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Channel: 野球:海外/独立リーグ
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西アジアカップ2017 スリランカがWBC参加国のパキスタンを下して悲願の初優勝!!

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Sri Lanka won the Gold medal defeating Pakistan 4/2 @ 13th West Asia Baseball Cup & qualified to Asian Championship pic.twitter.com/H4HkyHuBwv— Sri Lanka Baseball (@slabsa1) 2017年3月1日侍ジャパンの強化試合が行われている裏でビッグニュースが入ってきました。パキスタンのイスラマバードで行われていた西アジアカップにて、スリランカがこの地域最強の国であるパキスタンを下して初優勝を飾りました。正直びっくり。アジアの野球の構図についておさらいしておきましょう。アジアの野球は今回のWBC本大会にも出場している日本、韓国、台湾、中国の4つが図抜けており、そこからだいぶ離れて第二グループの集団が形成されています。その第二グループをけん引しているのが、長い野球の歴史を持つフィリピンと、スポーツ省のサポートがあり、軍隊、警察チームでプレーする選手で構成されるパキスタンの2チーム。この2チームもWBC本大会の前に行われる予選大会の参加国でもあります。西アジアカップはアジアの第二グループで行われるアジアカップという大会が東西に分割されたことによって生まれた大会で、分割以後は全てパキスタンが地元で開催し、パキスタンが優勝するという大会になっていました。この地域の野球の盟主ですね。「中国を倒す」という、他のアジアの第二グループが口にすることもこれまでなかったような目標を掲げ、実際にアジア競技大会やアジア選手権ではしっかり中国と勝負に持ち込めるレベルに到達しています(アジア大会が6-0、アジア選手権が5-0、いずれも中盤まで接戦の好ゲーム)。試合前からコールドゲームとやる方も見る方も決めつけてた時代からすると隔世の感ですね。 9月にはWBC予選に参加し、そこではブラジルとイギリスに連敗し敗退してしまいましたが、ピッチャーの二枚看板(イーサン・ウラー、アヤナット・ウラー)は130キロ中盤の速球と精度の高い変化球や一定レベルのコントロールを持ち、内野手も肩が強く軽快。もちろんプロのマイナーリーガーらで構成される他の参加国と比べると見劣りしましたが、ようやくこのレベルまでアジアの第二グループの国がきたか、という感想を持った記憶があります。今回の西アジアカップもそのWBC予選のメンバーでほぼ構成されており、ほぼ隙はないと見られていましたが、、一方のスリランカは、この地域のナンバー2というポジションを固めていた国でもありました。日本の青年海外協力隊(JICA)のバックアップもあって、徐々に野球のすそ野を広げてきた代表国。今でもJICAからの支援は受けていますが、現在ではスリランカが主体となって野球が行われている印象です。ただ、身体能力が高く、大きなバックアップも付いているパキスタンの壁はなかなか破れずにいました。このスリランカの快挙の何が素晴らしいかと言うと、パキスタンが失速してきたから勝ったわけではない点。むしろ数年前よりもさらに1ステージのぼった感じのあったパキスタンを破っただけにその価値は大きい。まぐれで勝てるような相手ではないですし、今にして思えば2015年の東アジアカップ(スリランカの本来の所属は西ブロックですが、この大会は諸事情で鞍替え)でもフィリピンと1-2の接戦だったこともうなずけます。国内にも一定の競争は存在すると思いますが、こういった国々はやはり国際大会という場でこそ国内では生まれないような競争力が生まれ、それが発展に繋がっていく印象です。パキスタンは中国を倒そうとレベルアップを図り、さらにそのパキスタンを倒そうとすることでスリランカのレベルも上がった側面もあったのではないでしょうか。この西アジアカップはやはり現状ではこの二強以外との差が大きく、この決勝こそが両国にとって最大の目的となっていたような大会ともいえると思います。そこをスリランカが勝ち切ったのは大きい。パキスタンにとっても大きな刺激になったはずです。パキスタンがアジア4強以外の国に敗れるのは2012年のアジア選手権のフィリピン戦以来5年ぶり。フィリピンも除けば、2009年のアジアカップ決勝でインドネシアに敗れて以来でしょうか。日本の支援をきっかけに徐々にすそ野を広げていったスリランカとは全く違うアプローチで強化されてきたので、(すそ野を広げるというよりは、身体能力の高い選手を集めてくるイメージ。もっとも、そこも近年は変わりつつあるようですが)この敗戦が良い方に作用し、さらにもう一皮むけるきっかけになるかもしれません。今回の西アジアカップの他の国についても見ておきましょう。結果だけで見るのならば、これまでの序列がひっくり返るような現象はなかった印象です。久々の国際大会の参戦となるネパールは、以前と比べてもすそ野が広がってきている印象です。関西独立リーグでプレーしたエースのイッソー・タパの力をもってすれば3位も可能なのかな、と思っていましたが、荒削りながらもパワフルなイランに3位決定戦で敗れて銅メダルはならず。二度目の国際大会の参戦となるイラクが全敗で5位に終わりました。 2年前の前回大会で16年ぶりの国際大会参戦を果たしたインドは、いつものようにビザの問題でパキスタン入り出来ず辞退。国内で一月から選考会までやって準備してただけに残念なニュースでしたね。。さて、西アジアカップはこの先のアジア選手権にも繋がっている大会です。 9月に台湾で開催されるアジア選手権は日本は社会人代表、台湾はアマ+マイナー選手、韓国はプロの若手+大学生、中国はトップチームで参戦することが予想されます。そこに東西のアジアカップの上位2チームが加わって行われます。西アジアからは当然パキスタンとスリランカが出場。東アジアカップは開催地が見つからず、今年の開催は断念。ランキングからフィリピンと香港が選出予定のこと。ここ数大会は6チームで行われてきたアジア選手権ですが、今回は8チーム。パキスタンの「打倒中国」宣言もあって、これまで以上に「中国包囲網」が形成されているような気がします。中国戦では実力が発揮できないアジアナンバー5のフィリピン、色川冬馬監督率いる香港代表の戦いも楽しみです。今回のアジア選手権は関係なさそうですが、2015年のアジア選手権はWBC予選大会のアジアの出場国を選定する大会でもあり、その結果パキスタンが選出されています。アジア第二グループとアジアのトップや世界の距離が縮まったことが感じられる、そんな大会になることに期待したいですね。 2017西アジアカップ 結果パキスタン16-1ネパールネパール13-3イラクスリランカ22-0イランパキスタン25-0イラク準決勝パキスタン11-0イランスリランカ11-0ネパール 3位決定戦イラン10-6ネパール決勝スリランカ4-2パキスタン

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