チェコ野球連盟(CBA)とチェコソフトボール連盟(CSA)の両者が、今月を以てめでたく50周年を迎えることとなり、その記念式典が去る11月30日、首都プラハにあるスタロプラーメン醸造社のホールで執り行われました。 総勢150人が集まったこの式典には、CBAのペトル・ディートリッヒ会長とCSAのガブリエル・ワーゲ会長の両者ももちろん出席。式典は前後半の2部構成で行われ、まず第1部ではチェコにおける野球とソフトボールの黎明期が紹介されました。会場には草創期に普及に尽力した人々も多数招かれる中、ナレーション付きで野球・ソフトボール文化の始まりと発展についての振り返りが行われました。 続く第2部では、野球・ソフトボールの発展に大きく貢献した数多くのスポーツ関連組織が紹介されました。その中にはチェコオリンピック委員会、チェコスポーツ協会、チャールズ保健体育大(プラハ)、チェコ国営テレビ(チェスカテレヴァイズ)などが含まれています。これらの代表者からの祝辞が述べられた後、2012年に創設されたチェコ野球殿堂とそのメンバーの紹介、さらにはチェコソフトボール殿堂も新たに創設されることのアナウンスが行われました。 公式なプログラムの終了後、参加者たちは懇親会に移行。かつてのチームメイトや同僚、友人同士の間で、ある者たちは思い出話に花を咲かせ、ある者たちはチェコ球界のこれからについての議論を熱くかわしたそうです。この式典に合わせて、CBAとCSAの両者は過去に使われたユニフォームやバット、写真やレリーフなどのアイテムを揃え、出席者たちがチェコ球界の歴史を自らの目で振り返ることができるような機会を演出。さらに、イベント中はチェスカテレヴァイズが保有する過去の映像も放映され、これまで野球とソフトボールがどのようにチェコにおいてプレーされてきたのかも紹介されました。 この式典の場で公開された数々の歴史的なアイテムは、来年の公開に向けて美術館に寄贈される予定になっていますが、「今」の野球界とソフトボール界にとっての2014年も、チェコにとっては非常に重要なシーズンとなります。2月中旬には欧州野球連盟(CEB)と欧州ソフトボール連盟(ESF)の合同総会が、同じプラハで開催予定。ヨーロッパカップはブルノで、ヨーロッパ選手権はそのブルノにオストラヴァとトレビシを加えた3都市で開催されます。さらに、6月下旬にはプラハベースボール・ソフトボールウィークをはじめ、数々のユース・シニアレベルの国際大会が開催予定となっています。 他のヨーロッパ諸国とは違い、総人口に恵まれているわけでもなく、海外に有力な植民地があるわけでもなく、チェコ系海外移民の有力選手が多いわけでもなく、MLBとの強力なコネクションを持っているわけでもない。そんな決して恵まれているとは言えない環境の中、ほとんどゼロの状態から自分たちの手で野球・ソフトボール文化を持ち込み、育て、花開かせたチェコの球界関係者たちの努力には、個人的にはものすごく敬意を表しているところです。歴史の中に1つの足跡を刻んでなお、前身を続ける中欧の「boys of summer(真夏の少年たち、アメリカ英語で野球を指すスラング)」が、これからも輝きを放ち続けることを祈りたいところです。ソース一覧
http://www.mister-baseball.com/50-years-anniversary-celebration-czech-baseball-softball/
http://www.mister-baseball.com/czech-baseball-softball-celebrate-50th-anniversary/
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