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Channel: 野球:海外/独立リーグ
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ナックル姫・吉田えり 再び

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もう今年も12月に入りました。これからしばらくは、今年取材しながら、まだ公開されていないネタをご披露していきます。まずは、9月に取材したBCリーグ・石川ミリオンスターズの「ナックル姫」吉田えり投手から。吉田は、今年もシーズンを関西独立リーグの兵庫ブルーサンダーズで始め、アメリカ独立リーグの開幕を待って昨年在籍したマウイ・イカイカに合流、その後、マウイの属するパシフィック・アソシエーションとBCリーグとの交流戦をきっかけに、BCリーグの石川ミリオンスターズに入団しました。――今回、アメリカ独立リーグのパシフィック・アソシエーションのマウイ・イカイカから日本のBCリーグ・石川ミリオンスターズに移籍したわけですけど。その経緯を教えてください。「今年、この二つのリーグは交流戦を行なったんですけど、それがきっかけになりました。アメリカのリーグはシーズンが短いんですよ。日本は独立リーグでもシーズンが長いですよね。だから、少しでも長くプレーしたいって、(石川球団に)相談したところ、オファーをいただきました。だから野球する上で、アメリカ、日本っていうのは関係ありませんでした。それで、こっち(石川に)来て、週一回投げさせてもらって、想像以上になげさしてもらって…。とてもいい経験になっています」(ブルペンで投球する吉田・石川県営野球場)吉田獲得の経緯を石川球団側に聞くと、実際のところ、前期優勝したことで、彼女を試す余裕ができたことが大きいという答えが返ってきた。石川球団は単体では、昨年もマウイと国際交流戦を行なったのだが、この際にインタビューしたときは、吉田の獲得については、「いくらなんでもねえ」(端保社長)と否定的な見解を述べていた。しかし、今年の球団社長の言葉は変わっていた。「よくよく考えれば、上(NPBやMLB)へ行く可能性が高いのがえりちゃんなんです。実際、男子選手のほとんどはNPBのスカウトのお眼鏡にかなわなっかった選手でしょう。それを考えれば、彼女のナックルは魅力ですよ」――今シーズンも無給の関西独立リーグからシーズンをスタートさせ、その後、マウイへ、そしてBCリーグでプレーすることになりましたが、待遇のほうはアメリカと日本(BC)とでは違いはありますか? 「ほとんど変わらないです。違いと言えば、プレーする上で、サインだったり、頭つかったりって、いうところがBCリーグはすごいって感じました」――ナックルというのはある意味特殊な球種ですよね。但し変化が投げている側にもわからない分、コントロールがつけにくい球種だと思います。実際、ナックルボーラーへの転身を図る元メジャーリーガーの大家投手も、打者に球をじっくり見られると、途端に苦しいマウンドになり、イライラした表情を見せるようなこともあります。そう考えると、ナックルと言う球種は、日本よりむしろアメリカ野球の方があっているんじゃないでしょうか?「そういうことは感じません。自分の中では、しっかりしたいいナックルを投げれれば、相手が見てこようが関係ないと思ってますから。レベルの高いナックルさえ投げられれば、打者は関係ないと思っています。コントロールさえしっかりできれば、見てこられてもストライク取ればいいだけの話ですし」――その吉田さんが言う質のいいナックルとは?「やっぱりウェイクフィールド選手(元レッドソックスのナックルボーラー)のナックルですね」――言葉にすれば、自分でしっかりストライクゾーンとボールゾーンの出し入れができると言うことですか?「そうですね。ウェイクフィールドが一番です」――それで、今現在はBCリーグでプレーしているわけですけど、以前プレーしていた関西独立リーグと比べてレベルの高さは感じますか?「そうですね、やっぱ毎年プロ(NPB)に選手を出しているだけあって、高いですね。練習環境に関しては、やっていることは関西とそんなに変わらないんですが、選手個々のレベルが高いんで…、木田さんや、(森)監督さんもいらっしゃるんで。元プロ(NPB)の南(和彰)さんももいて、そういう人たちと一緒に練習なりプレーなりを一緒にできるというのはとても勉強になりますね」――アメリカとの違いはどうですか? 「(アメリカの)他のリーグは知らないんでなんとも言えないんですけど、今年所属していたパシフィック・アソシエーションとBCリーグとでは大差ないと思います。実際、交流戦やってもほとんど引き分けだったんで。レベル的には、あまり変わんないかなと思います。質的には…、その時、その時ですね」――でも球場の雰囲気は、日米でずいぶん違うでしょ? 「それはそうですね。球場はあまり良くなかったですけどね。でも、独立リーグは、そういう球場の規模もちっちゃくて、お客さんとの距離が近いところがいいんではないかと思います」取材時、残念ながら吉田の登板はなかった。そして、負けられない試合の続くポストシーズンも出番はなかった。このことは現在の吉田の置かれている現実を端的に表していると言える。しかし、本人は年々自身の成長を感じていると言う。来シーズン、彼女はどうるのだろうか、注目していこう。

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