2013年までの3年間でBlown Saveが合計4しかありませんでしたが、昨季クローザーを務めたベテランのイム・チャンヨンは防御率5.84と期待に応えられず、1シーズンのみでBlown Saveを9も記録しました。今季もこの状態が続くようであれば、ほぼ直球とスライダーのみのパワーピッチングを持ち味とするアン・ジマンにクローザーの座が移る可能性もあります。この他に若手のサイドスローピッチャーであるシム・チャンミンが不振に陥ったことや、先発としての素質を持ち合わせながらも昨季はリリーフに専念した左腕のチャ・ウチャンが安定性を欠いたことなども救援陣の相対的低迷に影響しました。今季は先発復帰の可能性があるチャ・ウチャンは良い直球を持っている一方で制球に少し課題があります。勝負所で甘くならないかがポイントです。→参考①:2014年サムソンライオンズ1軍投手成績○3割打者6人が並ぶ打線昨季の韓国プロ野球はリーグ打率.289、3割打者36人、リーグ防御率5.21という記録的な打高投低ではありましたが、サムソンはチーム打率が.301を記録し3割打者を6人(チェ・ヒョンウ、パク・ハニ、パク・ソンミン、チェ・テイン、イ・スンヨプ、ナバーロ)も輩出しました。ベストオーダーを組んだ場合には1番から6番まで3割打者が並ぶこととなります。中心選手に左打者が多く左打者が連続する打順になりがちという特徴がありますが、昨季の対戦成績だけを見ると各左打者は左腕を苦手にはしていないようです。万全の状態であればクリーンナップは3番チェ・テイン、4番チェ・ヒョンウ、5番パク・ソンミンという布陣が基本でした。このうち誰かを故障等で欠いた場合はベテラン打者イ・スンヨプが6番から打順を1つ上げて5番に入ることがしばしば見られました。一発攻勢による破壊力はリーグ2位のネクセンには及びませんでした。しかし一方で100打点を記録したチェ・ヒョンウ以外にもイ・スンヨプ101打点、チェ・テイン99打点、ナバーロ98打点というように打点が分散しているという特徴が見られます。打線の中心は不動の4番チェ・ヒョンウであるには違いませんが、彼のみには極端に依存せず、1番から6番までどこでも得点できるという強みがありました。9番キム・サンスの盗塁能力が高いため1番ナバーロの打点が伸び、上位打線に高打率の打者が並ぶことで6番もしくは5番を打つイ・スンヨプも打点を稼ぐことが出来たようです。2012年に韓国球界に復帰したイ・スンヨプは選球眼などで衰えが見られ2013年は特に不振でしたが、昨季はチームトップの32本塁打を放ったほか、勝利打点でリーグトップタイの17を叩き出すなど勝負強さも見せました。主要打者のうち一塁手のチェ・テインが年末に受けた膝の手術の影響でスタメンを外れる可能性がありますが、その場合代わりに一塁手スタメンを任されるであろう左打者ク・ジャウクは昨季2軍(南部リーグ/兵役義務のため2013~2014年シーズンは尚武フェニックスでプレイ)で首位打者を獲得しており、昨日の練習試合で5安打と勢いに乗っているので要注意です。親善試合でのオーダーは昨日のネクセンとの練習試合のオーダー(記事末尾参照)が参考になりそうです。捕手をイ・ジヨンに変えれば現状最もリュ・ジュンイル監督の描くオーダーに近いのではないかと思います。→参考③:2014年サムソンライオンズ 1軍打撃成績→参考④:KBO 2014年個人打撃成績→参考⑤2014年サムソン守備打順別先発出場数○リーグ盗塁王のキム・サンス、リーグ犠打2位のパク・ハニサムソンの9番打者キム・サンスは昨季、自身初めての盗塁王タイトルを獲得しました。盗塁53のうち左投手登板時は9と右投手からの盗塁が若干多くはありますが、成功率は89.8%と高い数値を誇りました。2013年は盗塁14、成功率73.7%だったので、数と率ともに向上したと言うことができます。彼が盗塁をして得点圏に進み、長打力にも優れる1番ナバーロが返すというのも得点パターンの1つとなりました。キム・サンス以外に走れる選手はパク・ヘミンとナバーロ、あるいは今季尚武から復帰のク・ジャウクくらいで、ベテランや故障しがちな選手が多い中軸打者には走塁面での活躍は期待できません。しかし3番チェ・テインのように繋ぐバッティングを得意とする選手もおり、打力も期待できる2番パク・ハニに犠打をさせてチェ・テインがホームに返す、あるいはさらに後続に繋げるという攻撃パターンを見せることもありました。○韓国内では総合力のチーム KBOの公式サイトで投手と打者の個人タイトルを確認すると、タイトル獲得者は投手では6部門中4部門(勝利・勝率・ホールド・セーブ)がネクセン、残り2部門(防御率・奪三振)がサムソンの選手となっています。また打者では8部門中6部門(打率・打点・本塁打・得点・安打・長打率)がネクセン、1部門(出塁率)がハンファの選手であり、サムソンの選手によるタイトル獲得は残りの1部門(盗塁)のみとなっています 2位ネクセン躍進の要因は「個」の強さにありますが、最終的に韓国シリーズでサムソンは大きな穴がなく全体的に高めの総合力でネクセンを退けました。状況や相手投手次第では3割打者にもバントをさせる点や、2013年までの終盤での逆転を許さない戦い方はある意味では「一般的」なイメージの韓国野球の醍醐味に反するかもしれません。しかし一方でそのような観点からの「つまらなさ」が韓国史上初のペナント及び韓国シリーズの4連覇という結果に繋がったように感じます。参考:2/26の練習試合での野手オーダー1.ナバーロ(二)2.パク・ハニ(右)3.パク・ソンミン(三)4.チェ・ヒョンウ(左)5.イ・スンヨプ(指)6.ク・ジャウク(一)7.パク・ヘミン(中)8.イ・フンニョン(捕)9.キム・サンス(遊)<備考> 1、3、8、9番が右打者、残りは左打者 2014年の正捕手はイ・ジヨンパク・ソンミンはこの試合が今キャンプ初の対外試合出場

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