この国際野球ニュースはこっちにリアルタイムで掲載されています。ヨーロッパ代表戦に関しては別に取り上げたのでここでは省略。●南米選手権に向けてコロンビア代表が発表(2月28日)
http://www.clarosports.com.co/news_stories/colombia-buscara-cupo-a-los-juegos-panamericanos-en-el-sudamericano-de-beisbol-en-brasil-19432650
明日からブラジルで開幕する南米選手権に向けてコロンビア代表が発表されていました。あまりコロンビア国内の選手には詳しくないのですが、12年秋のWBC予選のメンバーもかなり入っており、国内組のベストメンバーと言えそうです。今回優勝したチームは7月にカナダで開催されるパンアメリカン競技大会への出場権を獲得するということで、気合が入っています。南米選手権にはいつもはエントリーしないのですが・・。WBC出場国であるブラジルや、「WBC予選不参加国では最強」と言われる(というより僕が勝手に言っている)アルゼンチンらとの戦いが非常に楽しみです。3月に毎年侍ジャパンが国際試合をするのならば、今回南米選手権に出ているチームは時期的にも有力な対戦候補になってきそうな気がしますよね。●高知FDに台湾代表選手二人が加入(8日)欧州代表対巨人2軍の試合は残念ながら中止になってしまったようですが、僕は高知球場で行われた四国銀行対高知FDの試合を見に行ってきました。まあ四銀やドッグスについても色々言いたいことはあるのですが、ここではある二人の新加入選手について絞って書きます。二人というのは林哲瑄と蒋智賢という台湾出身コンビ。この二人、言ってみればかなりのビッグネームです。林哲瑄は元メジャーリーガーで前回のWBCでもバリバリの主力です。蒋智賢も北京五輪代表暦を持っているAAA級経験者なります。なぜ二人がわざわざ四国まで来たのかというと、簡単な話がNPB入りを目指してるからでしょう。実績的には、シーズン途中に少なくとも5人目以降の枠としてNPB入りを目指せるようなキャリアを持っていますからね。アイランドリーグも近年は外国人選手の経由地点としての役割も目指していますから、願ったりなかったりだったんじゃないでしょうか。林哲瑄に関してはスピードが最大の持ち味ですが、体も大きいので長打力もあり、いわゆる5ツール揃った外野手。ただMLBに定着するには至らず、昨年はチームの勧めでなんとピッチャーにコンバート。153キロまで計測する強肩だったらしいのですが、結局そっちでも芽が出ず退団することになってしまいました。本人はやはり再び外野でプレーすることを望んでいるようです。今日は3番センターでスタメンでした。タイムリーも放ち、外野の守備も無難にこなしてましたね。同ポジションの前任者のアンヴィ(フランス代表)が守備に難があるタイプだったので余計にうまく見えました笑 ちなみに、高知はデヘススが広島に入ったので、ピッチャーとしても高知では最速だと思います。センターからマウンドに向かうことはあるのでしょうか。蒋智賢もいわゆる強打の外野手です。林と違って打撃専門というタイプですが。マイナーのキャリアの最初は二遊間を守り、北京五輪でもセカンドで出ていましたが、その後は外野がメイン。高知でも外野手登録です。体もかなり大きくなり、今では元が二遊間の選手だったというのが信じられないくらいですね。外野守備はかなり難があり、13年秋の侍ジャパン戦でもかなりまずい守備を見せていました。ただ、今日試合は4番サードでスタメン。本人が内野手に戻ることを希望しているらしく、彼自身の選択肢を広げる意味でも、再び挑戦してみようということなんでしょう。もっとも、彼のこれまでの守備や今日の動きを見てても三塁守備をものにするのは難しそうだなという印象だったのですが・・。ちなみに二人とも、北京五輪では苦い思い出を持っています。台湾代表は地元の中国に金星を許してしまう忘れられない敗戦があるのですが、二人とも失点に絡むエラーしてしまっていますね。弘田監督はダイヤモンドグラブ賞の常連だった名外野手で、守備を重視する監督ですから、そこは鍛えられるんじゃないでしょうか。守備を磨きながら、カラバイヨ並に打ちまくれば、二人とも夏ごろにはもう高知にいないかもしれませんね。●南米選手権はコロンビアが優勝(8日)ブラジルで開催されていた南米選手権は、決勝でコロンビアがブラジルを下して優勝しました。コロンビアは7月にカナダで行われる、パンアメリカン競技大会の出場権を獲得しました。今回の南米選手権はいつもと違ってパンアメリカン競技大会(南北アメリカの総合競技大会)への出場権がかかっているという大会だったので、いつもは出てこないコロンビアが国内組ベストメンバーを携えての出場。ブラジルも国内組ベストメンバーで、スタメンクラスはWBC代表やマイナー、日本球界経験者しかいませんでした。そんな中で、WBCでは予選出場国にすら入っていないアルゼンチンが両国とどこまで戦えるかに個人的には注目していました。結果は予選リーグが対コロンビアが3-9、対ブラジルが1-2、準決勝のブラジルとの再戦は2-4という結果。特にブラジルとは2試合とも接戦。守備はラテンアメリカらしくいい意味でも悪い意味でも「軽い」です。ピッチャーは主力格は90マイルクラス、代表クラスはみんな最低80以上は出るそうです。個人的には、普通に中国やドイツ、南アフリカの水準に達してるいるんじゃないかなあ・・という印象ですね。コロンビアは想像以上に強かったです。WBC予選で苦杯を舐めたブラジル相手に打力でねじ伏せた感じでしょうか。国内組同士になると、やはりプロリーグを持つコロンビアの方が一枚上手になってくるのでしょうか。ただ、今大会の試合会場は非常に外野が狭く(両翼85くらい?)かなり本塁打が頻発していました。もっと普通の規格の球場なら、結果が変わった試合もかなりあったんじゃないかなと思います。対戦カードにおける力が上のチームにこの条件はより有利に働いていた印象ですね。そして、3位決定戦ではペルーがアルゼンチンを下す番狂わせが起こりました。ペルーは先発がキューバからの帰化だったという話ですが、延長に持ち込んで最後は振り切ったという形は見事。日系人との繋がりが強いペルー野球はアルゼンチンやエクアドルと違ってマイナーリーガーを輩出する下地は整ってないのですが、この勝利は大きな自信になったんじゃないでしょうか。最後に触れておきたいのは、準優勝に終わった地元ブラジル野球の未来について。ブラジルは近年日系人以外でも好選手を輩出し、メジャーリーグに到達する選手も増えてきました。成長は著しいのですが、そういった成長を見るたびにある「ギャップ」を感じてしまいます。それは「見るスポーツ」のしての普及具合。あまりブラジルの国内の野球はヨーロッパあたりと比べても「興行」としての意識が希薄な印象です。今回行われていたスタジアムも内野席も外野席もないようなところで、バックネット裏に関係者がいるだけのように見受けられました。国内リーグは国土も広く色々難しいのかもしれませんが、国際大会はブラジルにおける野球の存在感を高める大きなチャンスだったはず。それだけに今回の状況はちょっとさみしく見えました。今大会のブラジルのメンバーを見ても、元マイナーリーガーや日本の社会人野球経験者がブラジルに帰っても野球を続けられる素晴らしい環境があるようです。それを生かす意味でも、ブラジル野球がもっと発展していくためにも「見るスポーツ」としての発展ももっと意識してほしい。そう感じさせられる今回の南米選手権でした。南米選手権2015 最終順位
1位 コロンビア
2位 ブラジル
3位 ペルー
4位 アルゼンチン
5位 ボリビアブラジル15-0ブラジルアルゼンチン21-0ボリビアブラジル2-1アルゼンチンコロンビア15-0ボリビアコロンビア9-3アルゼンチンペルー7-0ボリビアコロンビア8-3ブラジルアルゼンチン23-2ペルーブラジル17-0ボリビアコロンビア14-0ペルー準決勝 ブラジル4-2アルゼンチン コロンビア16-0ペルー
3位決定戦 ペルー6-2アルゼンチン決勝 コロンビア6-4ブラジル●中国のMLBアカデミーから2選手がオーストラリアに派遣(14日)
https://twitter.com/CHNbangqiu/status/575638658897719296
中国野球にちょっとしたビッグニュースが舞い込んで来ました。中国のMLBアカデミーからオーストラリアプロ野球(ABL)に選手が二人派遣されていたようです。中国野球は体質が閉鎖的で、かつ野球選手は公務員と言う位置づけでそこそこ安泰なポジションなので、MLBが中国野球を攻略しようにも、メジャーリーガー以前にマイナーリーガーすら誕生するのが困難な状況でした。成人になって既に省のチームでプレーする中心選手を引き抜くのは難しい。留学のような形で公式戦には出場せずにマイナーのチームに帯同した選手か、中国協会に無断でマリナーズと契約した選手しか過去には事例がありませんでした。数年前に誕生したアカデミーを起点にMLBもとうとう中国を本格的に切り崩しにかかっているようです。まだ派遣された彼らはマイナーリーガーですらありませんが・・。今後アカデミー発でマイナー契約に至るような選手が出てくれば将来的にはヨーロッパの選手のようにMLBやそれに近い階級でプレーする選手も出てくるポテンシャルはあると思います。注目したいところですね。●北京五輪予選、フィリピン対韓国(15日)
https://www.youtube.com/watch?v=LzHTGL8TWIA&feature=share
北京五輪のアジア予選で韓国とフィリピンが対戦したときの動画を発見しました。この動画を見ても分かるのですが、中国との差はやっぱり守備がなあ・・という印象です。さらにもう1点、気持ちが切れやすくしかも一度切れると目も当てられないくらい決壊してしまうところですかねえ。。昨年秋の18Uアジア選手権の準決勝でも同じカードがありましたが、それも7回あたりまで善戦していたのにも関わらず一度切れると「わざとコールドで終わらせようとしているのかな・・」と思ってしまうくらいの崩れ具合でした。世代を問わない伝統的な傾向ですね。このゲームは韓国の元メジャーリーガー、リュ・ジェグクからフィリピンが1点を奪う貴重な場面があるのですが、そのタイムリーエラーを放ったのは当時40歳のベテラン、アレハンドロ・ベラスケスという選手。中国はプロ野球ではありませんが、公務員と言う形で野球選手という「職業」が存在します。フィリピンは野球で生活すると言う手段がないので、仕事をしながら野球を大学卒業後も続けているような人は基本的に「楽しさ」に基づいてやっている方々です。40代まで続けたベラスケスはその象徴だったと思います。もちろんそれは否定されるべきものではありません。ただ、中国との守備力や集中力の差はその辺の違いにあるんじゃないかなーというのを感じています。ピッチャーのレベルはそん色ないだけにちょっともどかしいですね・・。●東アジアカップ2015参加国決定(17日)
5月の4日-10日にインドネシアのジャカルタで開催される東アジアカップですが、現時点ではインドネシア、タイ、スリランカ(西からの振り替え)、香港、フィリピン、シンガポールが参加予定とのこと 優勝チームは9月に台湾で行われるアジア選手権(4強+西王者パキスタンが既に確定)に出場します。既に得ていた情報を踏まえると、特に参加国の構成に真新しいものはありません。シンガポールも近年は国際大会にコンスタントに出ていますし、久々のアジアカップ出場になるインドネシアも野中寿人監督が再登板しています。マレーシア、カンボジア、ミャンマーあたりが出場できなかったのが残念だなあ・・といったところでしょうか。大会の構図としては横綱のフィリピンにタイ、インドネシア、香港、スリランカら大関陣がどこまで食らいついていけるか、といったところでしょうか。2月の西アジアカップを欠場したスリランカもJICAから再び日本人が派遣されるという情報も出ています。●侍ジャパン戦で登板のなかったドイツのストッケリン投手について(19日)
https://www.youtube.com/watch?v=3uoJGKqEG9o
欧州代表戦で投げなかったドイツ次世代のエース・ストッケリンが欧州選手権のイギリス戦で投げてるところが映ってる動画(背番号25)です。他にも登板のなかった投手はいましたが、彼らはWBCかWBC予選で投げているので動画はチェック済み。したがってストッケリンだけ映像資料がなかったのですが、やっと見つけました。ドイツの野球はMLB寄りの欧州の中でもパワー野球の傾向にあります。彼もまさしくそんな感じで、マウンドの傾斜を使って投げ下ろすようなピッチングフォームです。以前コントロールが悪かったのも分かります。昨年制球が安定し次世代というより本当のエースになりつつある存在です。ジャイアンツ球場の試合が中止にならなければ色々もっと情報も得られたはずなんですがねえ・・と、今頃二週間前の雨を悔やんでいます笑●BCリーグ富山にエルサルバドル代表のアヤラが加入(23日)エルサルバドル代表で、昨年は徳島インディゴソックスでプレーしたダニー・クルーズ・アヤラ投手がBCリーグの富山に入団が決まったそうです。オフはリニューアルされた母国のセミプロリーグでプレーし、先月はエルサルバドルシリーズにも登板していました。本人も日本で続けることを望んでいましたし、せっかく生まれつつある日本とエルサルバドル野球の縁が切れないという意味でも朗報です。昨年は徳島でプレーしていました。ストレートはコンスタントに140キロ以上を計測し、最速は150キロ。ただ、あまり空振りが取れる球質ではなく、130キロ台のハードシンカーで詰まらせるピッチングが最大の特徴ですね。あまり日本人が投げないボールなので効果的だったようです。制球はちょっとバラつくタイプでしょうか。他にはカーブやチェンジアップを投げます。本人はNPB入りが最大の目標としています。昨年の活躍でも声がかからなかったということは、さらにもう一皮剥けないと「外国人」という即戦力の期待がかけられる枠の中で切符を勝ち取るのも厳しいんじゃないかと思われます。ほぼ知られていないエルサルバドルの野球ですが、セミプロがありMLBとマイナー契約する選手を多く輩出した野球の土壌を持っている国ですので、エルサルバドルの野球を世界にアピールする意味でも頑張ってもらいたいですね。
https://www.facebook.com/toyama.thunderbirds/posts/863709057024921
●BCリーグ信濃キャンプににフィリピン・インドネシア代表選手が参加(27日)
BCリーグ信濃グランセローズのキャンプに、インドネシアとフィリピンの選手が参加するようです。昨年もフィリピン代表選手が参加し、アルフレッド・オリバレス捕手が練習生として信濃に帯同するというところまでいったのですが、ビザの問題で断念したという話だったと思います。やはりビザを貰うには選手契約じゃないと厳しいのかなあ・・と。具体的に誰が参加しているのか全員は把握できてないのですが、代表クラスの選手が揃っているみたいですね。インドネシアからだと、代表の主力投手の一人であるムハマド・アクバルが入っているようです(他にアクバルという名前の選手がいないのならばの話ですが)。実は僕、6年前に成田の大谷津球場で行われたアジア選手権のファーストラウンドで彼を見ています。流石にほぼ覚えてないのですが・・。当時のメモには「ダイナミック」と書きなぐっておりますね。インドネシアの投手は当時の印象だと常時130キロ超クラスはいなかったと思うので、どう判断されるのかなあと考えています。成田では日本戦にも投げていますね。今日開幕戦でタイムリーを打っていた現巨人の長野選手らを要する打線に対して2イニングを1安打無失点に抑えています。フィリピンからだと、代表のエース・ダーウィン・デラカルサダらが来日しているとか。フィリピンの投手は普通にレベルが高いので、色眼鏡なしに独立リーグでは戦力になる水準を持っていると思いますね。デラカルサダは130キロ中盤のスピードを持つ変則の左腕です。制球も安定しています。信濃の枠の問題もあるので、どのくらい具体的に獲得の可能性があるのかは図りかねますが、実りある今回の来日になって欲しいなあと、願うばかりです。●信濃キャンプ参加選手詳細(28日)正式に信濃側からフィリピンとインドネシアの選手のキャンプ参加が発表されたようです。参加選手は下に記載されている通り。順番に紹介するとカルロス・ムニョス(フィリピン・投手)はフィリピンを代表する若手の長身右腕。
180を超える長身で、2011年に神奈川で行われた18歳以下のアジア選手権ではエースとして活躍しています。大きなカーブと130キロ前後の速球が特徴的でしたが、現在は140キロ以上出ると言う話を聞いています。フェリペ・レモジョ(フィリピン・捕手)も同じく11年の18Uアジアのメンバーの一人。そのときには4番を打っていた打力に特徴を持つ捕手です。準決勝の日本戦では英明の松本竜也(現巨人)から先制のタイムリーヒットを打っています。スローイングにはかなり難があったように思いますが・・。パブロ・マカセート(フィリピン・投手)は現在フィリピンの強豪アテネオ大学でプレーする19歳右腕。フィリピン代表暦はありませんが、昨年のフィリピン国内の大会では他のフィリピン代表の好投手たちを抑えて最優秀投手を受賞しています。実力は既に代表クラスでしょう。ダーウィン・デラカルサダ(フィリピン・投手)はフィリピン代表のエースですね。フィリピン伝統の変則左腕でありながら130キロ中盤の球威を持ち、制球力と切れ味鋭いカーブも持ち味。勝負強さも特徴の一つでしょうか。アルフレッド・オリバレス(フィリピン・捕手)は昨年も信濃のキャンプに参加していたフィリピン代表捕手。強肩強打が特徴です。動画で見れる範囲では送球の精度があまり高くなさそうですが・・。インドネシアの選手に関しては21歳のコギ・プトラタマ内野手については正直分かりません。あとで野中監督にでも聞いておきます(笑)ムハマド・アクバル(インドネシア・投手)は昨日も紹介したとおり、長年インドネシア代表で活躍する右腕。09年のアジアカップ優勝・アジア選手権出場メンバーです。アジア選手権の日本戦では2イニングを無失点に抑えています。
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