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2015年韓国プロ野球年俸ランキング

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KBOの公式ホームページで2015年の選手年俸現況が公表されました。 2013年以降をまとめて表にすると以下の通りになります。なお、この記事作成段階(2015年2月14日)で1億ウォン=約1080万円です。選手平均年俸(新人選手と外国人選手を除く)が初めて1億ウォンを突破した昨年に続き、今年も平均は1億ウォンを超える1億1247万ウォンとなりました。各球団の外国人を除く年俸上位27人の平均は1億9325万ウォンであり、昨年の平均1億8432万ウォンを上回りました。育成選手(昨年までの申告選手に該当)を除くと最低年俸は2700万ウォンと定められており、昨年より300万ウォン引き上げられました。昨年の年俸記事(http://www.plus-blog.sportsnavi.com/datekorea/article/7)同様に今年も年俸ランキングを表に整理してみます。まずは年俸4億ウォン以上の選手を対象として2つの表に分けて以下に提示します。守備位置は2015年基準にしています(例えば怪我で守備につけなかった外野手イ・ヨンギュを指名打者とする等)が、あくまで参考程度です。外国人に関しては記事の後半に載せています。また記事の末尾には年俸1億ウォン以上の選手の年俸リストを載せています。但し韓国の場合、FA権を行使した契約では、年俸とは別に支給される契約金が日本に比べて大きなウエートを占めていることに注意が必要です。例えばオフにFA権を行使してSKと再契約したチェ・ジョンの契約を例に取ると、SK球団は4年間の年俸合計44億ウォン、契約金42億と発表しています。つまり年俸だけでは1年当たり11億ウォンですが、契約金を含めた4年契約の契約総額を1年当たりに換算すると21億5000万ウォンと倍近い額になります(チェ・ジョンの今季年俸は11億ウォンではなく10億ウォンと公表されているので、今季年俸と契約金の4分の1を足すと今年分は20億5000万ウォン)。そこで、FA時の契約金や契約時に取り決めされたオプションの額を考慮した上で、選手が1年当たりに受け取る額を計算し直すと次の表のようになります(1年当たり最大額4億ウォン以上を対象として表3つに分け整理した。「実質年俸」の確定額が多い順に配列。3+1年契約のキム・サユルは契約延長で4年契約になると1年当たりの額が4億ウォンを下回るため表からは除外)。表の「実質年俸」は年俸にFAの契約金を契約年数で割った金額を加えたものです。実際には2軍にいる期間が長く年俸支給額が減らされるケースも想定されますが、便宜上そこまでは考慮に入れません。「+α」はオプション、すなわち出来高が加算される可能性を示しています。「1年当たり最大額」はオプションを満額受給できた場合の1年当たりの金額を表します。「契約金」と「オプション」は契約年間の合計金額を表すので、「FA総額」は「(年俸×契約年数)+契約金+オプション」で計算されます。 FA契約した選手以外にもオプションがある選手もいるかもしれませんが、通常は報道されないので考慮していません。守備位置は先ほどの表に比べ大雑把に表記しました。単純に年俸のみで10億ウォンを超える選手は4人しかいませんが、FAの契約金を契約年数で割った額を含めると1年当たりの給与が10億ウォンを超える選手は14人に増えます。また、年俸のみでは15億ウォンで1位のキム・テギュンは1年当たりの最大額では8位にまで後退します。表を見ると上位にはFAでの契約をした選手、あるいはFAでの契約を来年に控える選手が多いことに気がつきます。近年は球団数増加で選手の供給が足りていない影響もあってか、FAによる契約は高騰化が進んでいます(参考までに記事末尾に2014年オフのFA選手の契約額を整理して載せています)。またもしFAで他球団に移籍をした場合は元の所属球団が移籍先の球団に前年度年俸×3の金銭もしくは補償選手1人を要求することができるため、FAを控えた選手の年俸も成績以上に上昇することがあります。韓国のプロ野球は球団経営の面ではMLBよりもNPBに近い部分があるため、あまりに年俸が高騰すると親会社の経営に圧迫を与える恐れがあります。補償選手の在り方(韓国のFA移籍では日本のFAと異なり、年俸による移籍選手のランク付けがないため、年俸に関係無く補償選手を要求することができる)も含め、今後FA制度を運用面で見直していく必要があるかもしれません。球団に人件費を圧迫する要素は他にもあります。それが次の表に示す外国人選手の契約です。年俸高騰や球団資金力の差で競争力が過度に開くことを抑えるため、以前は外国人選手の年俸制限(1年目の場合30万ドル)がありましたが、密かに公表額以上の契約を結ぶ球団が存在して有名無実化していたので昨年から撤廃されました。外国人選手1人当たりの契約は平均で67万ドル程度(契約金と年俸の合計)かかっていることがわかります。 FA選手、FA予定選手、外国人選手といった特定の選手の年俸が大幅に上昇傾向にあり、平均年俸が毎年上がっていることから、現行制度の見直しはもちろん必要ですが、それと同時にファンの拡大など球団経営の努力も求められることになりそうです。この他、高額年俸選手とそうでない選手の年俸格差解消も今後の課題と言えます。☆参考:年俸1億ウォン以上の選手一覧(KBO公式ページの報道資料をもとに作成)※2/14 22:00 修正☆参考:2014年オフFA選手契約一覧※2011年オフから2013年オフのFA選手契約一覧は過去記事(オ・スンファンの獲得総額9億円についての考察)の末尾に表を載せています。

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