おそらく今年最後の記事ですが、まさかこんなタイトルの記事になるとは、というのが感想です。今年気になったことは今年のうちに触れておきたいと思いまして。
Wikipediaの李大浩(イ・デホ)の項目に関して、日本語ページと韓国語ページを比べてみると、ある数字に違いがあります(2013年12月31日0時の段階)。→李大浩(日本語版Wiki:http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9D%8E%E5%A4%A7%E6%B5%A9)→이대호(韓国語版Wiki:http://ko.wikipedia.org/wiki/%EC%9D%B4%EB%8C%80%ED%98%B8)さて、気づいたでしょうか。日本語版では体重が130kgだけど韓国語版では135kgになっている。これに気づいた方、まずまずお目が高い!これは現在シーズンオフというのを考慮した韓国語版が5kg増やした、というのではなくて、KBO公式サイトでは135kg(2011年の体重?)、NPB公式サイトでは130kgになっているだけだと思います。私が注目したいのはそこではなくて、年度別成績の部分です。
2010年の数字に注目して下さい。日本語版では出塁率が.436となっていますが、韓国語版の出塁率(ハングル表記:출루율)では.444となっています。この年李大浩は、打撃三冠に加えて最多安打、最多得点、最高長打率、そして最高出塁率のタイトルを獲得しています。そこでKBOの公式サイトで歴代最高出塁率タイトル獲得者を見ると、2010年のタイトル獲得者の数字は.444となっています。従ってどちらが正解かというと、韓国語版です。(もちろん出塁率が誤っているのでOPSも誤っています。)では、なぜこのような間違いが起こったのか。出塁率は(安打+四球+死球)/(打数+四球+死球+犠飛)で計算できますので、KBO公式サイトの記録をもとに計算しますと、(174+61+10)/(478+61+10+3) ≒0.4438となります。そしてこれは同サイトに載っている出塁率.444と一致します。ここで日本語版Wikiを見直すと、2010年の四死球が61となっていますが、韓国版及びKBO公式サイトでは四球(볼넷)61、死球(사구or死구)10となっています。つまり日本語版では2010年の四死球に四球のみしか入れていないのです。これで計算すると、(174+61)/(478+61+3)≒0.4336となります。…あれ、これでも計算が合わない。もしかしてと思って犠飛を除外して計算すると、(174+61)/(478+61)≒0.4360となり、ようやく日本語版の出塁率に一致しました。こうやってわざわざ計算するのは揚げ足取りをするためではありません。どうして間違えたのかという過程が重要なのです。念のため、韓国の野球選手のWikiから各選手の項目に飛んで2013年の打者出塁率をざっと見てみると、1~3釐程度、KBO公式と誤差がある選手が何人も見られます。これは犠飛が計算に入っていないことが原因と考えられます。ブログタイトルには李大浩を象徴的に持ってきましたが(2010年の最高出塁率打者で、かつ日本でも知名度があるため)、問題はもっと大きいようです。多くの選手の日本語版WikiにはKBO公式サイトの選手ページのリンクが貼られています。現在であれば2013年の出塁率は公式サイトの選手ページから確認することができるので、Wikiで入力した人は公式サイトの出塁率ではなく、その他の項目からわざわざ計算して算出したことになります。そこで、もしもこのブログを見ている方で、韓国人プロ野球選手のWikipediaを編集している方がいたらお願いがあります。今まで犠飛を除外して出塁率の計算していた場合は犠飛を計算式に入れて計算をするよう変更する、もしくはKBO公式サイトの数字をそのまま入力してくださいますようお願い致します。無償でなさっている訳ですし、正しく入力されている方も多いですし、そういう私がこのブログで誤植を連発しているので、このようにお願いするのは心苦しくありますが、やはり公式に発表されている数字にすべきだと思いますのでよろしくお願い致します。「気づいたならここの管理人が打ち直せよ!」って話ですが、このままでは毎年同じ事が繰り返されてしまいます。それに現在私にはそこまで余裕がありません。また、WikipediaでKBO所属選手の成績を確認なさっている方も、出塁率に間違いがある可能性を念頭において閲覧されたほうがいいと思います。あともうひとつ、投手項目に関してもWHIPが誤っているケースが時々見られます。これはおそらく、(被安打+与四球)/投球イニングと計算するところを、(被安打+与四球+与死球)/投球イニングで計算していることが原因と考えられます(こっちは最近でも間違いがあるかまで確認していません)。こちらも気をつけて頂けますと幸いです。無償で行われているというWikipediaの性質を仮に考慮しなかったとしても、今回の間違いは仕方ない部分があります。今でこそKBOの公式サイトは選手成績がよく整理されていますが、以前はそれほどでもありませんでした。そのため、自ら出塁率を計算するという方法でWikipediaの韓国人選手項目の中身を充実させようと試みた方がいらっしゃったのだと思います。その心意気に対しては、私個人は感謝すべきかなと思っています。今回の内容は以上です。以下は余談です。以前は個人が運営するStatizというサイトがデータを豊富に扱っていました。しかし、記録のデータ管理や集計をKBOに委託されているスポーツトゥーアイの提供するコンテンツを無断で利用していたという疑いがかかり、著作権問題に発展しかけて(十分に発展したともみることも可能)、Statizはサイトを閉鎖することになりました。日本に置き換えて説明すると、Yahooの一球速報をもとにstatsを充実させていったら、データスタジアム(株)が問題にしたという感じでしょうか。ちょっと違うかな。個人運営者がデータを売って利益を得ていた可能性も指摘されていますし。
WikipediaにはStatizのリンクが貼られているページもまだ存在していますが、当然リンクは死んでいます。例:孫詠敏(ソン・ヨンミン:http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%AD%AB%E8%A9%A0%E6%95%8F)だからどうなんだという話ですが、ふと思い出したので。
Wikipediaを一度きちんと点検した方がいいかもしれません。
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