2013年12月14日、東京VS富山結果は77-93で富山の勝利。もちろん野球の試合ではありません。バスケットボール・bjリーグの公式戦。一球団の経営規模がプロ野球独立リーグ・BCリーグと近い(と言ってもbjの方が倍ぐらいか)ため、一度は見たいと思っていました。会場は墨田区総合体育館。公共の体育施設を会場に使う点はBCリーグと同じです。コートサイド最前列の席で5000円。
BCリーグではここまで高値のチケットはありません(大人1200円ぐらい)が、フィールドの選手に手が届くほどの近さは臨場感抜群です。公式発表された観客の数は1194人。
bjリーグの中では飛び抜けて多い数字ではないようですが、BCリーグではそれなりの数。そんな中、最も印象に残ったのは場内の演出。まずプレイ中、場内には常にBGMが流れています。攻めの時には攻め用の曲、守備に転じれば守備用の曲に素早く切り替わります。その曲の切り替え及び場内の煽りを行うのがアリーナDJと呼ばれる人。近年では野球場にもスタジアムDJがいますが、それよりも仕事は多岐に渡ります。ゴールを決めた選手の名前をシャウト。ファウルでプレーが中断すれば「クリス・ペプラーです」風の口調でそれを説明。時には観客に掛け声を求めます。何しろ存在感が大きく、良くも悪くもDJのクオリティで試合のイメージが変わります。この日のDJはバスケ経験者に言わせると「初歩的な説明が多すぎる」との事。他方、未経験者には「適量」でした。
BGMもDJも音量が大きいため、選手間のコミュニケーションは取りづらい様子。僕も隣の友人との会話は困難でした。これがいいか悪いかは好みの問題でしょう。ただ、スポーツ観戦に重要な「非日常感」は満載。そしてそれは「また来たい」と思わせるに十分なものだとも感じました。一方、BCリーグで見られるのは、ごく少数の有志がトランペットと太鼓を鳴らす姿。
NPBのクラシカルな方式の応援(トランペット演奏+かっとばせ○○)を数人で行う光景が見られます。多くの観客は彼らから少し離れたところに座り、掛け声にはほとんど参加しません。静かな場内にこだまする彼らの掛け声に参加するには、相当な勇気が必要でしょう。もちろん、常に静まり返っているわけではなく、良いプレーが出れば場内は湧きます。緊迫した展開になれば、ひとつのプレーにも声が飛びます。しかし、それはある意味当たり前の事。それを超えた「場内の演出」らしきものの必要性を感じます。球場の雰囲気という点においては残念ながら「また来たい」と思わせるレベルではありません。もしかしたら僕が観に行った試合だけがそうだったのかも知れないですが、それならむしろほっとします。しかし、どの試合も同じような状態なのだとすれば、それはチームやリーグを挙げて改善を図って欲しいところです。飾らないシンプルさが良いという意見もあるでしょう。でもプロの試合である以上、選手の生のプレーを見せるだけではなく、選手をどう見せるか、球場の雰囲気をどう感じさせるかという点のこだわりがあっても良いような気がします。バスケットボールと野球とでは根本的に競技の仕組みが違います。従ってbjがやっている事をそのままBCで真似をするのは得策ではないでしょう。しかし、リーグを挙げて試合の見せ方を考えるという点は大いに真似をするところがあると感じました。じゃあ具体的にどうするの?そう問われても、胸を張って言える答えはまだないんですけどね。。。
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