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Channel: 野球:海外/独立リーグ
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海の向こうも野球が熱い! 北米独立リーグその2 アメリカ底辺リーグの実態-上-

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 一方、新興リーグは現在4つ。正直なところ、「プロ」というにはお粗末なレベルで、球場も「こんなところでプロ野球をしているのか」というような下手をすれば草野球場かと思えるようなところもある。 毎年のようにできては消えしている泡沫リーグとも言えるこれらのリーグだが、今年も、4つのうち、ひとつがシーズンを迎える前に消滅してしまった。ここでは、このリーグを含め、最も新しい部類に入る2リーグを紹介する。昨年人知れず発足したマウントレーニエ・リーグはアメリカ北西部に展開されていた。過疎地と言っていい、モンタナ州にまでチームがあった。このリーグは、財政難により開幕前には、6チームを4チームに削減、その後、選手への報酬が払えないと、消滅してしまったからだ。  このリーグには、日本人選手二人が挑戦していた。そのうち、ひとり、昨年は後述するペコスリーグでプレーしていた選手は残念ながら開幕ロースターには残れず、別のアマチュアリーグでプレーしていたようだ。 開幕前のロースターを見ると、今や北米野球を支えている、ドミニカ、ベネズエラ勢がいないという特徴がうかがえる。リーグ全体で116人のうち、アメリカ人は92%にあたる107人。ビザの取得という問題を抱えた独立リーグでは、この数字は突出して高いわけではないが、米国領のプエルトリコ人1人と北米野球では国内選手扱いのカナダ人5人を含めると、117人。つまり実質上、「外国人選手」は日本人ひとりということだ。後述するが、この日本人選手は、「助っ人」として戦力補強として獲得したものではない。NPBというビッグマネーを稼ぐことができる世界第二のプロリーグがある日本からマイナーのそれも、低待遇の底辺独立リーグに、技量のある選手など行くことはほとんどないからだ。 ドミニカ、ベネズエラに代表されるラテンアメリカの選手が、アメリカにわたる最大の理由は金である。母国では考えられないような報酬を受け取ることができるゆえ、そこがマイナーリーグや独立リーグであっても彼らはそこに身を投じる。つまりは、このリーグの報酬は、そういう貧国出身の者にとっても魅力を感じることがないのだろう。 去るものあれば来るものあり、今年発足したのは、北西部、ニューヨーク州からメイン州にかけて4チームが各39試合を争うノースカントリーリーグだ。 このリーグは、独立リーグの強豪、アトランティックリーグと非公式ながら協定を結び、そのファームの役割を果たしているという。要するに、MLB球団との契約を目指すのではなく、上位独立リーグとの契約を目指す選手が集まる、とにかくなんでもいいから「プロ野球選手」になりたいものの集まるリーグと言っていい。おそらく、プロリーグとは名ばかりのリーグだろう。そのことは、リーグの全登録選手96人中、実に4割にあたる38人の経歴が確認できないことにあらわれている。現在ではマイナー、独立を含めた全「プロ野球」選手の履歴は、Baseball ReferenceやBaseball Cubeといったサイトで確認することができる。その記述は完全に正確なものではなく、まれに取りこぼしもあるが、アメリカの主な大学、それに日本や、キューバ―、欧州といった外国のリーグまで網羅しているこれらのサイトに名がないことは、それらの選手の前歴が、本当に無名のアマチュアだったことを示している。 この経歴不明者のほとんどはアメリカ人の若者だろう。経歴が明らかなアメリカ人選手も、プロ経験があるといいながら、その元プレー先は、主に独立リーグ、それも後述する新興独立リーグと言えば聞こえがいいが、底辺リーグがほとんどである。彼らアメリカ人選手は全体の9割5分を占め、外国人はドミニカ人が3人、ベネズエラ人が2人いるが、おおかたどことも契約がとれずなかば路頭に迷っていた選手が藁をもつかむ思いで、このリーグに活路を求めたと思われる。 このリーグに、日本人選手がいない理由は、ただ一つ、接触ルートがないからだと考えられる。 実は、私、これら2リーグは実見したことがない。それでも、これだけのことを書くのは、これとおそらく同等だと考えられる2リーグを実際に目にしているからである。その2リーグについては、次回紹介する。

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